【趣味人ジドウシャ部】#28 ポルシェ 911(901・ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介する連載「趣味人ジドウシャ部」。今回は初期型のポルシェ「911」です。

 

ポルシェに関しては「最新のポルシェが最良のポルシェ」という言葉がありますが、1963年から1974年まで製造販売された通称「ナロー」には初期型ならではの魅力があります。ディテール編では、バリエーションやインテリア、乗り味などについて紹介します。



シートは2+2ですが、後席のスペースはお世辞にも広いとは言えません。後席は荷物置きスペースとして使えるように折りたためるようになっています

シートは2+2ですが、後席のスペースはお世辞にも広いとは言えません。後席は荷物置きスペースとして使えるように折りたためるようになっています

 出典  Funmee!!編集部


ポルシェと言えば、フェラーリなどと並んで名の上がる高級スポーツカーメーカーですが、旧いモデルでもラグジュアリー感のあるフェラーリなどに対して、911のインテリアは非常にシンプル。

 

決してチープな感じはしないのですが、デコラティブなところがなく、質実剛健といった感じです。このあたり、実用を重んじるドイツのメーカーらしいところ。とにかく性能を追求するストイックさが911の魅力でもあります。



黒を基調としたスパルタンなコックピット

黒を基調としたスパルタンなコックピット

 出典  Funmee!!編集部


「デザインだけでなく、性能面でも実用性が高いところが911のよいところです」と語る、ポルシェ専門店「ザ・ガレージワークス」の高橋真光さん。ナローの911はすでに生産終了から40年以上経っているクルマですが、街乗りから高速走行まで何の不自由もなく乗れるそうです。



ステアリングも無骨なデザイン。ナローはノーマルにこだわるオーナーが多数派です

ステアリングも無骨なデザイン。ナローはノーマルにこだわるオーナーが多数派です

 出典  Funmee!!編集部


もちろん旧いクルマなので、パワーステアリングはありませんし、エアコンもなく、ヒーターだけです。1967年からはセミオートマチックのスポルトマチックがオプションで設定されましたが、数が少ないので実質マニュアルのみです。

 

そのシフトも911のシフトフィールは「密壺をかき回すよう」と形容され、どこに入っているのかわかりづらいので慣れが必要です。初心者が快適かつイージーに乗れるクルマではありませんが、同年代の他のクルマに比べれば驚くほど完成度の高いクルマと言えるでしょう。



リアエンジン、リア駆動は比較的ハンドリングがクイックで限界を超えると制御しづらいとされますが、常識的な速度域ならあまりクセは感じません

リアエンジン、リア駆動は比較的ハンドリングがクイックで限界を超えると制御しづらいとされますが、常識的な速度域ならあまりクセは感じません

 出典  Funmee!!編集部


イグニッションキーをひねると、「バラバラバラ……」という空冷水平対向エンジンならではのアイドリング音が室内外に響き渡ります。旧いクルマなので、静粛性などはいまのクルマには比べるべくもありません。



排気音はそれほど大きくはありませんが、リアのエンジンフードからはエンジンが回る音がかなり豪快に聞こえてきます

排気音はそれほど大きくはありませんが、リアのエンジンフードからはエンジンが回る音がかなり豪快に聞こえてきます

 出典  Funmee!!編集部


走り出してアクセルを踏み込むとエンジンは高回転までスムーズに吹け上がり、ポルシェならではの高音のサウンドを奏でます。室内はエンジン音でいっぱい。ナローはもともとラジオしか装備していませんが、ラジオの音はエンジン音でかき消され、たぶん聞こえないでしょう。でもオーナーにとってはそれが最高の音楽なのです。



ポルシェ911のエンジンとその音

出典  Funmee!!編集部


車体後部に搭載された水平対向6気筒エンジンは、1964年のデビュー当初は2.0ℓ(1,991cc)で、1969年からは2.2ℓ(2,195cc)に、そして1971年からは2.4ℓ(2,341cc)へと拡大されていきました。また1973年にはレースのホモロゲーションを取得するための「911カレラRS」用に2.7ℓ(2,687cc)エンジンも登場しました。ちなみにトータルで1,580台が製造されたこの1973年式のカレラRSは、通称「ナナサンカレラ」と呼ばれ、プレミアムなコレクターズアイテムとなっています。

 

また搭載するエンジンの仕様や装備に応じて、スポーツバージョンの「911S」、ツーリングバージョンの「911T」、エントリーバージョンの「911L(911E)」といった各グレードがラインナップされています。これらは外観上は基本的にエンブレムなどわずかな違いしかありません。ホイールなどは交換している車両が多いので、パッと見てグレードを判断することは難しいでしょう。



三軒茶屋駅に近い246沿いに立地するポルシェ専門ショップ「ザ・ガレージワークス」

三軒茶屋駅に近い246沿いに立地するポルシェ専門ショップ「ザ・ガレージワークス」

 出典  Funmee!!編集部


ポルシェは旧いモデルに対してもパーツ供給のサポート体制がしっかりしていますし、世界中にマニアがいるクルマなので、ナローであってもメンテナンスに関してはまったく問題ありません。ただ近年、世界的にクラシックカーの価格が高騰し、911も旧いモデルほど高い値がついています。ナローとなるとちょっと気軽に手が出せる値段ではなくなってしまいましたが、手に入れることができたなら悔いなし、と思わせる価値のあるクルマであることは間違いありません。



1/18 ポルシェ 911 完成品

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■取材・撮影協力

ザ・ガレージワークス

 

初期型の空冷から水冷の最新型まで、ポルシェに関することなら何でもおまかせの専門ショップ。メンテナンスはもちろん、カスタムやチューニング、レースサポートまでさまざまなニーズに対応する。ナローポルシェの在庫も豊富。

 

東京都世田谷区上馬1-32-7

TEL:03-6804-0144

営業時間:11:00~19:00

休み:水曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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Funmee!!編集部

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