【趣味人ジドウシャ部】#12 シボレーK5ブレイザー(スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。12台目は「シボレーK5ブレイザー」です。

 

SUVブームは留まることを知らず未だ活況を呈しています。コンパクトクラスから超高級車まで、より多彩で魅力的なモデルが増え続けいまやその選択肢に迷うほど。今回はSUV発祥の地、アメリカからジドウシャ趣味に最適なライフスタイルカーを取り上げます。



広大なアメリカの風土が育んだ究極の多目的車、それがアメリカンSUV

K5ブレイザーの後ろ姿には、アメリカンSUVの風格が

 出典  Funmee!!編集部


SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)というカテゴリーは、一体いつ頃から確立されたのでしょうか。自動車メーカーが意図的に作ったマーケットとも違います。

 

このカテゴリーの元祖とされるのはジープですが、第二次世界大戦後の民生用ジープは業界をリードするほど販売台数を記録していません。

 

また、後に主流となる2ドア+ハッチゲートをもつモデル『ジープ・ステーションワゴン』も作られましたが、いまひとつヒットせず、その先見性は認められるものの、ひとつのモデルバリエーションに過ぎません。



K5ブレイザー以前の四駆のような武骨さは抑えられ、意外とスポーティなインパネまわりのデザイン。コラム式のシフトレバーからは懐かしさも感じる

 出典  Funmee!!編集部


アメリカ車といえば大型のクーペやセダンを連想しがちですが、もっとも多い販売量を誇るのは昔も今も実はピックアップトラックです。

 

2016年の車種別販売台数を見ても、フォード、シボレー、ダッジの順でピックアップトラックがトップ3を形成していますが、どうやら人気の秘密はアメリカ特有のライフスタイルにあるようです。



K5ブレイザーの源流を作った、ピックアップトラックのライフスタイル


今日のアメリカンSUVブームを巻き起こした端緒とも言えるK5ブレイザーは、当時もアメリカで人気の高かったピックアップトラックをベースに誕生しました。

 

その頃、なぜピックアップトラックが人気なのかというと、その大きな要因のひとつは税制です。ピックアップトラックは貨物車扱いであり乗用車カテゴリーではありません。どの国も物流などで必要不可欠な実用車には課税しにくい背景があり、優遇された税制になっています。

 


初代K5ブレイザーの開発ベースとなったC-10/K-10ピックアップトラック

 写真提供  GM


また、北米のライフスタイルや気質にも合致します。大きな荷台になんでも放り込めますし、日常の買い出しは言うに及ばず、自転車やバイク、キャンプ道具もたっぷり積み込めるのです。


ピックアップトラックは小さくてもトラックであることに変わりはありません。骨太のラダーフレームと力強いエンジン、タフな環境で真価を発揮する走破性の高い四輪駆動車ですから、ボートやキャンパーなど、大きなものは大型トレーラーのように牽引することが可能です。



K5ブレイザーのリアゲート開口部には、ピックアップトラックトラックの面影を見ることができます

 出典  Funmee!!編集部


アメリカフロリダ州・キーウエストのセブンマイル・ブリッジを、セーリングヨットを牽引しながら走るピックアップトラックの姿はまさに圧巻。陸の王者そのものです(30フィートクラスなら悠々運べます)。

 

こうした多彩な使い方に対応するピックアップトラックですが、わずかに難点もあります。十分な広さの後席がないことと、キャビン内に荷物が入れられないことでした。当時は税制上、2ドアしかトラックとは認められず、メーカー各社は現在主流の4ドアのピックアップトラックを作らなかったのです。



四輪駆動の走破性と、広いキャビン+ラゲッジをひとつのパッケージに

前席頭上とラゲッジを覆う大きなハードカバーは脱着可能な構造となっています

 出典  Funmee!!編集部


先に触れたように、歴史を振り返ればSUVの先駆けはジープといえるのですが、この先駆者に対し果敢に挑んだのがフォードでした。

 

軍用車のイメージが拭いきれないジープに対し、四輪駆動ピックアップトラックのシャーシを活用し専用設計のクローズドボディを架装。そして、1966年に送り出されたのが初代『ブロンコ』です。

 

これを横目に静観していたGMですが、黙ってシェアを奪われるはずがありません。フォードに遅れること3年。機は熟したと見たのでしょうか、シボレーブランドから1969年に対抗馬として『K5ブレイザー』をデビューさせます。



多彩なボディバリエーションと高出力エンジンで人気が沸騰したK5ブレイザー

 出典  Funmee!!編集部


ベースモデルは同社の人気ピックアップトラックであるC/Kシリーズですが、全長3.9mにも満たないブロンコに対し、このK5ブレイザーは、ショートホイールベースモデルでも全長4.7mオーバーの大きなボディサイズが与えられていました。



ベンチシートなら4人は座れそうな広々とした室内。後席は3名乗車の5人乗りです

 出典  Funmee!!編集部


こうしたパッケージが功を奏し、後発にも関わらずK5ブレイザーは好評を博します。ボディサイズは前出のショートホイールベースに加え、スタンダード、ロングホイールベースと3つのボディバリエーションをもち、また、フロント周りのデザインを実績ある人気のC/Kシリーズと共用した点も成功の要因でした。



クラシックなアメリカ車特有のライド感は大きなボディと大排気量エンジンがポイントです

 出典  Funmee!!編集部


K5ブレイザーのタイムラインは、4世代に渡ります。初代が1969~1972年、2代目が1973~1980年でこの2世代が丸型ヘッドライトを採用します。3代目から角型ヘッドライトを採用しますが1981~1988年が縦並び、1989~1991年の4代目は横並びのレイアウトを採用しています。

 

搭載するエンジンは年代ごとに異なりますが、4.1リッターと4.8リッターの直列6気筒、5リッター、5.7リッター、6.6リッターのV型8気筒、そして6.2リッターのV型8気筒ディーゼルがあります。

 

K5ブレイザーはそのボディバリエーションと相まってSUVシーンの牽引役となるのです。




■撮影協力

城南ジープ・プチ


創業から34年目を迎えたアメリカンSUVの専門店。車両販売やメンテナンス、また、独自に培ったネットワークでコルベットやマスタングの輸入実績もある。

 

東京都世田谷区玉堤2-9-5

TEL:03-3705-4411

営業時間:平日10:00~19:00 日曜、祭日10:00~18:00

休み:水曜

 


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文:教重誠一(Seiichi Norishige)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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Funmee!!編集部

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