【趣味人ジドウシャ部】#11 ユーノス・ロードスター(スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介する連載「趣味人ジドウシャ部」。11台目に登場するのは「ユーノス・ロードスター」です。

 

2代目以降は「マツダ・ロードスター」として、現在4世代目が販売されているオープン2シーターのライトウェイトスポーツ車ですが、これは1989年から1998年まで製造された初代モデル。スペック編では、ヒストリーやメカニズムなどについて紹介します。



開発のキーワードは「人馬一体」

クルマとの一体感が味わえる、軽量な2人乗りのオープンスタイル

 出典  Funmee!!編集部


クルマのひとつのジャンルとして確立されている、コンパクトなオープンタイプの2人乗りスポーツカー。しかしこのスタイルのクルマ、一時期は絶滅危惧種的な存在でした。

 

1970年代までは、「ロータス・エラン」や「ホンダ・S600/800」など、国内外でさまざまな傑作車が作られていたのですが、それ以降はオイルショックなどの影響もあって、パッタリ途絶えていたのです。



ボンネットにはユーノスのエンブレムが備わっています

 出典  Funmee!!編集部


その状況に風穴を開けたのが、1989年に発売された、この「ユーノス・ロードスター」でした。マツダのプレミアムブランド「ユーノス」の1号車として登場したロードスターは、日本だけでなく、「Mazda MX-5」の名で販売された海外でも大ヒット。その後あちこちのメーカーが後追いしてオープン2シーターカーをリリースし、このジャンルが復活したのです。

 

ユーノス・ロードスターがヒットした理由はいろいろと考えられますが、その筆頭は「純粋にクルマを"操る"ことの楽しさを再確認させてくれた」ことではないでしょうか。ユーノス・ロードスターの開発コンセプトは「人馬一体」。乗り手の意思に素直に反応して軽快に動いてくれるクルマを目指し、徹底的に操縦性にこだわって設計が行われました。



コンパクトな車体の前後車軸間に重量物を集め、運動性能を高めています

 出典  Funmee!!編集部


駆動方式はフロントエンジン、後輪駆動のFR。エンジンの重心が前輪車軸より後方に置かれるフロントミッドシップで、ガソリンタンクやスペアタイヤも前後の車輪の間に配置されるなど、可能な限りマスの集中化がなされました。



エンジンは前ですが、バッテリーはトランクに設置。こうした工夫によって、2名乗車時で50対50の前後重量配分が実現されています

 出典  Funmee!!編集部


そして必要以上のパワーや装備は極力そぎ落とす一方で、足まわりには4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、トランスミッションとデフを結合する「パワープラントフレーム」を装備して剛性を上げるなど、走りのレスポンスを高めるものに関しては妥協せず作られました。   



いつまでも走っていたくなる、気持ちのよいドライブフィール

スピードを出していなくても、コーナーを抜けるたびに楽しさがつのります

 出典  Funmee!!編集部


ユーノス・ロードスターの操縦性は、実際に乗って、コーナーひとつ曲がれば実感できます。スピードを出す必要はありません。ちょっとタイト目なカーブで、ステアリングを切った瞬間、「おっ」と思うはず。クイッと軽やかに向きが変わり、でも怖さを感じるほどのクイックさはありません。



ステアリング操作に対して、素直かつ機敏に反応してくれるクルマです

 出典  Funmee!!編集部


「制限速度内でも、それこそ街なかでの右左折程度でも操っている感覚が味わえる。その楽しさ、気持ちよさがロードスターの魅力です」と語る、ロードスター専門ショップ「ブルックスガレージ」の友井完侍さん。

 

エンジンは、初期型が1,600cc。1993年のマイナーチェンジ以降は1,800ccで、いずれもノンターボの直列4気筒DOHC16バルブエンジンです。

 

「1.6は高回転型で、1.8はトルク型。1.8は1.6に比べるとややモッサリしていると言われますが、エキゾーストマニホールドやマフラーといった排気系をチューンしてあげることでかなり解消されます」と友井さんは語ります。



ノンターボならではの自然で伸びやかな加速が味わえるエンジン。ちなみにヘッドカバーはノーマルはシルバーですが、撮影車両は赤くリペイントされていました

 出典  Funmee!!編集部


アクセルを踏み込むと気持ちよく高回転まで回ってくれ、車重が1トンを切っていることもあり、ダイレクトな加速感が味わえます。着座位置が低いことと、オープンなことも相まって、体感スピードも高く、時速60km程度しか出せない一般道でも十二分に爽快。「冬にオープンでは寒いのでは」と思うかもしれませんが、風の巻き込みはほとんどありませんし、エアコンの暖気も意外に逃げないので、かなり暖か。雨が降っていない限り、オープンでOKです。



手首の動きだけで操作できるショートストロークのシフトレバー。この5速MTの他、4ATモデルもあります

 出典  Funmee!!編集部


カーブの手前でブレーキ踏んでシフトダウン、ステアリングを切ってコーナーを立ち上がったらアクセルを踏み、少し引っ張ってからシフトアップ。この何でもない一連の作業があまりにも楽しくて、いつまでも走っていたくなってしまうのです。



運転が楽しくて、帰り道でもつい遠回りしたくなる。そんなクルマです

 出典  Funmee!!編集部

 


■取材・撮影協力

ブルックスガレージ

 

1988年の創業以来、店主の趣味に応じてさまざまな中古車を扱ってきたが、6年ほど前からロードスターメインのショップに。「日常的に乗るうえでストレスがないように仕上げる」ことを店の方針として整備を行い、状態に応じてリペイントなどを施したロードスターを販売している。

 

住所:東京都町田市南町田2-5-5

TEL:042-795-1013

営業時間:10:00〜20:00

休み:水曜

 

 

===

文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



最新情報はこちらから フォローやいいね!をして最新情報を受け取ろう

Funmee!!編集部

Funmee!!編集部

TOP