いまこそ聴きたい!ハードロック/ヘヴィメタル 10選(前編)
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いまこそ聴きたい!ハードロック/ヘヴィメタル 10選(前編)


若者に人気のカラフルなバンドTシャツには、ハードロック/ヘヴィメタル・バンドのジャケットやロゴをプリントしたものが多くあります。

 

「イラストは知っているけど、音楽は聴いたことがない」。そんな方はぜひ一度、お気に入りのTシャツに描かれたバンドの作品を聴いてみては? もしかしたら、より愛着が湧くかもしれません。


 

というわけで、今回はディスクユニオンの大塚真一さんに、“いま聴きたい”ヘヴィメタル・アルバムを10枚選んでいただきました。前編では入門編としてメジャーな5枚を紹介します。



Metallica『Kill 'Em All』(1983)

ハンマーと血痕を組み合わせたジャケットはインパクト大
 (C)ユニバーサル・ミュージック / 出典  Funmee!!編集部
ハンマーと血痕を組み合わせたジャケットはインパクト大


Metallicaの記念すべきデビューアルバムです。

 

従来のヘヴィメタルよりもスピーディで激しいメタルをスラッシュメタルと呼ぶのですが、彼らはその先駆者です。Megadeth、Slayer、Anthraxと並び、スラッシュメタル四天王(THE BIG4)とも呼ばれます。

 


このアルバムに収録されているのは、ザクザクと刻む切れ味鋭いギターリフや、2ビートの速くてドカドカしたドラムを主体とした楽曲ばかり。いまでもライブで演奏する曲が多いですね。一般的には3rdの『Master of Puppets』が最高傑作とされていますが、Metallicaの持ち味は勢いだと思うので、個人的な思い入れも含めて1stをオススメします。

 

その後のラウドで尖ったバンドにも影響を与えた名盤です。



Guns N' Roses『Appetite for Destruction』(1987)

MTV全盛期の華やかさが凝縮されている
 (C)ユニバーサル・ミュージック / 出典  Funmee!!編集部
MTV全盛期の華やかさが凝縮されている


全世界累計で2,800万枚以上を売り上げたGuns N' Rosesのデビューアルバムです。

 

発売当時はグランジ前夜で、メタル黄金期の派手な様式美が少し古くさくなりかけていました。そんな時代に登場した彼らでしたが、七色の声を使い分けるアクセル・ローズのスター性もあり、あっという間にブレイクしました。


 

この作品の収録曲は全曲シングルカットできるほどのクオリティです。ハードチューンあり、バラードありとバラエティ豊かで、とくに1曲目から3曲目までの畳みかけるような展開が素晴らしいですね。

 

従来のハードロック/ヘヴィメタルの魅力を継承しつつ、優れたソングライティングでオリジナリティを確立している作品です。発売から30年経ったいまでも色褪せないので、50年後、100年後も聴けると思います。



Judas Priest『Painkiller』(1990)

ロブ・ハルフォードのシャウトを堪能するならこの1枚
 (C)ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル / 出典  Funmee!!編集部
ロブ・ハルフォードのシャウトを堪能するならこの1枚


Judas Priestはもともとハードロック・バンドでしたが、78年リリースの『Stained Class』でメタルスタイルの基礎を確立し、『British Steel』で強靭な“ヘヴィメタル”を提示しました。

 

彼らのヘヴィメタル・アルバムとしては『復讐の叫び(Screaming for Vengeance)』と『背徳の掟(Defenders of the Faith)』も捨てがたいですが、今回紹介するのは『Painkiller』です。


 

前作である『Ram It Down』がモダンすぎてファンに受け入れられなかった反動か、「これぞヘヴィメタル!」という内容になっています。1曲目のタイトル曲はキラー・チューンですね。

 

聴きどころは、メタル・ゴッドと呼ばれるロブ・ハルフォードのハイトーン・ボイスと、鋼のように硬質なディストーション・ギターです。ドラムも手数が多くて激しく、素晴らしいです。



Pantera『Vulgar Display of Power』(1992)

邦題は『俗悪』。バンドの持つエナジーが噴出している
 出典  Funmee!!編集部
邦題は『俗悪』。バンドの持つエナジーが噴出している


メジャー・デビューしてから2枚目、通算6枚目のアルバム。とことんまで重さを突き詰めてヘヴィメタル・シーンを塗り替えた、歴史的な作品です。

 

当時、ヘヴィメタル=長髪というイメージでしたが、ヴォーカルのフィル・アンセルモはこの頃からスキンヘッドに。ルックスからもわかるように、激しく力強いヴォーカル・スタイルになりました。



 提供  ワーナーミュージック・ジャパン


ギタリストであるダイムバック・ダレルのプレイも斬新です。独創性に富んだリフやリズムパターンを多用した奏法で、一躍注目を浴びました。不慮の事故で亡くなってしまいましたが、個人的にも、もっとも好きなギタリストです。

 

全編を通してハードコアからの影響が色濃く、絶妙なかたちでヘヴィメタルとクロスオーバーさせています。現行のラウドロック・バンドの源流ともいえる1枚です。



Thin Lizzy『Wild One - The Very Best of』(1996)

フィギュアスケートの羽生結弦選手が使用した「パリの散歩道」も収録
 (C)ユニバーサル・ミュージック / 出典  Funmee!!編集部
フィギュアスケートの羽生結弦選手が使用した「パリの散歩道」も収録


アイルランドの英雄とも呼ばれるThin Lizzyのベスト盤です。厳密にカテゴライズするなら彼らはハードロック・バンドになると思いますが、ヘヴィメタル・シーンへの多大なる影響を考えてセレクトしました。

 

今回の企画なら、’83年にリリースされたヘヴィメタル色の強い『Thunder and Lightning』の方が妥当かもしれません。あまりにもThin Lizzyが好きすぎて、1枚に絞れなかったんです(笑)。


 

このアルバムは19曲収録で、Thin Lizzyの15年の軌跡がわかりやすくコンパイルされています。いまは亡きフィル・ライノットの独特な歌唱法と、どこか哀愁を感じさせる楽曲が聴きどころですね。

 

ハードロック/ヘヴィメタルをはじめ、激しい音楽を愛するすべての方に聴いてほしい名盤です!



音楽

Metallicaの記念すべきデビューアルバムです。


■プロフィール

大塚真一さん


20年ほど前からディスクユニオンでアルバイトを始め、そのまま入社。現在は新宿ヘヴィメタル館のチーフを務める。ハードロック/ヘヴィメタル全般から、デスメタル、ブラックメタル、グラインドコア、ドゥーム/ストーナーなど、激しくディープなメタル・サウンドに造詣が深い。

 

 

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文:吉田勉(Tsutomu Yoshida)

写真:山本祐之(Yuji Yamamoto)



2018年2月27日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

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