人生を楽しくするカギは「脱力」!手ぬぐい体操で前向きに


「テラノ式手ぬぐい体操」という独自の体操を発案した寺野正樹さん。


身体をより深く理解するために探究を続け、解剖図を手に取り、ヨガや古武術を学び、その結果として、「力を抜くこと」の大切さに気づきます。


脱力して身体を動かせば、フィジカルはもちろんメンタルも変わる! 人生をよりよく生きるための力の抜き方について話をうかがいました。

人体解剖図とにらめっこする日々

テラノ式手ぬぐい体操考案者、寺野正樹さん

 出典  Funmee!!編集部


―― 寺野さんが身体に興味を持ったのは何歳の頃ですか。


20代後半ですね。趣味でサーフィンをやっていたのですが、冬の間に東京でできることとしてストレッチを始めました。当時ギックリ腰になったこともあって、もうすぐ30歳だし身体のケアをしないと、みたいな。

 


―― いわゆる一般的なストレッチ?


そうです。前屈とか、ごく一般的なストレッチ。

はじめは自分の身体の硬さにビックリしたんですが、続けていくと少しずつ柔らかくなっていきました。


そこで、ある日ふと「このストレッチは、身体のどこを伸ばしているんだろう?」と思って、書店で人体の解剖図を買ったんです。

 


―― 解剖図?


『ボディ・ナビゲーション』(アンドリュー・ビエル著)という、身体の触り方まで載っている書籍があるんです。僕の人生の教科書ですね。


『ボディ・ナビゲーション』アンドリュー・ビエル著

 出典  Funmee!!編集部


―― 何度も読み込んだ形跡がありますね!


買ってから半年くらいはにらめっこするように読んで、解剖図を見ながら身体を触って確かめてみました。何となく身体の仕組みがわかってくるともっと知りたくなって、友だちとヨガに行ったり、古武術を学んだりしましたね



―― 好きなことを見つけて、ハマったら一直線なんですね。


相当です(笑)。自分が楽しめるものを発見するのがセンスだとすれば、それは子供の頃からあったかもしれません。



身体が錆びないように、油を差し続ける

ストレッチを続ければ身体が柔らかくなる

 出典  Funmee!!編集部


―― 身体の仕組みを知りたいという探究心は、もともとあったんでしょうか。


じつは、心の探究の方が先で、自己啓発とかコーチングの勉強もしていました。ただ、いくら心について学んでも、肩や腰が痛かったら幸せじゃないんですよね(笑)。

 

 

―― 確かにその通りです(笑)。



そこで、バランスを取るために身体の探究を始めたんです。人間には快楽原則があるとされているから、ストレッチをやる上でも、まずは肉体が心地よいと感じられるやり方をチョイスしたらいいんじゃないのかなって。

 


―― その過程で、“脱力”というキーワードが生まれたのですか。


古武術やボディワーク、ヨガを学び、共通して身体の力を抜くことが大切だということに気づいたんです。そこから、自分の身体の力が抜けているかどうかを自覚できるようになるまでは、ある程度訓練が必要でした。



テラノ式手ぬぐい体操

 出典  Funmee!!編集部


―― それはどういう訓練ですか。


僕が発案したテラノ式手ぬぐい体操というストレッチを通して、痛さと気持ち良さの境目を感じることです。

 


―― 境目についてもう少し詳しく教えてください。


「これ以上動かしたら痛くなる」っていう境界を意識してゆっくり身体を動かすと、痛いけれど気持ちがいいという感覚がわかってくる。ちなみに、僕はそこを“スウィートゾーン”と呼んでいます。

 


―― スウィートゾーンを体感することで、力の抜き方を覚えるわけですね。


そうですね。先ほど紹介した『ボディ・ナビゲーション』にも書かれているのですが、身体の関節は、すべて動く方向が決まっています。すべての関節を1日に1度動かすことが、身体に油を差すことだって気づいたんです。だから、ストレッチを続けていくと、身体が柔らかくなる。

 


―― では、油を差さないと……?


身体は錆びついてくる。身体が硬い人は、無意識の緊張で動かせなくなっているんです。



脱力のコツを会得して人生を前向きに

テラノ式手ぬぐい体操でマインドも変わるという

 出典  Funmee!!編集部


―― 無意識の緊張を解くためには、何をすればいいのでしょうか。


身体を動かして心地よければ、筋肉は必ず緩みます。たとえば、湯船に浸かったり布団に寝たりしときの「あ~」っていう気持ち良さはわかりますよね?

 


―― よくわかります。


あの感覚のままストレッチをして先に進み、「心配しなくても大丈夫」って自分の身体に言い聞かせていくようにすると、少しずつ気持ちいい場所が広がっていくんです。


すべての無駄な力を捨て去って、重力と完全な友だちになると、姿勢も良くなるはずです。目に見える姿勢が変わると、目に見えないマインドも変化しますから。



穏やかに、しかし熱を込めて「脱力」のコツを語る寺野さん

 出典  Funmee!!編集部


―― なるほど、一挙両得ですね。


そうですね。脱力は、弛緩している状態とイコールではなく、身体の準備が整っている状態です。緊張していると無駄な力が入るから、動きも鈍い。でも、一回脱力してゼロにしておけば、素早く動けます。

 


―― 寺野さんご自身も、ストレッチを続けることで生活に変化があったようですね。


体調の良い時間が増えると、何をするにしても言い訳しなくていいじゃないですか。部屋の掃除もこまめにするようになったし、いいことしかないです。それ以前は、基本的に怠惰だったと思います(笑)。





■プロフィール

寺野正樹さん

愛知県名古屋市出身。大学在学中からフリーライターとして活動するかたわら、ライフワークとして身体運用を研究。その結果、2009年に脱力メソッド“遊体法/テラノ式手ぬぐい体操”を確立。現在は、全国各地でワークショップを開催するほか、東京都世田谷区に構えるスタジオ粋創庵にてプライベートセッションも行っている。


遊体法/テラノ式手ぬぐい体操


 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:吉田勉(Tsutomu Yoshida)

写真:柏木ゆり(Yuri Kashiwagi)



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Funmee!!編集部

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