【10月の特集/コーヒー】#05 キャンプで誰よりも美味いコーヒーを焙煎しませんか


アウトドアで淹れたてのコーヒーを飲む贅沢を知っているなら、そろそろ自家焙煎デビューしてみませんか。暑すぎず、寒すぎず、生豆を扱いやすい秋は、マイスターになる絶好の季節です。

 

焙煎名人として名高い「ワイルド珈琲」の天坂信治さんに、珈琲焙煎の極意を伝授してもらいました。

 

※「自家焙煎に必要な道具」は記事の最後にリストアップしています。



自家焙煎ってこんなに簡単?!所要時間はわずか15分


ハンドドリップはしても「焙煎までは……」と躊躇しがちですが、「道具を揃えてしまえば、作業そのものはとても簡単。でも、その簡単ななかに奥深さがあるんです」と語るワイルド珈琲・天坂信治さん。焙煎は15分もあればでき、「大変」「面倒」と思っていたけれど意外に時間も手間もかからないようです。



「自家焙煎は習うより慣れろ。自分好みの味を探求するのが面白い」と語る天坂さん

 出典  Funmee!!編集部

味に差が出る、地味に面白い欠点豆のハンドピック

良質な生豆でも、欠点豆はあるので念入りにチェック

 出典  Funmee!!編集部


生豆をいきなり火にかけず、カケや虫喰いのある豆をハンドピックするのが、美味しい珈琲の第一歩。

 

「黒いトレーの上でやるのがベストですが、なければ黒い紙や布の上で」。ハンドピックは、宝探し感覚でつい夢中になってしまう作業です。コレ、ハマる人はハマります。



“家にあるもの”も活用して、おいしい自家焙煎を目指す

ポイントは豆が穴から飛び出ないように、ネットを二重にすること。ジョウゴなどがあると入れやすい

 出典  Funmee!!編集部


続いて天坂さんが取り出したのは、ミカンなどを入れるネット。これを使って汚れと薄皮を洗い流します。ネットを二重にして豆を120gほど入れるとこぼれ落ちることなくきれいに洗えます。その後、すぐにタオルの上に広げて水気をよく切り、豆がふやけてしまう前(5分以内)に焙煎します。



香ばしく煎るにはハイパワーの火力が必須


と、その前に注意したいのが火力です。「焙煎は高火力が絶対条件。最低でも約3kWの火力が必要です。アウトドアではシングルバーナーが便利ですが、珈琲焙煎にはカセットコンロがオススメです」と天坂さん。

 

それなら3kW以上のシングルバーナーでは? と聞くと天坂さんは首を横に振ります。

 

「豆を煎る手網み焙煎器と炎の直径が同じでないと、豆に煎りムラができてしまいます」。そんな天坂さんに「これはいいね」と言ってもらえたのがこちら。



高火力が命。天坂さんに太鼓判を押してもらった「カセットフー マーベラスⅡ(岩谷産業)」は最大火力3.5kW(3,000kcal/h)(編集部私物)

 出典  Funmee!!編集部


屋外での珈琲焙煎は「風」が天敵です。「トップカバー付きなのも高ポイントでしたが、カバーなしならコンロ3面を囲うレンジカバーなどで風をよけましょう。アウトドア焙煎は風をどう防ぐかが肝です」(天坂さん)。



温度管理&記録ラクラク!名人開発のオリジナル手網み焙煎器


今回使った手網み焙煎器は、持ち手にデジタル温度計が、網の上蓋にはダンパーがついています。


「これはうちのオリジナルでね、ダンパーで温度調整ができ、温度計で焙煎時の温度変化をチェックしやすくしています」



温度計がついていると、焙煎時の温度上昇データがとりやすく、焙煎上達の近道になる

 出典  Funmee!!編集部

1分ごとに豆温度の記入。同じ豆でも天気や温度、焙煎する人のコンディションによって微妙に変わるのが、自家焙煎の難しさであり面白さ。記録することで次のときに役立ちます

 出典  Funmee!!編集部


スマホ専用アプリ(無料)でインターバルタイマーをダウンロードし、焙煎から1分ごとに温度を計測。そこまで細かく? と思うかもしれませんが、自分好みの珈琲を再現するには「とってて良かった」なデータになります。焙煎マイスターになった気分に浸れる作業だったりもします。



「手網み焙煎器」と「七輪用カバー」のふたつがあれば鬼に金棒

手網み焙煎器は点火口から20cmほど離し、左右に小刻みに鋭く、サッサッサとリズミカルに振るのがコツ。この時、軍手をするのを忘れずに

 出典  Funmee!!編集部


手網み焙煎器に豆を入れて点火! と思ったら、天坂さんがアルミ製の丸いカバーをコンロの上にセット。ん? これは一体、何!?

 

「七輪用のカバーとしてホームセンターなどで売られているものです。風除けだけじゃなく、熱のカーテンを作り、焙煎をムラなくスムーズに仕上げてくれる重要なアイテムです。これはぜひ用意して欲しいですね」



焙煎後はいち早く風を送って冷ます


「豆がハゼてくる目安は1ハゼが8分半ぐらい、200〜205℃ぐらいの時です。熱が素通りしないように閉めていたダンパーを1ハゼがきたら全開にして煎り、だいたい227〜230℃で2ハゼがきます。1ハゼよりピチピチと高い音がするので、そうしたらすぐ火からおろします」。

 

今回は火力が十分あったので焙煎時間はトータル9分半(時間は諸条件により異なる)。そこから素早く豆をザルにあけ、豆を冷ませば出来上がり!

 


ザルを手早く振って粗熱をとる。短時間にいかに冷ますかが勝負

 出典  Funmee!!編集部


とはいえ、上手くいったのは天坂さんとオリジナル手網み焙煎器によるところが大きいのは否めません。ダンパーも温度計がない手網み焙煎器を使う場合は、アルミホイルに穴あけパンチで穴をあけて、ダンパーを作って網にかぶせます。4分半分から5分で豆が薄い黄色になるのがベストで、この時にアルミホイルを半分開けます。何度もトライして、自分なりのマニュアルを作っていきましょう。



左が生豆、右が焙煎後の豆。焙煎するとこんなに膨らむ。焙煎後もハンドピックして煎りが弱かったり、強すぎたり、大きさが不揃いなものを取り除こう。この時のトレーは白いものがベスト

 出典  Funmee!!編集部



焙煎仕立て、淹れ立ての自分だけの一杯がここに

焙煎は失敗しながら上達するもの。失敗をおそれず焙煎をし続けた先に、至福の一杯が待っている

 出典  Funmee!!編集部


そして、いざテイスティング。コーヒー1杯に対して豆は約10g。83〜85℃のお湯で天坂さんがドリップすると、ぷくーっと挽いた豆が膨らんで見るからに美味しそう。

「お湯をのっけるイメージで中心から外へ円を描くように淹れるのがコツです」と天坂さん。いただいた一杯はそれはもう言うことなしです。

 

「焙煎は最低でも30回はやらないと上達しません。でも、失敗するからと安い生豆で練習するより、自分好みの豆で焙煎しないと、上手くいったかどうか分かりません。失敗を繰り返しながら、自分だけの最高のコーヒーをぜひ実現させてください」と笑顔で語る天坂さん。

 

焙煎した豆は、空気に触れないように保存袋や保存容器に入れ、冷暗所で保管するのがベストと、余った豆のことも気にかける所にも、コーヒー愛を感じました。




<自家焙煎に必要な道具リスト>

・黒いトレー(生豆)

・白いトレー(焙煎豆)

・ネット2枚

・ジョウゴ

・タオル

・カセットコンロ(3kW以上)

・手網み焙煎器

・七輪用カバー

・軍手

・ザル

 

※焙煎の状況を記録するためのシートを、ワイルド珈琲天坂さんからご提供いただきました。コチラからダウンロード!




■プロフィール

天坂信治さん

1951年東京生まれ。高校卒業後に喫茶業界を経て珈琲焙煎の道へ。30歳で東京・浅草橋に珈琲焙煎所「ワイルド珈琲」をオープン。珈琲焙煎に精通しており自家焙煎の知識、ノウハウ、普及活動において右に出るものはいない。

 

■撮影協力

ワイルド珈琲

東京都台東区浅草橋4-20-6

TEL :03-3865-8318

営業時間:9:00〜18:00

休み:土・日曜、祝日




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文:浜堀晴子(Haruko Hamahori)

写真:是枝右恭(Ukyo Koreeda)



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Funmee!!編集部

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