【趣味人ジドウシャ部】#09 初代フィアット・パンダ(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介する連載「趣味人ジドウシャ部」。9台目に登場するのは初代「フィアット・パンダ」です。

 

ジウジアーロがデザインした、1980年代を代表する傑作コンパクトカーは、ルックスだけでなく、車内の居心地やキビキビとした走りも大きな魅力。ディテール編では、ドライビングフィールや使い勝手、メンテナンスなどについてご紹介します。



コンパクトながらリラックスできる絶妙なサイズ感

カジュアルな雰囲気の明るい室内空間

 出典  Funmee!!編集部


初代「フィアット・パンダ」に乗り込んでみましょう。チェック柄のシートを始め、淡い色合いの内装がカジュアルさを演出しています。



シンプルながら機能的にデザインされたダッシュボード

 出典  Funmee!!編集部


ダッシュボードは布張りで、フタや仕切りなど一切ありません。角度がかなりつけられているので、走っているときに中に置いたものが飛び出す心配はまずないでしょう。左右にスライドして位置を変えられる灰皿がユニークです。煙草を吸わない人でも、小物入れとして重宝しそうですね。   



スイッチ類はインパネの1カ所に集約されています

 出典  Funmee!!編集部


プラスチックの筐体に四角いボタンがギュッとまとめられたインパネも非常にシンプル。コストダウン命で設計された大衆車なので、とにかくお金がかかっていない造りなのですが、むしろ楽しい気分になってきます。

 

運転席に座ってステアリングを握ると、角張った小さなボディは見切りがよいので車体の四隅の感覚がすんなり掴めます。室内もコンパクトで決して広くはありませんが、かといって窮屈さを感じるほどでもありません。

 

「この絶妙なサイズ感が、パンダの魅力です」と語る、パンダを中心とするイタリアン・スモールカー専門ショップ「アウトパンダ」の下江勝さん。パンダは、ヨーロッパの車格基準ではAセグメントに分類される、もっともコンパクトな乗用車ですが、室内空間はCセグメントのBMW1シリーズと同等の広さがあるそうです。



コンパクトながら十分なスペースのあるラゲッジルーム

 出典  Funmee!!編集部


'90年代以降のモデルなら、パワーウインドウや集中ドアロックがついている個体も多いので、普段の使い勝手もいまのクルマと比べて大きく劣る点はありません。2枚ドアですが、前席はワンタッチで前に座面ごと傾けられるので、後席への乗り降りもラク。また後席を前に倒すとかなり大きなラゲッジスペースを作ることができます。4×4モデルなら、キャンプ道具やBBQ道具を積んでアウトドアに遊びに行くのもいいですね。



後席を前に倒すと大きな荷物もラクに積むことができます

 出典  Funmee!!編集部

 

非力なエンジンを回して走るおもしろさ

角張ったスタイリングが目を引きます。20年前のクルマながら、街乗りから遠出まで普通に使える点が魅力です

 出典  Funmee!!編集部


エンジンをかけて走り出すと、拍子抜けするほど運転は楽ちんです。小排気量とはいえしっかりトルクがあり、クラッチも扱いやすいので発進の際に気を使う必要はありません。ハンドルはノンパワステですが、極低速で大きくハンドルを切る際に少し重さを感じる程度で、ほとんど気にせず操作できます。   



パワステなしですが、それほど気合いを入れなくても操作できます。ちなみに年式問わずすべて左ハンドル仕様です

 出典  Funmee!!編集部


エンジンはけっしてパワフルとは言えませんが、だからこそ街なかでもしっかりアクセルが踏めます。ブイ〜ンとエンジンを回して、タイミングよくスパッとシフトチェンジ。メリハリをつけてドライビングしていると、どんどん楽しくなってきます。車重が軽いこともあって、コーナリングも軽やか。



車重が軽いので、左右にヒラヒラと操ることができます

 出典  Funmee!!編集部


静粛性も、もちろんいまどきのクルマほどではありませんが、より旧い世代のクルマに比べれば格段に静か。高速道路を使っての長距離移動も問題なくこなせます。「パンダはいまとなってはクラシカルなスタイル。それでいてもっと旧い旧車に比べて乗りやすく、維持しやすい。何でもできて、ガマンするところがない。それがよいところです」と、下江さんは語ります。


23年間製造されていた初代パンダにはさまざまな仕様のモデルがあります。「テイストは若干違いますが、エンジンとの距離感とか、動き出すときの感覚は同じなので、乗るとみんな『ああ、パンダだな』と感じます。ただ使い勝手を考えると初期モデルは玄人向けですね」



「アウトパンダ」の店舗。「実は私、昔はパンダのことあまり好きなクルマではなかったのです(笑)。でも、さわって乗っているうちにすっかりハマってしまいました」と語る下江さん

 出典  Funmee!!編集部


また、「セレクタ」と呼ばれるATモデルは、変速のタイミングがややギクシャクしがちなことと、ストップ&ゴーする機会が多い都市部ではどうしても負担がかかって壊れやすいところが玉にきず。交換部品があまりないため壊れた場合に直しづらく、あまりおすすめできないそうです。セレクタを所有している、あるいは程度のよいセレクタの車両をみつけたという場合は、MTに換装するのがおすすめ。費用は40万円ほどかかるりますが、安心してより長く乗り続けることができます。

 

「セレクタを別にすれば、メンテナンスに関してはどうとでもできます。それもパンダのよいところ。チューンナップなどのカスタムももちろんできますが、たとえばクラシックMINIのようにアフターパーツがたくさん出回っているわけではないので、ヘタにいじらないほうが無難です。ただパンダはノーマルでも十分楽しいクルマだと思いますよ」

 



■取材・撮影協力

アウトパンダ

 

1996年創業のイタリアン・スモールカー専門ショップ。名前の通りフィアット・パンダをメインに扱っており、パンダ愛好家にとって心強い味方。一般的なメンテナンスから、ATモデルのMT換装までさまざまなニーズに応えてくれる。パンダは常時数台の在庫があるので、興味を持った方はホームページへ。


東京都国立市青柳3-12-2

TEL:042-527-5522

営業時間:10:30〜19:30

休み:火曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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Funmee!!編集部

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