心地よい風とコーヒーの香りに誘われて。人が集い、輪が広がる楽しさ――茅ヶ崎『SOUTHERLY』


茅ヶ崎駅のすぐそばにあるカフェレストラン『SOUTHERLY(サウザリー)』。淹れたてのエスプレッソと特注のもちもち生パスタ、手作りデリが評判で、いつも地域の人々でにぎわっています。

オーナーの篠田琢さんは、かつて東京のIT系企業に勤めるサラリーマンでしたが、一念発起して料理上手な妻・レイさんとともにこの店をオープン。生活の拠点も横浜から茅ヶ崎に移し、湘南ライフを満喫しています。そんな篠田さん夫妻に、カフェや茅ヶ崎という土地への想い、お客さんを通して見えてくる“茅ヶ崎人”の人柄について伺いました。

飲食業の経験はゼロ。IT系会社員からカフェオーナーに

 出典  Funmee!!編集部


―― ご夫婦でカフェを始めたきっかけを教えてください。


琢さん:お店を始めたのは10年ほど前。それまでは2人とも会社員で、僕は大学卒業後にフェアトレード関連のNGO法人に就職し、その後、IT関係の会社に入りました。でも独立したいという気持ちはずっとあって、夫婦でよく「一緒に何かしたいね」と話し合っていたんです。


それで実際に何ができるかを考えた際、自分はフェアトレードの輸入に携わった経験を活かしてコーヒーの輸入ができるし、妻は料理が得意だったので、じゃあカフェをやろうということになって、勢いで仕事を辞めてしまいました(笑)。



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―― コーヒーの輸入先はすぐに見つかりましたか?


琢さん:アメリカの『グリーンマウンテンコーヒーロースターズ』という大手会社があるんですけど、当時、日本でまだ輸入しているところがなかったので話をしたらOKをもらえて、輸入して通販や卸しなども始めました。


その後、残念ながら同社が輸出を辞めてしまったので、今は『49th Parallel Coffee Roasters』というカナダ・バンクーバーのロースターから豆を輸入しています。このロースターは“ダイレクト・トレード”というスタイルにこだわっていて、オーナー自ら世界中を飛び回って最高のコーヒー豆を探し出し、コーヒー農家と直接取引して信頼関係を築き上げることで、高品質な豆の長期的な確保に努めているんです。カフェ激戦区のバンクーバーで1、2を争う人気店でもあるんですよ。



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―― レイさんはどこかで料理を学ばれたんですか?


レイさん:料理は独学で、レストランや旅先で食べておいしかったものを再現したりしつつ、レパートリーを増やしていった感じです。昔から食べることが大好きで、幼稚園の頃にはすでに台所に立っていました。



物件を探し歩いて6カ月。最後にたどりついた茅ヶ崎

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―― おふたりが茅ヶ崎を拠点に選んだ理由は何だったのでしょうか?


琢さん:実は、茅ヶ崎になったのは偶然なんです。会社員時代は横浜の東戸塚に住んでいて、カフェをやろうと決める1~2年くらい前にサーフィンを始めていたので、毎週土日になるとクルマで湘南の海まで来ていました。


それもあって、「湘南でカフェができたらいいね」ということになって物件を探し始めたんですけど、当初は東戸塚から通うことを考えていたので、家から比較的近い江ノ島・鵠沼エリアや鎌倉エリアあたりで探していました。でも、6カ月経っても条件に合う物件が見つからなくて、しびれを切らして茅ヶ崎まで範囲を広げたら、たまたま今の場所が見つかったんです。



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―― 茅ヶ崎でお店をやっていて、お客さんはどんなタイプの方が多いと感じますか?


琢さん:自分がサーフィンをやることもあって、ウチはサーファーのお客さんが多いからかもしれませんが、みなさん元気で人柄もオープン。移住者の僕らのこともすんなり受け入れてくれて、お店にも通ってくれて。ありがたいことに、今では毎日のように顔を出してくれるローカルの方もたくさんいます。


「あそこに行けば、誰かしら知り合いがいるだろう」という感じで集まって来る常連さんも多くて、まるでコミュニティハウスか集会場のよう(笑)。僕の中でカフェって「新規のお客さんで回っていく」というイメージだったので、こんなに常連さんがついてくれて、親密な関係になれるとは思っていませんでした。それだけ茅ヶ崎の方がフレンドリーなのかもしれませんね。



人が集まり、輪が広がる。そんなカフェを目指して

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―― お店には、ひとりで来るお客さんもいらっしゃいますか?


レイさん:多いですよ。ひとりで来た人同士がカウンターで隣り合って、いつの間にか友達になって、どんどん人の輪が広がって……ということもしょっちゅうです。ここで出会って、結婚して、今では子どもを連れてファミリーで遊びに来てくれる方もいます。

 

琢さん:みんな茅ヶ崎という場所が好きで住んでいるから、初対面でも話が合って友達になりやすいのかもしれないですね。ここに住んでいる人達の間では、波乗り、海、散歩、犬、ハワイ、ランニングなど、何かしら共通するキーワードや話題がありますから。



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―― そういえば、最近お店をリニューアルしましたよね。この先はどんなお店にしていきたいですか?


レイさん:人が集まる“おうち”みたいな場所になれたらいいですね。

 


―― おふたりを中心に、お客さんも一緒になって、みんなが“おうち”のようなあったかい場所をつくろうとしているように感じます。


琢さん:たしかに、ありがたいことにお客さん自らイベントを企画してくれたり、忙しい週末には手伝ってくれたり、みなさんにつくりあげていただいている感じはありますね。こんなふうに、立場や肩書き、年齢などの枠を超えた人付き合い方ができるのも「茅ヶ崎ならでは」だと思うし、だからこそ自分は茅ヶ崎が好きなんだと思います。



―― 琢さんの今後の夢や目標は何ですか?


琢さん:この店を「人と人との出会いの場」にしていきたいですね。僕は人見知りをするほうなので(笑)、自分の役割はカフェという場所を提供して、「お客さん同士をつなげること」なのかなと思っています。誰かの人生の中でほんの少しでも「思い出の場所」として残るような、そんな店になれたらいいですね。



サーフィン、山歩き、写真、コーヒー、彫刻……。カフェオーナー・篠田琢さん流“自然な楽しさ”の広げ方

■プロフィール

篠田琢さん

茅ヶ崎駅から徒歩3分、イタリアン・バールをイメージしたカフェレストラン『SOUTHERLY(サウザリー)』のオーナー。大学時代から国際交流に興味があり、卒業後はフェアトレード関係のNGO法人に就職。その後、IT系企業での勤務を経て、2006年にカフェをオープン。現在、カナダ・バンクーバーのコーヒーロースター『49th Parallel Coffee Roasters』社の輸入代理業も手掛ける。また、フォトグラファーとしても活躍しており、『ジャーでかんたん! デトックスウォーター(河出書房新社)』をはじめ、書籍や雑誌などの撮影も行っている。

 

SOUTHERLY

住所:神奈川県茅ケ崎市共恵1-4-16-101

電話:0467-82-9981

営業時間:ランチタイム11:30-14:30(L.O.)

カフェタイム14:30-17:30

ディナータイム 月曜〜木曜・日曜17:30-22:00(L.O.21:00)

 金曜・土曜17:30-23:00(L.O.22:00)


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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:古田朱美 (Akemi Furuta)

写真:上樂博之 (Hiroyuki Joraku)



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Funmee!!編集部

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