【趣味人ジドウシャ部】#03 スズキ・ジムニー[アピオ・コンプリートカー](スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。3台目は「スズキ・ジムニー」です。

 

軽自動車の本格クロスカントリー車として、唯一無二の存在であるジムニー。ヴィンテージカーと違って、今なお生産され続けているクルマなので、モチロン新車が容易に手に入ります。

 

しかし趣味人としては、他の人とあまり被らない、ひと味違うものがほしいところ。そこで今回は、素のジムニーの魅力に触れつつ、内外に手を加えられた、コンプリートカスタムのジムニーをご紹介します。



3世代で47年間守り続けたコンセプト

現行ジムニーは、昔に比べて角の取れたスタイリングをしています。写真はアピオのコンプリートカー「TS7」

 出典  Funmee!!編集部


まずは、ジムニーの長い歴史をカンタンに紹介しましょう。このクルマのルーツは、1967年にホープ自動車というメーカーから発売された「ホープスターON型4WD」。ジープを参考に、より手軽に乗れるコンパクトな四輪駆動車を、というコンセプトで開発され意欲的なクルマでしたが、弱小メーカーゆえに生産能力や販売能力が乏しく、成績は振るいませんでした。

 

そこでスズキがその製造権を買い取って量産車として手直ししたうえで、1970年にデビューしたのがジムニーです。ネーミングは「ジープ・ミニ」をもじったものと言われています。



ジムニーのヘッドライトは昔から丸目。ただし3世代目からは角型のカバーが付いています。「TS7」はバンパー交換で精悍な顔つきになっています

 出典  Funmee!!編集部


以来、現在に至るまでの47年間、シャーシやボディの変更を伴うフルモデルチェンジはわずか2回。3世代で初代からのコンセプトを守ってきました。とはいえ、軽自動車規格改正への対応を含め、マイナーチェンジは頻繁に行われ、時代に合わせて進化しています。

 

エンジンは、初代は空冷2ストローク360ccでしたが、1972年に水冷化。そして1984年に4ストロークSOHC550ccターボとなり、1990年から排気量が660ccとなりました。さらに1995年からはDOHCエンジンに変更されています。またこの年からサスペンションが従来のリーフスプリングに替わってコイルスプリングが採用されました。

 

現行の「JB23」は1998年に登場した3代目。初代や2代目と比較すると、エクステリア、インテリアともにかなりモダンなデザインとなり、また静粛性や街での乗り心地なども大きく改善されています。この3代目も登場からすでに約20年が経過。その間9回のマイナーチェンジを受け、現在販売されているのは10型となります。



モダナイズされたJB23-10型のインパネ。ステアリングはアピオのオリジナル

 出典  Funmee!!編集部


ホープスターの製造権買収を決断したのは、当時スズキの社長だった、現会長の鈴木修氏でしたが、このとき社内からは猛反対を受けたと言われています。しかしジムニーはこれを覆すかのようにヒットし、日本だけでなく世界中にユーザーを持つクルマとなりました。

 

コンパクトで経済的な四輪駆動車ということから、山間部では作業車や日常の足として欠かせない存在となっていますし、一方で走破性を含めたオフロードでの使い勝手のよさから、林道走行や渓流釣り、ウインタースポーツなどのための趣味車としての人気も高いクルマです。



カスタムのしやすさもジムニーの大きな魅力

ラダーフレームならではのカスタムしやすいボディ。「TS7」はリアバンパー交換+ナンバープレート移動によってすっきりした後ろ姿となっています

 出典  Funmee!!編集部


同じスズキのハスラーのように売れまくったりはしていませんが、毎月1,000台ずつ、地道に売れているジムニー。ジムニーには、昔から同じ車両を乗り続けている、あるいはずっとジムニーだけを乗り継いでいる熱心なユーザーがたくさんいます。また、他にセダンやワゴンを所有しつつも、趣味車のセカンドカーとして常にジムニーを手放さないというユーザーもいます。その根強い人気は、定期的に専門誌が刊行されていることからもうかがえます。

 

雑誌を手に取るとわかりますが、誌面には膨大な数のカスタムパーツが紹介されています。バイク感覚でさまざまなカスタマイズを楽しめるのも、ジムニーの魅力のひとつです。今どきのクルマは、シャーシとボディを一体化したモノコックボディが一般的ですが、ジムニーは今では絶滅危惧種となった、昔ながらのラダーフレームを採用しています。フレームに別体のボディが乗っかっているというシンプルな構造は、仮に山道でひっくり返ってボディを損傷しても、修復が比較的しやすいというメリットがありますが、これが同時にカスタムのしやすさにつながっているというわけです。



こちらは販売車両ではなく、横濱帆布とのコラボで製作したデモ車。ボディを帆布風にカスタムしています

 出典  Funmee!!編集部


カスタムは、コツコツとやっていくのも楽しいのですが、乗り始めから人と違ったクルマがよいという人、また始めからカスタムの方針が定まっている人には、定番のカスタムパーツを新車に組み込んだ、コンプリートのカスタムカーもおすすめ。「アピオ」も、そうしたコンプリートカーを販売するジムニー専門ショップのひとつです。


前後バンパーやタイヤが交換され、車高が上がったコンプリートカーは、ノーマルの野暮ったさが消えてオフロードカーらしい精悍さが強調されています。


「夫婦や家族で見に来られるお客さんもたくさんいらっしゃいますが、来店する前は『軽なんでしょ』という感じだった奥さんが、実車を見て旦那さんより乗り気になっちゃうこともよくあります(笑)」と語る、アピオの河野仁さん。またセットで販売する分、同じパーツを後からひとつずつ交換するより割安になるため、そのお得感が旦那さんにとっては奥さんを説得する材料にしやすいようですよ。



後席を倒せば、運転席から後ろはすべて荷室になります。荷室後部をフラットにするデッキもアピオオリジナルのパーツ。コラボバッグはこのデッキにピッタリ収まるサイズです

 出典  Funmee!!編集部


■取材・撮影協力

アピオ

 

1969年に有限会社尾上自動車として現会長の尾上茂さんが創業。1988年からジムニーのパーツメーカーとしてアピオブランドを立ち上げ、その後パリ・ダカール・ラリーを始め、国内外のラリーレイドに参戦。2005年より河野仁さんが社長に就任。ラリーなどで培ったノウハウを生かしたチューンナップパーツから日常での利便性を向上するユニークなパーツまで、多数のオリジナルパーツを販売し、アピオジムニーに乗ることで広がるジムニーライフスタイルの提案も行う。

 

神奈川県綾瀬市吉岡651

TEL:0467-79-3732

営業時間:10:00〜19:00

休み:水曜・祝日

 

 

===

文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)




最新情報はこちらから フォローやいいね!をして最新情報を受け取ろう

Funmee!!編集部

Funmee!!編集部

TOP