【僕のサン=サーンス】#13 連載約3カ月間の読者コメントに、お返事させていただきます!


いつの日かの憧れに本気になって何が悪い!?


名曲『白鳥』を弾きたい思いを膨らませ続ける連載企画『僕のサン=サーンス』第13話は、心温かき奇特な方々からFacebookへ寄せられたコメントにお答えします。



音楽家なんて身勝手なもんです!


前回まで約3カ月に渡り12話をお届けしてきましたが、いかがでしょうか? って聞かれもねぇ。何しろ自分自身が楽しめればと連載を進めていますから、人様の心中など察する余裕がありません。ま、音楽家なんて身勝手なもんです。って、どの口で音楽家と言う?

 

そんな中でもFacebookを通じてコメントを寄せてくれる心温かき奇特な方がいます。なので今回は、ラジオのディスクジョッキー風にそれらコメントにお答えします。

 


人生初のチェロを買ったのは7月7日。出会いにふさわしい日だった

 出典  Funmee!!編集部


Aさんコメント:「私は63歳にしてウードを始めたいなと思っています!!」(8月10日 18:52)


Bさんコメント:「薩摩琵琶は本体よりもバチの方が高かったりする(  ̄▽ ̄)」(8月8日 5:17)






「ウード」ってどんな楽器? 「薩摩琵琶のバチ」って何? 世の中には僕の知らない領域がたくさんあります。けれどチェロだって、クラシック音楽や楽器に興味がない人にすれば「何それ?」かもしれませんね。そもそもクラシックの世界ですらチェロ奏者は少なめなのだと、我が師匠のアキコ先生も言っていたし。

 

第1話で触れましたが、僕がチェロに興味を持ったのは、ただ単純にサン=サーンスが作曲した『白鳥』を弾いてみたかったから、というごくシンプルな理由によるものです。

 

人に言わせれば「全然シンプルじゃない」と首を傾げられますが、よく思うのは、陸上競技の中でもちょっと地味目な円盤投げや砲丸投げを選んだアスリートにはそれぞれの競技との出会いがあったんだろうなあということです。投てき系の選手はおよそ身体が大きいけれど、少なくとも足が遅かったら陸上部に入らなかったと思うんですよね。なのに、という出会い。

 

話が混乱してきました。ひとつ確かなのは、各々の興味にメジャーもマイナーもない。ウードや薩摩琵琶もきっと素晴らしい。いつかその音色を聞いてみたいものです。




Cさんコメント:「肘肩上がり過ぎやな。体壊すで」(8月31日 18:37)


Dさんコメント:「弱音器は金属製のものですと、特に高音での音量を抑えてくれます」(9月5日 21:33)




そうなんです、肘や肩が上がる癖があるんです。おそらく精神的に「オレはやってる」という意気込みが無駄な力を呼び込むのでしょう。かのエリック・クラプトンに対して『スローハンド』という形容詞があるのは、無駄が一切ない奏法に対する称賛らしいです。無駄を排除するのは難しい。けれどすべての無駄を省けば、この連載自体が存在しないかもしれない。この世の寛容さに感謝します。

 

それから、弱音器は買ったけれど一度も使っていません。自宅では窓を閉め切って練習していますが、現在まで苦情の連絡はなし。同じマンションに住む方々も寛容です。



初めてのお稽古。このときの音は誰にも聞かせたくない……

 出典  Funmee!!編集部




Eさんコメント:「チェロがデカイと言われると、コントラバス2台チェロ1台、ウクレレまで転がる我が家は……」(9月7日 23:41)




コントラバスって、いわゆるウッドベースですよね。それが2台も!? そんな大型楽器が許容できるお宅の子どもに生まれたかった……。




Fさんコメント:「#8話、面白かった。音楽家のお仕事、素顔が分かり」(9月25日 21:18)




アキコ先生の普段をリポートした回のメッセージです。ちなみに先生の愛車はジムニーです。しかもマニュアル車。「ATより安かったから」だそうですが、意外な車種選びですよね。あ、またひとつ音楽家の素顔をバラしちゃった。




Gさんコメント:「今からでも遅くはないかな!」(10月7日 0:05)


Hさんコメント:「年齢がどうした?」(10月12日 11:44)


Iさんコメント:「大学は音大でしたが、押せば音の鳴る鍵盤楽器と違い、弦楽器の操作は困難です。そこに挑戦する姿勢に敬意を評します」(10月3日 2:07)



こちら山田翁。この連載で出会えた人生の希望

 出典  Funmee!!編集部


これらは第9話で紹介した『82歳のチェロ生徒』に寄せられたコメントです。いやまったく山田梅信さんには頭が下がりました。でもご本人にすれば年齢などどうでもいいようで、僕がそっち方向に話を振っても「『白鳥』を弾くのは久しぶりだからお恥ずかしい」とか、演奏に関するお返事ばかりでした。やはり音楽家は身勝手ですね。

 

またしても話が逸れますが、自分の母親が80歳になったとき、「みんな80、80とうるさい」と本気で怒っていました。それが高齢者と呼ばれる人々の本音なんでしょうね。実の母親ながら感心しました。そしてまた82歳になっても元気でチェロを楽しめることは、山田さんより年若の僕にとって人生の希望です。あんなジイサンになりたいと思いました。




そんなこんなで僕とチェロの日々は続いていきます。

 

あれ、もしや最終回かと思った? まだ『白鳥』の冒頭4小節しか習っていないのに終われるはずがないでしょ。来週11月3日の祝日はお休みをいただきますが、2週間後の金曜日にチェロ! いやチャオ!



苦々しくも楽しいチェロの日々。次回はイベント潜入!

 出典  Funmee!!編集部




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文:田村十七男(Tonao Tamura)

写真:小澤義人(Yoshihito Ozawa)、藤井孝太郎(Kotaro Fujii)、篠田麦也(Bakuya Shinoda)



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Funmee!!編集部

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