【ヘンアイ国産自動車の会】#02 スバル アルシオーネSVX(スペック編)


最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった魅力的な日本発のクルマたち。そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう「ヘンアイ国産自動車の会」。今回は「スバル アルシオーネSVX」です。神奈川県川崎市在住の菊地章訓さんに取材してきました。





近代スバルのメインストリームたるクルマにはいくつかのメカニズム的特徴があります。それはシリンダー&ピストンが向かい合わせに配置された水平対向レイアウト、いわゆるボクサーエンジンを搭載していることと、加えて駆動システムにフルタイム4WDを採用していることです。



1991年に登場したアルシオーネSVX。ジウジアーロのエレガントなデザイン

1991年に登場したアルシオーネSVX。ジウジアーロのエレガントなデザイン

 出典  Funmee!!編集部


1991年にスバルのフラッグシップとして登場した「アルシオーネSVX」は、もちろんその両方を備えていました。

 

しかしクルマに詳しくない、あるいはアルシオーネSVXのことを知らない人であっても、町中で見かける機会があれば、その個性的なスタイリングについ目を留めてしまうはず。それ以前のスバルにはない、そして残念ながらそれ以降現在に至るまでのスバルにも存在しない、大人向けの美しい2ドアクーペとして仕上がっていました。



ガラス製に見えるルーフ部分。実はボディと同素材でブラック塗装仕上げで、全面ガラスのように見える

ガラス製に見えるルーフ部分。実はボディと同素材でブラック塗装仕上げで、全面ガラスのように見える

 出典  Funmee!!編集部


デザインは自動車デザインの大御所、ジョルジェット・ジウジアーロが手がけたもの。まるで全面がガラス張りのように見えるキャノピー風のグラスエリアはアルシオーネSVXの大きな特徴で、中央のモール部分からサイドウィンドウが開閉するミッドフレーム構造となっています。


ガラス製に見えるルーフ部分は、実はボディと同素材で、トランクリッドはFRTのブラック塗装仕上げなのですが、

すべてのピラーを曲面ガラス内側に配置することで全面ガラスのような印象を与えています。現代ではガラスルーフのクルマも珍しくはないものの、四半世紀前の路上に舞い降りたこのデザインは、まさに「未来」だったことでしょう。

 

なおこのグラスエリアの仕上げは、後の追加グレードや限定車ではコストダウンの兼ね合いもあってかボディ同色に変更され、アルシオーネSVXの印象を大きく変えていきます。



水平対向エンジン

水平対向エンジン

 出典  Funmee!!編集部


スバルのクルマのアイデンティティともいえる水平対向エンジン。エアロデザインを可能とし、低重心を実現できるというメリットがあるものの、現代ではスバルとポルシェしか続けていない個性的な形式です。現行の「BRZ」や「レガシィ」といったスバル車ももちろん水平対向エンジンを搭載していますが、それはすべて4気筒。しかしアルシオーネSVXが積んでいたEG33型と呼ばれるエンジンは、3.3リッターという大排気量の水平対向6気筒エンジンでした。



安定した走りが自慢

安定した走りが自慢

 出典  Funmee!!編集部


アルシオーネSVXは基本的にスポーツカーではなく、長距離を淡々と走り切れるグランドツーリングカー(GTカー)と呼ばれる種類のクルマです。その性格もあってか、EG33は240PSという十分な性能を発揮してはいますが、当時のスバルとしても最もハイパワーなエンジンではありませんでした。

 

アルシオーネSVXももちろんフルタイム4WDで、天候や路面状況に左右されず安定した走りができます。今回取材した「VL」グレードには駆動系にも特徴があり、4WDに加え、4輪操舵の4WSが装備されていました。他にも当時は先進機能だったABSやクルーズコントロールを備え、内装も革シートになるなど、上位グレードにふさわしいものとなっています。




菊地さんのアルシオーネSVXは色を塗り替えただけでなく、最初に見たときはダウンサスが入っていた脚周りをレストアの過程であえてノーマルに戻し、エアロパーツやマフラーは自分好みのものに替えて仕上げてもらったといいます。

その意味ではまさに理想のクルマで、納車され初めて乗ったときは「古さを感じさせないクルマだなぁ……いままで乗ってきたクルマに比べてステアリングフィールが重いけど、運転してる実感がある!」と思ったとか。

速度が上がるほどに路面に吸い付くような操縦感覚はこのクルマならではと感じているそうです。

菊池さんとアルシオーネSVX

菊池さんとアルシオーネSVX

 出典  Funmee!!編集部


旧車というと、気になるのは故障など、維持の面。納車前にしっかり整備したこともあり、普段は何の問題もなく乗れています。平日は仕事のためあまり乗らず、週末中心ですが、既に1.5万km近くSVXで走ったとか。

「目的地もはっきり決めず、クルマに乗りたいなと出かけることが多いんです」と、GTカーとしての性格が菊地さんのライフスタイルにマッチしているよう。次に乗りたいクルマも考えられないと相当気に入っている様子で、まだまだ走り続けそうです。

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■プロフィール

菊地章訓さん


1986年(昭和61年)生まれ、神奈川県川崎市在住

コーヒーや紅茶を中心としてさまざまな食品を扱う商社にお勤めのサラリーマン。父の影響を受け、子どもの頃からのクルマ好き。週末は目的地を決めず、SVXでふらりと出かけることも多いとか。



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文:大坪知樹(Tomoki Otsubo)

写真:澤田聖司(Seiji Sawada)

取材協力:K-STAFF


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Funmee!!編集部

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