世界最高峰アクアリストが直接指南。挫折した水槽が鮮やかに生まれ変わる!
マニア
【“いつか”を叶えようキャンペーン・体験レポート】︎

世界最高峰アクアリストが直接指南。挫折した水槽が鮮やかに生まれ変わる!


“いつか”だらけの人生とオサラバする! を合言葉に、読者の方に最高の趣味体験をしていただく「いつかキャンペーン」。そのひとつ、「自分だけのアクアリウムで癒されたい! 水景クリエイターの深田崇敬さんに習う世界にひとつだけのアクアリウムづくり!」


当選したのは社会人3年目の添野友洋さん。誰よりも熱いアクアリウムへの思いを、憧れの深田さんにこれでもかとぶつけ、壁を越えて「いつか」を叶え、最後には新たな師弟関係すら予感させてくれた、添野さんと深田さんの濃密な1日に密着しました。



学生時代から抱くアクアリウムへの思いが爆発した日!


小さい頃は父親とバス釣りを楽しみ、魚とふれあってきたという添野さん。次第に水の中に広がる世界を想像するようになり、大学生でアクアリウムの虜に。そして、見るだけでは飽き足らず、自分でも水槽レイアウトに挑戦し始めます。


しかし、いくらアクアリウムの作品集を読み込んでもネットで情報を集めても、思い通りのレイアウトを作ることはできませんでした。また、現状ではアクアリウムの展覧会も多くなく、実物の作品を見る機会もほとんどありません。



添野さんのプレゼンテーション。アクアリウムにかける思いをはじめ、水槽のためにいまの部屋へ引っ越したこと、今回の体験で作りたい水槽のイメージや置きたい場所など想定以上に具体的な思いが綴られていました
 出典  Funmee!!編集部
添野さんのプレゼンテーション。アクアリウムにかける思いをはじめ、水槽のためにいまの部屋へ引っ越したこと、今回の体験で作りたい水槽のイメージや置きたい場所など想定以上に具体的な思いが綴られていました


そんな背景を持っているがゆえに、当選通知後に編集部に送られてきたプレゼンテーションのアツいこと! あまりの情熱に編集部内が騒然となりました。



憧れの深田さんと対面! 本物の作品に大興奮!


そして待ちに待った、「いつか」を叶える時がきました。


まずは今回アクアリウムの手ほどきをしてくださる深田崇敬さんとご対面。早速アトリエにある作品を見させていただきました!



写真集で穴が開くほど見た作品の実物を目の前にして「おおっ……」と感嘆の声を漏らす添野さん
 出典  Funmee!!編集部
写真集で穴が開くほど見た作品の実物を目の前にして「おおっ……」と感嘆の声を漏らす添野さん
「この作品はあのときのですね!」、「これは何の水槽ですか?」と前のめりになって深田さん(左)の話を聞く添野さん(右)
 出典  Funmee!!編集部
「この作品はあのときのですね!」、「これは何の水槽ですか?」と前のめりになって深田さん(左)の話を聞く添野さん(右)


次に水槽レイアウトの打ち合わせ。事前に例のプレゼンテーションを読んだ深田さんから、どんなアイテムを持っているか、今回の作品にはどんなアイテムが必要かなど、イメージをすり合わせながら丁寧にアドバイスをいただきます。



憧れの作家さんと自分の作りたいレイアウトについて話すということで、添野さんも緊張の面持ち。今回はアマゾンの熱帯雨林をイメージしたレイアウトを作ることにしました
 出典  Funmee!!編集部
憧れの作家さんと自分の作りたいレイアウトについて話すということで、添野さんも緊張の面持ち。今回はアマゾンの熱帯雨林をイメージしたレイアウトを作ることにしました

アイテムを集めに専門ショップへ。お金の壁が立ちはだかる!


作りたいイメージが固まったら、すぐに必要なアイテムを揃えにアクアリウムショップ、アクアフォレスト新宿店へ移動。ホースや二酸化炭素のボンベといった設備系統のほか、石や流木、水草など今回の作品で使う材料を購入します。



レイアウトの要となる流木を選ぶふたり。石や流木は身近な河川にも転がっていそうですが、表面に付いた菌などの微生物類で水槽内の環境を侵してしまう可能性があるため、きちんと処置されたものをショップで買うのがベターとのこと
 出典  Funmee!!編集部
レイアウトの要となる流木を選ぶふたり。石や流木は身近な河川にも転がっていそうですが、表面に付いた菌などの微生物類で水槽内の環境を侵してしまう可能性があるため、きちんと処置されたものをショップで買うのがベターとのこと


小さめの流木から手に取る添野さんに深田さんから「まずは大きいものを買っておくと、水槽のサイズに合わせて切っていくあいだに小さいものが生まれるよ」と指南が。すると、「なるほど!確かにそうですね!」と元気に返す添野さんですが、顔からだんだんと笑顔が消えていきます。


それもそのはず。添野さんはこれまでも自身で材料を買い集めてきましたが、お財布事情を考慮して、比較的安価な小さい材料を選んできたそう。


どんな趣味を始めるときも必ずぶつかる、お金の壁が立ちはだかります。



石もまずは大きいものを買って、レイアウトを作るときに金槌などで割って調整する。置き場所にも困りそうですが、深田さん曰く「ベランダや玄関先で野ざらしでも大丈夫」とのこと
 出典  Funmee!!編集部
石もまずは大きいものを買って、レイアウトを作るときに金槌などで割って調整する。置き場所にも困りそうですが、深田さん曰く「ベランダや玄関先で野ざらしでも大丈夫」とのこと


最後に水草を選びます。今回ご協力いただいたアクアフォレスト新宿店の轟さんが「この水草は育てるのが難しい」「彩りを加えたいのならこれがおすすめ」と、懇切丁寧に解説してくださいます。実は水槽レイアウトの趣味人のあいだではこれが日常の光景。最寄りのアクアリウムショップの店員さんがもっとも身近な専門家になります。



今回購入した水草。初心者でも育てやすいウィローモス、ミクロソリウム、ブリクサ・ショートリーフなど、緑が豊かな水槽のイメージに合わせてチョイスしました
 出典  Funmee!!編集部
今回購入した水草。初心者でも育てやすいウィローモス、ミクロソリウム、ブリクサ・ショートリーフなど、緑が豊かな水槽のイメージに合わせてチョイスしました


その時、添野さんが編集部員に「今日は水草は入れずに、石と流木を組むところまでにしませんか?」と相談を持ちかけます。どうやらプロたちに圧倒され、フトコロも時間も心配になってしまったよう。


そこに深田さんから「完成させましょう。今日は何時までかかっても大丈夫なので、明日から添野さんが毎日水槽のお世話ができるところまで僕が責任持って教えます」。と熱いエールが。

 

それまで、準備がなかなか前に進まなかった添野さん。この時、「水槽というひとつの完成された世界を創造するために、何がなんでも作り上げる」という深田さんのプロとしての熱量を感じ、覚悟を決めたと振り返ります。



水草が光合成するために必要な二酸化炭素のボンベキット。初心者が最初に水槽に設置するのに必要な道具が全て入っているのですが、これだけでも1万5,000円以上します。確かに20代の財布には大打撃ですね……
 出典  Funmee!!編集部
水草が光合成するために必要な二酸化炭素のボンベキット。初心者が最初に水槽に設置するのに必要な道具が全て入っているのですが、これだけでも1万5,000円以上します。確かに20代の財布には大打撃ですね……
総額およそ7万円、添野さん曰く「清水の舞台から飛び降りるような額の買い物」を終え、残すはレイアウトのみ。 「ついにアクアリウムのスタート地点に立つことができました!」と、添野さんの表情の晴れやかなこと!
 出典  Funmee!!編集部
総額およそ7万円、添野さん曰く「清水の舞台から飛び降りるような額の買い物」を終え、残すはレイアウトのみ。 「ついにアクアリウムのスタート地点に立つことができました!」と、添野さんの表情の晴れやかなこと!

作品づくり開始! 挫折を味わった水槽が、プロの手で生まれ変わる


「自分の部屋に深田さんがいるなんて……!」と興奮気味の添野さんにさっそく、今回の作品づくりに使う水槽を見せていただきました。



こちらが今回使用する水槽。「60cm水槽」と呼ばれる水草レイアウトではベーシックな大きさで、幅60cm×奥行き30cm×高さ36cmあります
 出典  Funmee!!編集部
こちらが今回使用する水槽。「60cm水槽」と呼ばれる水草レイアウトではベーシックな大きさで、幅60cm×奥行き30cm×高さ36cmあります


なるほど、明らかに「作り途中」といった雰囲気です。このレイアウト、なんと深田さんがかつて金賞を受賞したコンテスト作品に独学で挑戦しようとしたもの。しかし、何度ソイル(ベースとして水槽内に敷く砂利)を積んでも雪崩が起きてしまい、打開策を見出せずに挫折。そこから全く手をつけていない、いわば時が止まった水槽でした。



まずはソイルを水槽から出し、リセットする作業から。作品づくりは水槽に土台となる大きな石を置くところから始まります
 出典  Funmee!!編集部
まずはソイルを水槽から出し、リセットする作業から。作品づくりは水槽に土台となる大きな石を置くところから始まります
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添野さんの叶えたいイメージが深田さんには手に取るようにわかるよう。「こうしたい時は……」「ここの窪みに魚が……」など、ふたりにしか見えていない水の世界が、この水槽の中に広がっています。


石は種類やそれらの組み合わせ、面、数、配置によってレイアウトがガラリと変わります。どこに空間を作りたいか、どのくらい奥行きを持たせたいか、アイデアを出し合うふたりの表情は真剣そのもの!
 出典  Funmee!!編集部
石は種類やそれらの組み合わせ、面、数、配置によってレイアウトがガラリと変わります。どこに空間を作りたいか、どのくらい奥行きを持たせたいか、アイデアを出し合うふたりの表情は真剣そのもの!


そして、これまで苦労してきた添野さんが一番知りたかったプロの技術をマンツーマンで余すことなく伝授していただきました。



 出典  Funmee!!編集部
土台として積み上げた石は崩れないように瞬間接着剤で固定します。手が入れづらい箇所には釣り用のチューブで作ったお手製のアタッチメントで接着
 出典  Funmee!!編集部
土台として積み上げた石は崩れないように瞬間接着剤で固定します。手が入れづらい箇所には釣り用のチューブで作ったお手製のアタッチメントで接着


次に水槽の中に動きを表現するための流木を入れます。こちらも作り手のセンスによって180度変化するところ。近づいたり、遠ざかったりしながら添野さんが頭の中に描いているイメージにできるだけ近い配置を見定めていきます。



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夢中で水槽を見つめる添野さん。この日いちばん目を輝かせている瞬間でした
 出典  Funmee!!編集部
夢中で水槽を見つめる添野さん。この日いちばん目を輝かせている瞬間でした


骨組みが決まったら、水草の植栽。ついに水槽に生き物が入ります。「ちょっとやってみる?」と深田さんにバトンを渡され添野さんもチャレンジすることに! 「やっぱりセンスがいいんだね」とコケを植える位置を褒める深田さんと、嬉しげな表情を浮かべる添野さんの姿は、すっかり師匠と弟子のようでした。



コケも時間が限られている場合は接着剤でつけます。ただし、接着剤はコケにとってはあまりいいものではないため、最低限の範囲でつけていくのが枯らさないコツなんだとか
 出典  Funmee!!編集部
コケも時間が限られている場合は接着剤でつけます。ただし、接着剤はコケにとってはあまりいいものではないため、最低限の範囲でつけていくのが枯らさないコツなんだとか

水槽レイアウトが完成。止まっていた時が動き出す!

水草が植えられたことで一気に活力を持った水槽。植栽後はすぐに霧吹きを全体にかけると24時間程度は水をいれなくても大丈夫だそう
 出典  Funmee!!編集部
水草が植えられたことで一気に活力を持った水槽。植栽後はすぐに霧吹きを全体にかけると24時間程度は水をいれなくても大丈夫だそう


植栽も終え、残すは水を入れるだけ! 水槽内にはおよそ60ℓの水が入るため、水を途切れさせないようにスタッフ一同で一緒にバケツリレーを敢行。室内は途端に慌ただしくなりますが、手元は慎重に、せっかくのレイアウトを崩さぬよう、スポンジを使いながら徐々に水かさを増やしていきます。



「水がなくなるよー」という深田さんに合わせて、「はい!」と返事をしながらせっせと水を汲む添野さん。この頃にはもう息もピッタリです
 出典  Funmee!!編集部
「水がなくなるよー」という深田さんに合わせて、「はい!」と返事をしながらせっせと水を汲む添野さん。この頃にはもう息もピッタリです


そしてついに、添野さんのイメージに沿って深田さんと作りあげた、世界でひとつだけの水槽レイアウトが完成しました!



添野さんのイメージが深田さんのノウハウであっという間に形に。ここに様々な器具を取り付け、さらに生き物を入れていきます
 出典  Funmee!!編集部
添野さんのイメージが深田さんのノウハウであっという間に形に。ここに様々な器具を取り付け、さらに生き物を入れていきます

来年のコンテストに向けて、自力で水槽レイアウトに挑戦したい!


挫折したままの水槽を、憧れの深田さんの手ほどきで見事に蘇らせることができた添野さん。


「いままでの僕は、理想とするアクアリウムの姿への思いが強すぎて、一歩を踏み出せずにいました。この機会がなければ一生“いつか”のままだったと思います。」


完成の握手。最初と比べるとすっかり表情も和らぎ、ふたりの距離が縮まったのがうかがえます
 出典  Funmee!!編集部
完成の握手。最初と比べるとすっかり表情も和らぎ、ふたりの距離が縮まったのがうかがえます


そんな添野さんに深田さんから最後のアドバイス。


「これからはどんどんトライアンドエラーを積み重ねていってください。今は機材が充実しているので大きな失敗をするリスクは減りましたが、それでも何もトラブルなく水槽ができあがるなんてことはあり得ません。何か起きたとき、前日に自分が水槽にいる生き物たちに対して何を行ったかを振り返り、本当にそれが原因か検証する、ひたすらそれの繰り返しです」



アクアフォレスト新宿店での深田さんと添野さん。おふたりが同じ舞台で活躍する日も遠くないかもしれません
 出典  Funmee!!編集部
アクアフォレスト新宿店での深田さんと添野さん。おふたりが同じ舞台で活躍する日も遠くないかもしれません


「この水槽はもう一生崩せないくらいの宝物。また別の水槽で一からレイアウトを作って、来年はコンテストに出します! 目指すは世界100位以上!」


そう意気込む添野さんの姿に、時間の経過が楽しみになりました。今回作った水槽の生長だけでなく、添野さんの趣味の世界での活躍も目が離せません。




■取材・撮影協力

AQUA FOREST (アクアフォレスト)新宿店

住所:東京都新宿区歌舞伎町1丁目新宿サブナード3丁目 AQUA FOREST

電話:03-5367-0765

営業時間:10時~21時

休み:年中無休(年に数回のサブナード施設点検日は休み)




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文:たなかもみこ(Momiko Tanaka)

写真:岡崎健志(Kenji Okazaki)



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2018年8月30日
Funmee!!編集部
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