【10月の特集/コーヒー】#03 いま飲みたい東京のコーヒー「豆から楽しむならこの店!(前編)」


カフェ開業・経営のスペシャリストである富田佐奈栄さんと、ひと月3kgものコーヒー豆を消費しているコーヒーマニアの田中広志さん。

 

今回は「どんな豆がお好き?」と題して、さまざまな豆の特徴とその個性を活かしたコーヒーを飲める店を教えていただきました。めくるめくビーンズワールドへみなさまをお連れします。



深煎り好きな富田さん VS 浅煎り好きな田中さん


―― おふたりはどんなコーヒー豆がお好きですか?

 

富田佐奈栄さん(以下、富田):旬のトレンドという視点でいうとメインストリームではないのでしょうけれど、私はやっぱり昔ながらの深煎り豆で淹れた強くて濃いコーヒーが好きなんですよね。最近のコーヒーって浅煎りでやさしい味わいが多いじゃないですか? あのおいしさに、実はまだハマりきれずにいまして(笑)。

 

田中広志さん(以下、田中):そういうお話はよく聞きます。浅煎り豆で淹れたコーヒーは「薄くて酸味が強い」「紅茶を飲んでいるみたい」という方も多いですよね。でも、浅煎りで淹れるほうが、豆本来の味わいや香りが際立って、個性を掴みやすいんです。

 

富田:ワインと同じで“違いがわかってくると、おもしろくなる”ってヤツですね。なるほど〜。



豆が気になり思わず覗いてしまう店とは?


―― “豆”という観点から気になる店はありますか?

 

田中:難しい質問ですね……(笑)。“最近で”と限定すれば、「OBSCURA LABORATORY」(#01気になる!もっとも旬な店(前編)参照)、「丸山珈琲 西麻布店」(#01気になる!もっとも旬な店(前編)参照)、「Unir akasaka」(ウニール・アカサカ)「Paul Bassett 新宿」(ポール バセット新宿)、あたりでしょうか。どの店もこだわりがあって、シングルオリジンや国際審査会(カップオブエクセレンス)入賞の豆、市場に出回るよりもさらに上質な豆、希少価値の高い豆を積極的に取り入れている印象があります。

 


高品質なスペシャルティコーヒーを24時間飲める「Unir akasaka」

赤坂にある「ホテル・ザ・エム赤坂 インソムニア」内にて営業

 提供  Unir akasaka

店舗は24時間営業ですが、エスプレッソメニューや豆の販売は7:00〜22:00なのでご注意を!

 提供  Unir akasaka


田中:京都の名店が東京上陸!で話題になりました。スペシャルティの豆「ルワンダ フイエマウンテン」1,800円(250g)がいいですね。甘いオレンジやラズベリーのような酸味に、ほんのりハチミツっぽい風味を感じます。口当たりは滑らかで、後味は黒糖のような甘さが残ります。

 

 

【店舗情報】

Unir akasaka(ウニール・アカサカ)

港区赤坂2-14-14 ホテル・ザ・エム赤坂 インソムニア1階

TEL:03-3588-4568

営業時間:24時間

休み:無休



バリスタ世界チャンピオンの店「Paul Bassett 新宿」

自然光が差し込む開放的な店内

 提供  Paul Bassett新宿

豆、焙煎、バリスタの3要素に徹底的にこだわる。そしてゆったりと楽しめる空間

 提供  Paul Bassett新宿


田中:2003年度「ワールドバリスタチャンピオンシップ」における世界最年少チャンピオンの店。「グアテマラ サンタ・クララ」890円(100g)は、アプリコットなどのストーンフルーツ系の酸味とアップルのような甘味をもち、ボディ感のあるコーヒーです。シロップのような甘味が残るロングアフターテイストがいいですね。

 

 

【店舗情報】

Paul Bassett 新宿(ポール バセット新宿)

新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビルB1F

TEL:03-5324-5090

営業時間:7:30〜20:30(土曜8:00〜20:00、日曜、祝日9:00〜19:00)

休み:不定休(ビル休館日に準ずる)




富田:ところで、行くと嬉しくなる店ってありますよね。私は「猿田彦珈琲 恵比寿本店」がそういう店なんです。いつ行ってもスタッフのみなさんの笑顔や言葉に癒される。だからまた来ちゃう(笑)。カフェ開業や経営のスクールを運営している立場上、そういうところも気になっちゃうんです。もちろんスペシャルティコーヒー専門店だから、コーヒーも私を笑顔にしてくれます。   



一人ひとりを笑顔に変える「猿田彦珈琲 恵比寿本店」

多くの人に愛される猿田彦珈琲は、ここからはじまった

 提供  猿田彦珈琲 恵比寿本店

アットホームな店内。オリジナルブレンドから、シングルオリジンまで幅広く揃う

 提供  猿田彦珈琲 恵比寿本店


田中:たしかにコーヒーがおいしくて、人が気持ちいい店ですよね。私は、ゆったり味わいたい気分の日には、同じ恵比寿にある「猿田彦珈琲 アトレ恵比寿ウエストサイドストア」に行ってます。猿田彦珈琲なら、カシスのような酸味をもつ「ケニア カムワンギ」920円(100g)がおすすめ。とてもケニアらしい香りと味わいです。温度変化とともにグレープフルーツのような酸味にかわっていくのも楽しいですね。


富田:その豆は、2017年のニュークロップ(新物)なんですよね? 早速行ってフレッシュな味わいを堪能したいです!



【店舗情報】

猿田彦珈琲 恵比寿本店

渋谷区恵比寿1-6-6

TEL:03-5422-6970

営業時間:8:00〜24:30(休日10:00〜)

休み:無休



浅煎り好きな田中さんに習うコーヒー道


―― 香りや味わいを想像するのって難しいですよね……。自分のなかに花やフルーツの香りのストックがないからなぁ。

 

田中:そういう話になるかなぁと思って、個性のわかりやすい豆を3種類持ってきたんです。実際に飲みながら話しましょう!

 

富田:ぜひぜひ! おいしい浅煎りコーヒーを味わってみたいです。

 


自宅より持参した愛用品たちでコーヒーを淹れてくれる田中さん。真剣に見つめる富田さん

 出典  Funmee!!編集部


田中:「AMAMERIA ESPRESSO」のコスタリカ 、「OBSUCURA COFFEE ROASTERS」のエチオピア、「丸山珈琲」のゲイシャの順に飲んでみましょう。

 

富田:たしかにこうやって飲み比べると味わいも香りも違いますね。豆自体の個性ってこういうことなんですよね。

 

田中:「AMAMERIA ESPRESSO」のコスタリカは口に含んだ時に、オレンジの様な風味がピーチやサクランボの酸味に変わる。「OBSUCURA COFFEE ROASTERS」のエチオピアは白桃のような華やかな香りと奥行き。「丸山珈琲」のゲイシャはライチ、青りんご、マンゴー、バレンシアオレンジといったフルーツ感が、淹れた後の時間の経過に従って現れてきます。



田中さんが持参してくれた3種の豆。左から、OBSCURAの「エチオピア イルガチェフェ ウォレカ ナチュラル」、丸山珈琲の「CSC ガリード ゲイシャ トニャ」、AMAMERIAの「コスタリカ ラスハラス ナチュラル」

 出典  Funmee!!編集部


―― コーヒーって豆自体、焙煎、ブレンド、抽出といろいろに掛け合って味が変化していくから難しい……。科学の実験みたいですよね(笑)。

 

田中:そうなんです。エチオピアはフルーティーやフローラル感、ケニアはシトラスやカシスの爽やかな香り、ブラジルはカカオやナッツ系の風味など、まずはシングルオリジンの特徴がわかると楽しくなると思いますよ。


―― なるほど。最終回となる次回もまたいろいろ教えてください! よろしくお願いします。




■プロフィール

富田佐奈栄さん

カフェ開業・経営指導のスペシャリスト。カフェのビジネススクール「カフェズ・キッチン」の学園長として、多くの卒業生を輩出。2017年9月現在、卒業生の開業者数は320店舗を超える。経営面だけではなく、おいしいコーヒーを淹れるためのスキルなども指導。テレビや雑誌などのメディア出演も多数。

 

田中広志さん

会社員をしながら、コーヒーの焙煎から抽出までの研究を日々重ねているコーヒー趣味人。UCCコーヒーアカデミー認定コーヒープロフェッショナル、SCAJ認定コーヒーマイスター、SCAJ認定ジュニアカッパーなど数々の認定資格取得者でもある。

 

 

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文:山田裕子(Yuko Yamada)

写真:斉藤純平(Jumpei Saito)



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Funmee!!編集部

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