ロックは死なず!いま聴きたい「クラシックロック」10選(前編)


誕生から半世紀を過ぎたいまも、その音楽性や精神性が脈々と受け継がれているロックミュージック。カウンターカルチャーとしての魅力を改めて見直すには、先人の作品に触れるのが手っ取り早いです。

 

今回は、The Beatlesがデビューした60年代前半から、グランジ前夜となる80年代後半までに期間を定め、色褪せない輝きを放つ作品を10枚紹介。選者は、ポピュラーミュージックに造詣の深いタワーレコードの内田暁男さんです。それでは、We will ROCK you!! 



The Doors『The Doors』(1967)

The Doorsの記念すべき1stアルバム。ジム・モリソンの退廃的な美学が感じられる

 出典  Funmee!!編集部


じつは今年、The Doorsがデビューして50周年なんです。なので、聴いたことがある人にもない人にも、あらためてその魅力に触れてほしいな、と。

 

The Doorsの本拠地はアメリカのロサンゼルスなのですが、当時はウェストコースト・ロックというカテゴリーで、最先端の音楽と評されていました。音楽的にはオルガンを主体にしたサイケデリックなロックで、ベースレスなのも特徴です。中心人物のジム・モリソンは文学青年で、歌詞も詩情がありますね。

 

曲単位で聴くなら、「Break On Through To The Other Side」や「Light My Fire」がおすすめです。同じ年に発売された2ndアルバム『Strange Days』も聴き応えのある作品なので、あわせて聴いてほしいですね。



The Beatles『The Beatles』(1968)

通称「ホワイト・アルバム」。The Beatlesで唯一の2枚組アルバムでもある

 出典  Funmee!!編集部


東洋思想に傾倒していた時期を経たメンバーが、初期のポップさを携えて戻ってきたような作品です。前作の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』はアルバム全編を通してひとつのストーリーを描くコンセプチュアルなアルバムしたが、こちらは曲単位でアクセスしやすい構成です。

 

楽曲はバラエティー豊かながらも粒ぞろいで、たとえば、「Helter Skelter」はヘヴィメタルのようにも聴こえるし、「Back in the U.S.S.R.」はThe Beach Boysのようなフレッシュさがあります。

 

発売当初は「ソロ曲の寄せ集め」という評価もあったようですが、年を経たいまならフラットに聴けると思います。若い世代に「The Beatlesで何が好き?」って聞くと、「ホワイト・アルバム」と答える子が結構いますからね。



Pink Floyd『Atom Heart Mother』(1970)

邦題は「原子心母」。ヒプノシスが手掛けたジャケットのイラストも有名だ

 出典  Funmee!!編集部、(c)ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル


Pink Floydはプログレッシブ・ロックの代表格ですが、その評価が決定的になったのがこのアルバムです。1曲目の「Atom Heart Mother」は23分もある組曲のような構成で、クラシックや現代音楽の影響を感じる「これぞプログレ!」という内容です。

 

表題曲以外は、ロジャー・ウォーターズの作曲した「If」や、デヴィッド・ギルモアの作曲した「Fat Old Sun」など、フォーキーで美しい曲が多いですね。

 

デヴィッド・ギルモアは今年、『Live at Pompeii』というアルバムをリリースしたのですが、「Fat Old Sun」はそこにも収録されていて、時代を越えて聴かれています。いま比べて聴くのも一興です。

 

また、今年来日したAt The Drive Inが好きな人には、彼らのルーツのひとつとしてぜひPink Floydを聴いてほしいですね。



Carole King『Tapestry』(1971)

2,200万枚以上のセールスを記録した2ndアルバム。邦題は「つづれおり」

 出典  Funmee!!編集部、(c)ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル


厳密に言えば、このアルバムは「ロック」ではないかもしれません。ただ、1970年代初頭のシンガーソングライター・ムーヴメントは、個人的にはロック史に書かれるべき出来事だと思っています。

 

この作品は当時、ビルボードで15週連続1位という記録を打ち立て、いまも世界中で聴かれています。

 

歌メロはどれも口ずさめるし、歌詞もシンプルで素晴らしいですね。僕自身がとくに好きなのは、「So Far Away」、「It's Too Late」、「You've Got A Friend」の3曲。「You've Got A Friend」なんて、元気がない時に聴いたら泣くんじゃないかな(笑)。過酷な現代社会を生きる人にもフィットするはずです(笑)。




ちょうど今年、7インチサイズ紙ジャケットのSACDハイブリッド盤が復刻されたので、ぜひこのタイミングで!



David Bowie『Diamond Dogs』(1974)

当初はオーウェルの小説『1984』のミュージカル化を考えていたが、頓挫してしまった

 出典  Funmee!!編集部


惜しくも昨年亡くなったデヴィッド・ボウイ。彼の作品はどれも名盤ですが、今回紹介する『Diamond Dogs』は、ファシズムを描いたジョージ・オーウェルのSF小説『1984』から影響を受けているので、いまの日本の世相と重ねて聴くのもいいかな、と。

 

音楽的には、グラムロック色の強い『ジギー・スターダスト』などを経て、Rolling StonesなどのクラシックなUKロックへの憧憬を素直に表現した、原点回帰的な意味合いの強い作品です。

 

1曲ピックアップするなら、やっぱり「Rebel Rebel」かな。シンプルなロックで、歌詞では反抗を愛しむべきものとして取り上げている。色褪せない魅力がありますね。

 

『FUJI ROCK FESTIVAL '17』で来日したLCD SoundsystemやQueens of the Stone Ageのファンもぜひ!



今回撮影したCDはすべて内田さんの私物。1枚1枚をスマートケースに入れ替えている

 出典  Funmee!!編集部

 


■プロフィール

内田暁男さん

雑誌編集者を経験した後、タワーレコードに入社。『Bounce』編集部を経て、現在はオンライン事業本部に所属。プライベートでは1児の父でもある。

 

 

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文:吉田勉(Tsutomu Yoshida)

写真:山本祐之(Yuji Yamamoto)



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Funmee!!編集部

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