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露出補正を味方につければ撮影の腕が上がる!
【カッコいい写真・カメラと撮影のキホン】︎

露出補正を味方につければ撮影の腕が上がる!

露出補正って聞いたことはありますか?


デジタルカメラや一眼レフにおける露出補正とは、撮影者が露出の数値を変えることにより、写真を明るく、または暗く調整することです。


最近のデジタルカメラは色や距離などから、自動的に適正な露出を算出してくれます。これを適正露出といいます。


しかし、カメラが算出する露出が必ずしも撮影者の意図した明るさであるとは限りません。それは、被写体やシーン、表現したい雰囲気により明るい方が適している場合もあれば、暗い方が似合う写真があるからです。


つまり、露出はカメラ任せにするのではなく、撮影者がコントロールすることでより魅力的な写真を撮ることができるのです。


露出補正を巧みに扱って、思い通りの写真を撮れるようになりましょう!



まず知っておきたい露出補正の基本のキ

ここからは、露出補正について作例とともに解説していきます。


カメラが提示した露出を変更して、写真を明るくしたり暗くする露出補正においては、明るくすることを「プラス補正」、逆に暗くすることを「マイナス補正」という言葉で表現します。露出補正ではこれらのフレーズが頻繁に登場しますので、覚えておくと良いでしょう。


では作例とともに露出補正による写真の変化をみていきましょう。

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出

この写真はカメラが自動的に算出した露出、つまり適正露出で撮影したものです。


どうですか? 親子が触れ合うほのぼのとしたシーンでありながら、表情も見えづらいく、少々暗い印象です。このようなケースではプラス補正をしてみましょう。

露出補正:+1 1/2EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+1 1/2EV

いかがでしょう。親子の表情が見えるようになり、幸せそうな雰囲気が伝わる写真になったのではないでしょうか。一方で、プラス補正の度合いが強過ぎたため、背景の青空が白くとんでしまっているのが残念です。


では、少しプラス補正を加減してみましょう。


露出補正:+2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+2/3EV

表情も分かるようになったまま、青空も気持ち良い色味となりました。この写真ではこれぐらいの露出補正がちょうどいいようです。


このように露出に必ずしもカメラの提示する露出が正しいとは限りません。

撮影者が、撮りたい写真をイメージし、自らの目で確かめならが調整する、これが露出補正の基本なのです。


露出補正の変更方法は、カメラのメーカーや機種によって異なります。本体に露出補正用ダイヤルがある場合や、モニターの設定画面で数値を変えるものなどが主流です。

露出補正で登場する「EV」とは?


露出補正のダイヤルを調整する際にデフォルトでは「0」を指しているはずです。これがカメラが提示した適性露出です。この「0」からマイナス側へダイヤルを動かすことを「マイナス補正」と言い写真は暗くなります。逆方向、プラス側に動かせば写真は明るくなる「プラス補正」をかけることができます。


また、露出補正の度合いを表現するための単位が「EV(Exposure<露出> Value<値>)」であることを覚えておきましょう。一般的なカメラにおいては、調整できる区切りは1/3EVです(1/2EV区切りのもの、設定で1/2EV区切りにできるものもあります)。プラス側にダイヤルをカチカチと回せば、+1/3EV、+2/3EV、+1EV……と進んでいくわけです。


上の3枚の写真にも露出補正したEVの値を添えておきました。以降の作例についても露出補正の値を見てもらえれば、実際の撮影の参考となることでしょう。

シチュエーション別で露出補正を会得しよう!

ここからは、作例をご覧頂きながらさらに露出補正の理解を深めてもらおうと思います。

逆光での人物撮影

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出

逆光状態において、光と人物を撮影しようとすると、カメラの適正露出では人物が暗く写ることが多々あります。

こうしたケースでは人物を明るく見せるべくプラス補正をします。

露出補正:+2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+2/3EV

プラス補正をかけることで、逆光ならではのドラマチックさと、少女のはにかむ表情が両立した良い写真になりましたね。

光沢のある白を含むシーン

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出

スキーやスノーボードで訪ねた雪山を思い出してもらえればお分かりの通り、雪景色の世界では、雪が太陽の光を反射し、ゴーグルなしでは目を開けていられないほどです。


こうした状況では、カメラも暗めの露出を提示します。


その結果、雪がグレーに写ってしまうことがあります。

露出補正:+1/2EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+1/2EV

試しに1/2EVのプラス補正をかけてみました。これだけでもカメラが提示した適正補正の写真と比べると、雪がグレーに見えていた状況は和らぎましたが、まだ”純白の雪"とは言えません。

露出補正:+1EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+1EV

さらにプラス補正をかけたことで、雪がキレイに白く写り、カメラの出した適性露出の写真よりも気持ちの良い写真になりました。

重厚感、質感のある被写体

まずはこの3枚の写真をご覧ください。

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出
露出補正:-2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:-2/3EV
露出補正:-1.0EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:-1.0EV

さて、あなたにとってはどの写真が好みでしょう。ここは意見が分かれるところかも知れません。撮影者のイメージに合わせて調整することが露出補正の醍醐味なので、意見は分かれて然りです。


しかしながら、セオリーとしては重厚感、質感のある被写体を撮影する場合にはマイナス方面への補正(これをアンダーと呼びます)することで、重みや素材の表情が引き立つ傾向にあります。

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出
露出補正:-2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:-2/3EV

メタリックなパーツも、アンダーに調整することでグッと質感を感じることができる写真に仕上がります。

ドラマチックな夕景

アンダー方向での設定が功を奏するシチュエーションとしては夕景も忘れてはなりません。

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出
露出補正:-2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:-2/3EV

色味としては僅かな違いと感じるかも知れませんが、地面や写り込んでいる民家の壁面が適正露出では見え過ぎていたところが、アンダーに補正することで、夕景の美しさに目がいく写真となりました。

逆光での植物撮影

カメラ内露出補正
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内露出補正

季節を感じるモミジを屋外で撮影した1枚。背景からの光が、ボケ感とともにモミジを引き立てる美しい写真です。


決して悪い写真ではありませんが、ここに露出補正を加えるとどうなるでしょう。

露出補正:+2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+2/3EV

まずはプラスへ2/3補正した写真です。アンダーの逆に、プラスへ補正することを「オーバー」と呼びます。オーバーな補正を加えた写真は背景の光り方が強調され、全体的な美しさが増しました。

露出補正:+1EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+1EV

さらにオーバー補正を加えたのがこの写真。背景の美しさに加え、モミジの葉に光が透過する透明感が表現され、さらなる美しさを得ることができます。

抜けるような青空と雲

空の雲も露出をオーバーにすることでカメラの適性露出より雲が白く映り、青と白のコントラスト、そして青空ならではの爽快感を写真に収めることができます。

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出
露出補正:+2/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+2/3EV

アンダー、オーバーそれぞれに適したシーンを知ろう

実際の作例を見ていくなかで、プラス補正するオーバーが適したシーン、そしてマイナス補正するアンダーが似合うシーンについて触れました。


段階を切って補正するのが露出補正の定石ですが、”鉄板”ともいえるアンダー、オーバーでの補正が適するシーンがありますので、紹介します。

オーバーが適するシーン

 出典  Funmee!!編集部
 出典  Funmee!!編集部
 出典  Funmee!!編集部

ウェディングドレスを着た花嫁、結婚式会場、愛おしい表情の赤ちゃん……


どれもオーバーに振った露出補正が適する被写体、シチュエーションです。


こららの共通点とは? そうです、いずれも「白」を際立たせることで美しさやニュアンスが伝わる被写体なのです。露出補正のセオリーとして、白を強調したい場合にはオーバー、黒を際立たせたい時にはアンダーに設定するというものがあります。では、オーバーに続いて、アンダーの好例を見てみましょう。

アンダーが適するシーン

 出典  Funmee!!編集部
 出典  Funmee!!編集部

暗がりのなかで鈍く輝く観音像や武骨な男性のポートレートは、アンダーめの設定がセオリーです。


重厚感や渋み、落ち着いた雰囲気などを得ることができます。


そして、オーバー設定で紹介した結婚式においても、次のような写真の場合にはアンダー設定が相応しいでしょう。

 出典  Funmee!!編集部

理想の仕上がりを叶えるのが露出補正

さて、露出補正について理解できましたでしょうか。

では、最後にこの3枚をご覧ください。

カメラ内適正露出
 出典  Funmee!!編集部
カメラ内適正露出
露出補正:+1/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+1/3EV
露出補正:-1/3EV
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:-1/3EV

3枚の写真は上から、カメラが提示する適正露出、プラス1/3補正、そしてマイナス1/3補正したものです。


あなただったら、どの設定で撮影しますか?


この3枚を例にすれば、いずれの写真も失敗作とはなりません。ただし、それぞれの写真から受ける印象は微妙に異なります。


露出補正は、被写体やシチュエーションを忠実に表現するための設定でもありますが、撮影者がどういった写真を撮りたいか、そのイメージを叶える手段なのです。


さぁ、露出補正を巧みに操り、思い通りの写真を撮影してみましょう。

一眼カメラを手にすると必ずぶつかる「露出の壁」を作例写真とその設定とともに解き明かす。作品の幅が広がる必読の一冊。

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文:吉見光由(Miu Yoshimi)

写真レスポンス:鈴木裕介(Yusuke Suzuki)

写真:stock.adobe.com

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2018年6月26日
Funmee!!ライター
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