#28 ポルシェ 911(901・スペック編)
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【趣味人ジドウシャ部】︎

#28 ポルシェ 911(901・スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介する連載「趣味人ジドウシャ部」。今回はポルシェ「911」です。

 

1963年から製造されている、ポルシェの中核を担うモデルである911ですが、ここでは初期型である「901型」、通称「ナロー」を取り上げます。スペック編では、歴史やスタイリングの特徴などについてご紹介します。



ポルシェの代名詞的な存在のスポーツクーペ

クルマ好きでなくともそれとわかる独特のスタイリング
 出典  Funmee!!編集部
クルマ好きでなくともそれとわかる独特のスタイリング


現在でこそSUVの「カイエン」や「マカン」、5ドアサルーンの「パナメーラ」などのラインナップを持つポルシェですが、1930年の創業以来、1990年代までは2ドアクーペのスポーツカーとレーシングカー専門のメーカーでした。そしてその長い歴史のなかで、フラッグシップとして君臨してきたのが、この「911」です。



911以前のポルシェのメインモデル、356。細かな改良を重ねながら1965年まで製造されました
 提供  ザ・ガレージワークス
911以前のポルシェのメインモデル、356。細かな改良を重ねながら1965年まで製造されました


911は、1948年から製造されていた「ポルシェ356」の後継車として生み出されました。開発担当であり、スタイリングデザインを手がけたのは、ポルシェの創業者フェルディナント・アントン・エルンスト・ポルシェ(フェリー・ポルシェ)の子、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ。「フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)」を設計したフェルディナント・ポルシェ博士の孫にあたり、後にポルシェデザインを設立する人物です。



「フロッグフェイス」と呼ばれる、おなじみのフロントマスク
 出典  Funmee!!編集部
「フロッグフェイス」と呼ばれる、おなじみのフロントマスク


滑らかに下るボンネットに対し、丸目のヘッドライトを強調するように膨らんだ左右のフェンダー、丸みを帯びた尻下がりのテール、RR(リアエンジン・リア駆動)のレイアウトなど、911は356の特徴を残しつつも、来たるべき高速時代に合わせて性能が大きく向上しました。



撮影モデルは1970年式の911T。2,195ccの空冷水平対向式6気筒エンジンをリアに搭載しています
 出典  Funmee!!編集部
撮影モデルは1970年式の911T。2,195ccの空冷水平対向式6気筒エンジンをリアに搭載しています


フェルディナント・ピエヒが開発した新型エンジンは、空冷の水平対向式という点では356と同じですが、4気筒OHVの356にに対し、6気筒SOHCとされました。排気量は1,991ccですが、排気量アップしやすいように大きくマージンが取られており、実際に後に排気量を拡大したさまざまなバージョンが登場しました。



リアエンジンなので、フロントのボンネット下はラゲッジスペース。その下にガソリンタンクが設置されています
 出典  Funmee!!編集部
リアエンジンなので、フロントのボンネット下はラゲッジスペース。その下にガソリンタンクが設置されています


911は1963年のフランクフルトモーターショーで発表され、翌年の9月から量産が開始されましたが、このときまで名前は911ではなく「901」でした。この名前はポルシェの開発番号からそのままつけられたのものでしたが、「×0×」と間に0を挟んだ3桁数字の車名は、すべてプジョーが登録商標していたため、発売後にクレームがついてしまったのです。そこで急遽0を1に変えて911と改名することとなりました。ちなみに改名前に82台の車両が901として生産されています。



初期型ならではのプリミティブなデザイン

ボディサイズは全長4,163×全幅1,610×全高1,320mm
 出典  Funmee!!編集部
ボディサイズは全長4,163×全幅1,610×全高1,320mm


911は、現在に至るまでに6回の大きなモデルチェンジを受けています。7世代の911は、それぞれ1964〜1974年が「901型」、1974〜1989年は「930型」、1989〜1993年は「964型」、1993〜1998年は「993型」、1997〜2004年は「996型」、2004〜2011年は「997型」、そして2011年からの現行モデルが「991型」です。エンジンは996から水冷化されています。



930型の「911ターボ」。基本的なスタイリングは901を踏襲していますが、アメリカの安全基準をクリアするためにバンパーが大型化されています
 出典  Funmee!!編集部
930型の「911ターボ」。基本的なスタイリングは901を踏襲していますが、アメリカの安全基準をクリアするためにバンパーが大型化されています


このうち、最初期型の901型は通称「ナロー」と呼ばれています。ボディが次第に拡充されていった2世代目以降と区別するネーミングではありますが、356よりも車幅が狭かったため、デビュー時にナローポルシェと呼ばれたからという説もあります。そのためか、901型のうちホイールベースが延長されてボディが少し大きくなった1968年以前のごく初期のモデルのみをナローと呼ぶ人もいます。



ナローはリアまわりもシャープでスッキリしています
 出典  Funmee!!編集部
ナローはリアまわりもシャープでスッキリしています


ナローの魅力のひとつは、名前通りのスリムでコンパクトなデザイン。そこにはプリミティブな初期モデルならではのよさがあります。911は基本的なデザインコンセプトを大きく変えずに作り続けられているクルマですが、その美しさがより凝縮されているように感じます。

 

製造された時代のおかげでもありますが、バンパーなどの装備も必要最小限で、無駄がありません。そのためかボディラインがより強く印象づけられます。とくに膨らんだフェンダーからきゅっと絞られたテールに至るラインなど、惚れ惚れするほどセクシーです。



ボンネットには、ドイツ・のシュトゥットガルト市の紋章などをモチーフにしたおなじみのエンブレム
 出典  Funmee!!編集部
ボンネットには、ドイツ・のシュトゥットガルト市の紋章などをモチーフにしたおなじみのエンブレム


スポーツカーである911には、さまざまなエアロパーツも出回っています。「しかしナローのオーナーさんは、何もいじらずそのまま乗っている方がほとんどですね」と語る、ポルシェ専門店「ザ・ガレージワークス」の高橋真光さん。初期型となるとオリジナル度が高いほうが価値が高いという理由もありますが、デザイン的にも余計なものはつけないほうがこのクルマには合っています。



 出典  Funmee!!編集部
東京湾岸を走るポルシェ911

「ポルシェと暮らす」をテーマに国内外のポルシェオーナーたちのライフスタイルを紹介! ガレージ作りの参考書としてもおすすめの1冊です。


■取材・撮影協力

ザ・ガレージワークス

 

初期型の空冷から水冷の最新型まで、ポルシェに関することなら何でもおまかせの専門ショップ。メンテナンスはもちろん、カスタムやチューニング、レースサポートまでさまざまなニーズに対応する。ナローポルシェの在庫も豊富。

 

東京都世田谷区上馬1-32-7

TEL:03-6804-0144

営業時間:11:00~19:00

休み:水曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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2018年5月1日
Funmee!!編集部
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