#19 メルセデスベンツ<W124型>(ディテール編)
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【趣味人ジドウシャ部】︎

#19 メルセデスベンツ<W124型>(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介する連載「趣味人ジドウシャ部」。今回は1985〜1995年に生産されていたW124型のメルセデスベンツです。

 

生産終了から20年以上経ったいまも、根強い人気があるW124型。ずっとW124型を乗り続けている人や、より新しい型のメルセデスからあえてW124型に乗り換える人もいます。ディテール編では、ディテールのクオリティや変遷などについてご紹介します。



「最善か無か」を体現するW124型のクオリティ

ドイツの工業製品であることを強く意識させる、ピシッとした隙のない佇まい
 出典  Funmee!!編集部
ドイツの工業製品であることを強く意識させる、ピシッとした隙のない佇まい


メルセデスベンツの創業以来の企業理念として「最善か無か」というものがあります。創設者であるカール・ベンツの言葉ですが、妥協を許さないクルマ造りの哲学は、このW124型メルセデスベンツにも強く感じられます。

 

「整備やカスタムのためにW124型を分解していると、部品ひとつひとつにものすごくコストがかけられていることを実感します」と語る、W124型専門ショップ「アローズ」の関根友治さん。たとえばボディ側面のモールひとつとっても、非常に凝った造りになっているそうです。



過度に華美でなく、それでいてチープでもないインテリア。まさに質実剛健
 出典  Funmee!!編集部
過度に華美でなく、それでいてチープでもないインテリア。まさに質実剛健


また前編で紹介したシートの構造を始め、コンソールのウッドパネルなど、インテリアも細部に至るまでオーバークオリティと言えるほどの仕上げが施されています。生産から数十年以上経過した旧車は、保管状況によってはダッシュボードが割れてしまったりしがちですが、「販売用にする程度のよいものから部品取り用のものまで膨大な数のW124型車両を扱ってきましたが、初期型のものを除き、ダッシュボードが割れた個体を見たことがありません」



ウッドパネルは、初期は木目がまっすぐなゼブラウッドでしたが、後にこのローズウッドに変更されています
 出典  Funmee!!編集部
ウッドパネルは、初期は木目がまっすぐなゼブラウッドでしたが、後にこのローズウッドに変更されています


「最善か無か」の企業スローガンは、1990年代以降、使われなくなりました(2015年ごろから復活しています)。自動車業界を含む世界の経済事情的に、コストダウンを考慮したクルマ造りをせざるを得なくなったことが背景にあると考えられます。W124型は1996年から後継のW210型へとモデルチェンジしましたが、メルセデスベンツならではの魅力が薄まったと感じたオーナーは多く、再びW124型に戻す形で乗り換える人も多かったと言います。

 

W124型は、ある意味「最善か無か」の時代に設計された最後のメルセデスベンツのひとつ。そういうイメージを持つ人が多いことから、いまも高い人気を誇っているのです。



先代のW123型までテールライトは横長でしたが、W124型は小ぶりな台形。伝統の凹凸のあるレンズは、泥や埃が付着しても視認性を確保できるようにするためです
 出典  Funmee!!編集部
先代のW123型までテールライトは横長でしたが、W124型は小ぶりな台形。伝統の凹凸のあるレンズは、泥や埃が付着しても視認性を確保できるようにするためです

マイナーチェンジを境に前期、中期、後期に分けられる

後期型のW124型は、スリーポインテッドスターの位置がグリル上からボンネット端に移動。ヘッドライトのレンズ形状も変更されています
 出典  Funmee!!編集部
後期型のW124型は、スリーポインテッドスターの位置がグリル上からボンネット端に移動。ヘッドライトのレンズ形状も変更されています


W124型は、デビューから生産終了までの間に3度のマイナーチェンジが施されています。1990年にはドアミラーがボディと同色になり、ボディ側面の下半分に「サッコプレート」と呼ばれるサイドプロテクトパネルが装備され、結果的にボディがツートーンカラーとなりました。またインテリアにウッドパネルが多用されるようになりました。このマイナーチェンジを境に、1989年までのモデルは前期型、1990年以降は中期型と呼ばれます。



ボディと同色になったサイドミラー。運転席側は助手席側に比べて小ぶりに作られています
 出典  Funmee!!編集部
ボディと同色になったサイドミラー。運転席側は助手席側に比べて小ぶりに作られています


1993年には、SOHCだったエンジンがDOHC化。そして1994年にはボンネットおよびヘッドライトのデザイン、ウインカーの色が変更されました。この1994年以降のモデルは後期型と呼ばれます。ちなみに1993年の1年のみ、中期までの外装ながら後期型のエンジンを搭載した320TEという変わり種のモデルがあります。



ボディ側面下部のサッコプレート。プレート上端にメッキのモールがあしらわれています
 出典  Funmee!!編集部
ボディ側面下部のサッコプレート。プレート上端にメッキのモールがあしらわれています

また1991年から1994年にかけては、ミディアムクラスの標準ボディに500SLの5.0LのV8エンジンを搭載した500E(E500)も登場しました。大きく張り出したフェンダーを持つなど、スポーツセダン色が強調されていて、これにこだわって乗っている人も多い人気モデルです。



「アローズクラシックライン」。1993年式の320TEをベースに前期型の外装を再現しています
 出典  Funmee!!編集部
「アローズクラシックライン」。1993年式の320TEをベースに前期型の外装を再現しています

デザインは後期になるほど現代的に洗練されたものになっていますが、トラディショナルさを感じさせる前期型のデザインも捨てがたいものがあります。そこでアローズでは、流通数が多く信頼性も比較的高い中・後期型を前期型の内外装にカスタムした「アローズクラシックライン」を販売しています。「サイドモールは樹脂にして、内装もあえてウッドパネルを外してドレスダウンしています。比較的若い層に受けていますね」



ボンネット、グリル、ヘッドライト&ウインカーが前期型のものに交換されています
 出典  Funmee!!編集部
ボンネット、グリル、ヘッドライト&ウインカーが前期型のものに交換されています


まだ部品の供給についてはあまり心配のないW124型ですが、とはいえ生産終了後20年経ち、手に入りにくくなっているパーツも徐々に増えてきているそうです。


「頑丈なクルマなので壊れにくいですが、快適な乗り心地のためにブッシュ類が多用されているので、これらがヘタると本来の乗り味が損なわれてしまいます。早め早めのメンテナンスを心がけることが必要です」と語る関根さん。


必要に応じてきちんと予算をかけて整備すれば、旧いメルセデスベンツならではの質実剛健さを味わいつつ、日常の足としても現代のクルマに遜色なく使うことができるクルマとしてまだまだ活躍してくれることでしょう。



インパネはあえてシンプルにドレスダウン。チェック柄のファブリックシートがおしゃれです
 出典  Funmee!!編集部
インパネはあえてシンプルにドレスダウン。チェック柄のファブリックシートがおしゃれです
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■取材・撮影協力

アローズ

 

W124型メルセデスベンツ専門ショップとして15年の歴史を持つ。2010年に横浜市都筑区から現在地に移転。豊富な部品在庫を確保し、充実のメンテナンス体制で購入後もW124型本来の乗り味を楽しめる。3年前から前期型W124型のスタイリングを再現した「アローズクラシックライン」も展開。

 

住所:神奈川県川崎市宮前区菅生3-27-14

TEL:044-976-6155

営業時間:9:00〜19:00(火〜金曜)、10:00〜20:00(土日祝)

休み:月曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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2018年1月31日
Funmee!!編集部
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