登山
「山×秘湯」で、登山の楽しさは倍増します!(後編)

「山×秘湯」で、登山の楽しさは倍増します!(後編)


登山初心者の人、温泉好きだけど登山はしたことない人、必見! 山歩きをもっと楽しく、温泉をもっと気持ちよくしてくれるのが、山歩きと温泉をセットで楽しむ“温泉マウンテン”です。山歩きといっても、ロープウェイを利用したり、スノーシューを履いて雪山を歩いたりと、特別な体力や技術がなくても別世界を楽しめる方法もあります。

 

仲間4人で日本各地の“温泉マウンテン”を楽しむ山岳会「岳泉会」会長の木下綾乃さんに、その楽しみ方を聞きました。



山岳の秘湯・ランプの宿 「那須岳 × 三斗小屋温泉」

三斗小屋温泉の2軒のうちの1軒、『大黒屋』の内風呂。木造りのお風呂と岩風呂のふたつがあり、男女交代制になっている
 写真提供  山の温泉ガイド
三斗小屋温泉の2軒のうちの1軒、『大黒屋』の内風呂。木造りのお風呂と岩風呂のふたつがあり、男女交代制になっている


那須岳とは、栃木県那須町にある標高1,915mの茶臼岳の別称、または朝日岳と三本槍岳も含めた総称。無雪期(年によって違うが5月下旬〜10月ごろまで)なら、ロープウェイを使えば1時間弱で茶臼岳山頂まで登れることもあり、誰でもアクセスしやすい山です。

 

「初日は比較的歩きやすい道で、翌日は朝日岳にも登ったんですが、鎖場がたくさんあってジャングルジムみたいで楽しかった! 山頂からの眺めもよかったし、山頂で飲んだコーヒーが、街で飲むのと全然違うように感じて。いまだにこれが私のなかのベスト山行です」



茶臼岳は活火山のため、ところどころ蒸気が噴き出し、硫黄の香りが漂う。これが温泉のもとにもなるわけだ
 写真提供  岳泉会
茶臼岳は活火山のため、ところどころ蒸気が噴き出し、硫黄の香りが漂う。これが温泉のもとにもなるわけだ


茶臼岳山頂から歩くこと1時間半ほどでたどり着く三斗小屋温泉には、『大黒屋』と『煙草屋』のふたつの宿があり、木下さんたちが泊まった大黒屋は明治2年に建てられた2階建ての木造の小屋です。ランプの温かい灯が印象的で、現在は自家発電の裸電球もありますが、昔は夜になるとランプの明かりだけでまかなっていたようです。

 

「木造りと岩風呂のふたつの内湯があるんですが、木の浴槽が黒光りしていてすごく味がありました。部屋はすべて個室でのんびりくつろげるので、山小屋泊が初めての人にもオススメです」



三斗小屋温泉に到着! 当時、登山初心者だった木下さんたちは、山は早出早着が基本ということも知らなかったので、着いたころには日没寸前でヘトヘトだったそう
 写真提供  岳泉会
三斗小屋温泉に到着! 当時、登山初心者だった木下さんたちは、山は早出早着が基本ということも知らなかったので、着いたころには日没寸前でヘトヘトだったそう


大黒屋

 

栃木県那須市三斗小屋

TEL:090-1045-4933(7:00〜20:00)、0287-63-2988(黒磯案内所。冬期専用)

営業期間:4月初め〜11月30日(11月は不定休が多いので、宿泊希望者は必ず予約を。予約は黒磯案内所まで)

料金: 1泊2食9,500円、素泊まり6,000円 ※日帰り入浴なし



お座敷トロッコとスノーシューも満喫! 「五色沼 × 裏磐梯高原ホテル」

スノーシューハイク後は、温泉で裏磐梯の自然を眺めながらのんびり
 写真提供  裏磐梯高原ホテル
スノーシューハイク後は、温泉で裏磐梯の自然を眺めながらのんびり


「電車の旅が好きなので、『お座トロ展望列車』というのを見つけたとき、これだ!と思いました。行楽シーズンは紅葉や夏がメインらしいんですが、こたつが出るのは冬だけ。雪も好きだけど雪山登山の技術はないので、近くでスノーシューができる場所を探して五色沼に行くことにしました」

 

スノーシューを履いて平地を歩くスノーシュートレッキングなら、特別な技術がなくても雪原を気軽に体験できます。スノーシューを楽しめるスポットがたくさんある福島県・裏磐梯では、木下さんたちが泊まった『裏磐梯高原ホテル』をはじめ、スノーシューのレンタルをしているところも多く、ガイドツアーも催行されています。



お座敷トロッコの掘りごたつに入り、雪景色を見ながらお酒と駅弁。最高! 右が木下さん、左は岳泉会のメンバーの落合恵さん
 写真提供  岳泉会
お座敷トロッコの掘りごたつに入り、雪景色を見ながらお酒と駅弁。最高! 右が木下さん、左は岳泉会のメンバーの落合恵さん
ホテルのすぐそばからスノーシューで歩き始めれば、この景色!
 写真提供  岳泉会
ホテルのすぐそばからスノーシューで歩き始めれば、この景色!


「完全に私見なんですが、『高原ホテル』って名前のつく宿は、いい宿が多い気がするんです(笑)。ここは登山ではないけど、名前だけでもと思って、裏磐梯高原ホテルを選びました」

 

趣ある洋館のような建物に、客室45室のほか、宿泊者専用のライブラリーラウンジも。温泉は、63.4℃の源泉に磐梯山の伏流水を加水した掛け流しで、入浴しながら四季折々の景色を楽しめます。



旅気分を盛り上げてくれる、裏磐梯高原ホテルの外観
 写真提供  岳泉会
旅気分を盛り上げてくれる、裏磐梯高原ホテルの外観


裏磐梯高原ホテル

 

福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字湯平山1171

TEL:0241-32-2211

営業期間:通年

料金:1泊2食25,000円〜(2名1室の場合、1名につき)、日帰り入浴1,500円(13:00〜15:00。14:30最終受付)



山周辺の温泉や食べ物、電車、人との出会いなども楽しみたいという、本業はイラストレーターの木下さん
 出典  Funmee!!編集部
山周辺の温泉や食べ物、電車、人との出会いなども楽しみたいという、本業はイラストレーターの木下さん


■プロフィール

木下綾乃さん

 

書籍や雑貨などの分野で活躍するイラストレーター。イラストレーターの落合恵さん、料理創作ユニット「Goma」の中村亮子さん、ソフトウェアエンジニアの元永二朗さんとともに、山と温泉を楽しむ「岳泉会」を結成。その名付け親にして、会長。2017年、『岳泉会のよくばり温泉マウンテン』(パイ インターナショナル)を刊行。おすすめの山と温泉に加えて、山のお弁当やおやつ、山道具、服装などについても紹介している。

 

 

■注意

※登山をするときは、しっかりとした装備で入山しましょう。単独行は避け、登山届と山岳保険加入も忘れずに行いましょう。

※夏季以外、山によってはアイゼンなどの雪山装備が必要になります。また、晩春から夏季は熱中症対策も忘れずに行いましょう。



===

文:山賀沙耶 (Saya Yamaga)

写真:岡崎健志(Kenji Okazaki)

制作協力:マウンテントラッド



2018年2月19日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

RANKING

ランキング