【こんなイベントあるんだ!】テルミン奏者にその魅力を聞いた!「全日本テルミンフェス」(後編)


ロシア生まれの電子楽器、テルミン。じつは日本は世界に誇る「テルミン大国」で、3万人の愛好家がいるといいます。


そんな、テルミン熱を存分に感じられるイベントが、テルミンに特化した音楽フェス「テルミンフェス」です。


イベントの模様をレポートした前編に続き、後編では後編では出演者の一人である菊地誠さんと、主催者である街角マチコさんにインタビュー。テルミンの魅力について、存分に語っていただきました。



出せる音は無限大! 極めるほどに楽しくなる


まずお話を伺ったのは菊地誠さん。大阪大学で教授もつとめる物理学者であり、テルミン・サイケ・デュオ、andmo’でギターとテルミンを担当する異色のアーティストでもあります。この日は“一般公募枠”での参加ながら、ギターソロのようにテルミンを操る圧巻のパフォーマンスで観客を魅了していました。



菊池誠さん

 出典  Funmee!!編集部


「テルミンって上達すればするだけ、できることが増えるんですよね。出せる音も無限に増えていく。道を究めるおもしろさみたいなものがある。ある意味、修行みたいですよね」


息継ぎを必要としない電子楽器のテルミンは、音をどこまでも連続して出せる。そこが一番の魅力と語ります。


「音量もピッチも本当に細かく変えられる。ゼロから1の間に、無数の音量があるんです。自由な楽器という感じがします。ビブラートも好きな速度で、好きな深さでかけられるし、グリッサンドもゆっくり上げたり、キュって上げたり。そういうコントロールが自在にできる楽器って、他にはあまりないですよね。あとは、単純に演奏スタイルがパフォーマンスとして面白い」



 出典  Funmee!!編集部


一方で、制御が難しいところも「逆に楽しい」そう。


「音を止めるのにいちいち触っていないといけないとか、人が近づくと音が変わっちゃうとか、まあ難しいんですよ。でも、それはそれで面白いかな。テルミンって、今は色んな音楽に採り入れられているし、まだまだ可能性を秘めていると思います。僕自身はサイケとかノイズとかをやってるんですけど、クラシックでもロックでもパンクでも、何でもイケる楽器なんですよね」



すべて自分に委ねられている感覚が楽しい


続いてはテルミンフェスの主催者でもある街角マチコさん。国際的怪電波ユニット「ザ・ぷー」のメンバーで、テルミン教室「テルミン大学」も主催しています。



街角マチコさん

 出典  Funmee!!編集部


「テルミンを始めたきっかけは、”師匠“である竹内正実さんの演奏を見て。特に、手の動きを駆使して音を出す身体性に魅かれて、自分もやってみたい、この音を作ってみたいと思いました」


当時は劇団に所属し女優業をしていましたが、“足を洗って”テルミンの道へ。以来、15年にわたって演奏を続けているそうです。



マチコさんのステージは演劇要素も満載!

 出典  Funmee!!編集部


「貧乏な小劇場女優も楽しかったんですけど、テルミンをどうしてもやりたくなって。楽器を買うお金がないので、まともに働くようになり…気づいたら女優の世界から足を洗っていました。ある意味、テルミンが人生を変えてくれたんですかね(笑)」


そんなマチコさん、テルミンの魅力をこう語ります。


「ちょっとアクセントをつけるだけでも微妙なさじ加減が必要ですし、気を抜くとすぐに音が狂ってしまう。本当に難しい楽器だと思うんですよ。でも、だからこそ出来た時にはすごく楽しい。身体性が高くて、リアルタイムに反応が返ってきたり、いつもと同じようにやっているつもりでも、思うようにいかないことも多い。自分の不確かさみたいなものがダイレクトに音に出てしまう。全て自分に委ねられている感じがいいんですよ」



 出典  Funmee!!編集部


なお、テルミンフェスは今回で3回目。少しでもテルミンの魅力を伝えられるようにと模索を繰り返し、回を追うごとに盛り上がりを増してるそうです。不思議で楽しいテルミンの魅力が詰まった唯一無二の音楽フェス。テルミンをよく知らない人も、いや、知らない人こそぜひ体験してほしいイベントでした。




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文:榎並紀行(Noriyuki Enami)/やじろべえ

撮影:鳥居健次郎(Kenjiro Tori)



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Funmee!!編集部

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