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#25 ルノー・アヴァンタイム(歴史&スペック編)
【趣味人ジドウシャ部】︎

#25 ルノー・アヴァンタイム(歴史&スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。


今回紹介するのは、ルノーの前衛的なミニバンスタイルの2ドアクーペ、アヴァンタイムです。



ジャンル分けを拒む唯一無二の存在


ルノー・アヴァンタイムは、ミニバン的なシルエットを持ちながら、ドアは2枚のみ。分類上はBピラーがないため、ピラーレスハードトップの2ドアハッチバッククーペになります。

 

メガーヌIIやヴァルサティスに採用された垂直に切り立つリアガラスを持ち、あえて2ドアというアヴァンタイムは、車種の分類を拒むかのように個性的です。



全長は4,660mm、ドアが驚くほど長いのが判ります
 出典  Funmee!!編集部
全長は4,660mm、ドアが驚くほど長いのが判ります


ボディカラーに関係なくシルバーの部分はアルミ製で、スティール製ボディと接着剤を使って結合され、モノコックとなっています。外板はプラスティック樹脂製で、黒いルーフ部分は細いピラー以外全てガラス製という変わった作りが特徴です。



全幅は1,830mm、全高は1,630mmと見た目よりサイズは大きめです
 出典  Funmee!!編集部
全幅は1,830mm、全高は1,630mmと見た目よりサイズは大きめです


ミニバンゆえにリアシートへの乗り降りも重要となります。そのためアヴァンタイムは全長1.4mという驚くほど長いドアを持ちます。狭いスペースでも長いドアから乗り降りを可能とするために、ヒンジの支点を2カ所とするダブルヒンジ機構を採用。これによってドア全体が外に張り出して開く仕組みとなっており、あまりドアを開かずに乗り降りを可能としているのです。




ドア全体が外に押し出されてから開くダブルヒンジを採用します
 出典  Funmee!!編集部
ドア全体が外に押し出されてから開くダブルヒンジを採用します

 

 

コンセプトモデルをそのまま市販化


アヴァンタイムは1999年のジュネーブモーターショーでコンセプトモデルを発表。評判は良かったものの、あまりに前衛的で市販化には懐疑的な意見が多い中、2001年にほとんどそのままのカタチで販売を開始しました。ベースとなったのは、ルノー傘下のマトラが生産するミニバン、エスパスで、アヴァンタイムもマトラで生産されました。

 

ちなみにアヴァンタイムは、フランス語のAvant(前に進んだ、前衛的な)と、英語のTimeを組み合わせた造語です。つまり『時代の先を行く』といった意味になります。



ベースとなったのはルノー傘下のマトラが生産するミニバン、エスパスです
 提供  RENAULT
ベースとなったのはルノー傘下のマトラが生産するミニバン、エスパスです


デザインは、ルノー・トゥインゴやルノー・セニック、ルノー・メガーヌIIなどを手がけたパトリック・ルケマンで、市販化の際にもほとんどその姿を変えることなくリリースされました。

 

当時のルケマンを中心としたルノーのデザインチームは、社内での影響力が非常に強かったといわれており、前衛的な車両を次々と生み出していた時代。そんな時代背景がアヴァンタイムを生み出したといっても過言ではないでしょう。



これがコンセプトモデル。この時点でほぼデザインが完成していることが判ります
 提供  RENAULT
これがコンセプトモデル。この時点でほぼデザインが完成していることが判ります


2003年のモデルチェンジを機にエスパスは生産をマトラからルノーに移管することとなり、派生モデルであるアヴァンタイムはモデルチェンジすることなく生産を終了。2001年から2003年の3年間に8,557台を生産しました。日本にもルノージャパンを通じて200台強が正規輸入されましたが、並行輸入を含めても国内の現存台数はおそらく非常に少ないと思われます。

 

「状態の良い個体は徐々に減ってきていますが、しっかりと整備されていれば、まだまだ現役で乗ることができますよ」とAZ autoの小玉さん。あなたもそんな型破りなミニバンのオーナーになってみませんか?



AZ autoでは取材時にはなんと3台のアヴァンタイムを在庫していました
 出典  Funmee!!編集部
AZ autoでは取材時にはなんと3台のアヴァンタイムを在庫していました

日本にも多くのファンを持ち、ヨーロッパ屈指の規模を持つ自動車メーカー・ルノー。一世紀を超えるその歴史を貴重な写真も多数収録して紹介。巻末には年表も掲載。


■取材協力

AZ auto

 

国内外のさまざまな車種を扱うが、特にイタリア車とフランス車を得意とするAZ auto。イタフラ系だけでも比較的新しいモデルから、レアなビンテージモデルまで常時約150台をストック。あまりお目にかかることのない珍しい車種でも、AZ autoなら探している一台が見つかるはず。

 

神奈川県横浜市都筑区東山田町894

TEL:045-534-9111

営業時間:10:00〜19:00

休み:水曜(祝日の場合は営業)

 

 

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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



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2018年4月10日
Funmee!!編集部
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