【カッコいい写真・カメラと撮影のキホン】レンズを楽しもう!<望遠レンズ編>

コンパクトカメラを卒業し、一眼レフカメラやミラーレスカメラを購入したら、まず手にして欲しいのが、ズームレンズです。


ズームレンズや、望遠単焦点レンズと呼ばれるレンズを手にすると、撮影の楽しさがさらに広がります。


”記録写真”ということであれば、レンズにこだわることはないかもしれませんが、例えばお子さんの運動会や野外での動物撮影、はたまた飛行機の写真などでは、被写体までの距離があるケースが多いことと思います。


そんな時に活躍するのが、被写体を拡大して撮影することができる望遠レンズなのです。



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では、望遠レンズとは遠くのものを撮るだけのためのレンズなのでしょうか?


それは違います。


望遠レンズには望遠レンズならではの特徴があります。


今回は、そんな望遠レンズの特徴を紹介し、うまく使いこなしてステキな写真を撮影するコツを伝授します。

そもそも望遠レンズとはどんなレンズなのでしょう。


望遠レンズにはズームレンズや望遠単焦点レンズなどさまざまな種類があるため選ぶ段階で迷ってしまい、購入を先延ばしにしてしまう人も少なくありません。


ですが、シーンによりレンズを使い分けて撮影することができることこそ、レンズ交換式カメラの魅力です。


望遠レンズの特徴を知るためには、

・フレーミング

・被写体との距離

・ボケ

・フレーミング範囲の狭さ

・圧縮効果

をおさえておく必要があります。


では、それぞれの特徴を解説していきましょう。

望遠レンズを使ってみると、すぐに気付くのが「フレームの変化」です。


フレームのなかで、何をメインの被写体ととらえるか、その被写体をどのようにフレームにおさめるか……。


望遠レンズで撮影をすれば、風景写真から、被写体へクローズアップした写真までを撮影することができるのです。


実際の例を見てみましょう。

これらの写真は同じ場所から撮影した、同じシーンです。

 提供  キヤノン

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どうでしょう。

同じシーンでありながら、写真から伝わる情報や印象が全く異なるのではないでしょうか。


1枚目の写真は、3枚のなかでは最もフレームが広い写真です。

この写真からは、撮影者がどのような場所で撮影したか、そこからどのような風景が見えていたかが伝わると思います。


そして、3枚目の写真は、撮影者が見た景色のなかで最もフォーカスしたかったモチーフが印象的に表現されています。

使用レンズ:EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

使用レンズ:EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

 提供  キヤノン

この特徴は理解しやすいと思います。


フレーミングの説明でも触れたように、望遠レンズを装着すれば、被写体から離れたところからも撮影が可能です。


そうです、音に敏感な野生動物などを撮影するには打ってつけなのです。


動物園でトラを撮影、そんな時には望遠レンズが有効です!

望遠レンズを手にする方の多くが、このレンズに期待するのが「背景がキレイにボケさせた写真」です。


まさに、この「ボケ易い」という性質は、望遠レンズが持つ嬉しい特徴のひとつです。

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/4/露出時間:1/1000秒/ISO速度:ISO-200/露出補正:+1ステップ/焦点距離:145mm

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/4/露出時間:1/1000秒/ISO速度:ISO-200/露出補正:+1ステップ/焦点距離:145mm

 提供  キヤノン

好例はこのような写真です。


被写体である花はみずみずしく、色のグラデーションも美しく、触れるかのような表情までもが伝わってきます。

そして、背景は自然かつカラフルにボケているため、花がさらに強調されて映ります。


このボケ易い特徴は望遠カメラならではのもの。

ぜひ撮影に利用したいですね!

望遠レンズを使い、ズームしていくことを覚えると、すぐに「フレームの狭さ」という壁にぶつかると思います。


これは望遠レンズの特徴でもあり、宿命でもあります。

 出典  Funmee!!編集部

技術的な説明をすると複雑かつ長くなるため、ポイントのみをお伝えします。


キーワードは「焦点距離」です。

焦点距離とは、「ピントを合わせた時の、レンズから撮像素子(被写体と考えてください)までの距離」です。


望遠レンズは焦点距離が長く、被写体は大きく映りますが、映る範囲は狭くなります。

逆に広角レンズと言われるレンズは、焦点距離は短く、被写体は小さく映りますが、映る範囲は広くなります。(広角レンズについては、別の回で紹介します)


フレームが狭いということは、言い換えると被写体のみがクローズアップされるということ。

その結果、「工夫のないただシャッターを押しただけの単調な写真」になってしまいがちです。


これは望遠レンズの難しさでもあります。


ところが、このフレームの狭さを逆手にとることも、望遠レンズの楽しみなのです。

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/4/露出時間:1/640秒/ISO速度:ISO-200/露出補正:+0.7ステップ/焦点距離:200mm

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/4/露出時間:1/640秒/ISO速度:ISO-200/露出補正:+0.7ステップ/焦点距離:200mm

 提供  キヤノン

一瞬をとらえた野生のリスの姿。


望遠レンズを使うことで表情や毛並みまでがきちんと写り込み、息遣いが聞こえてくるようですよね。そして、背景はボケているため、やわらかにシーンを感じさせてくれます。


フレームが広い場合には、情報が多過ぎ、また被写体である動物にフィーチャーできないため、ここまで印象的な写真にはならないでしょう。


猫や野生動物は近付くと逃げてしまうことが多く、自然な表情を狙うには望遠レンズが適任です。これはポートレート写真にも同じことが言えます。撮影でわざと望遠で遠くから撮り、モデルさんにレンズを意識させないで自然な表情を狙うプロのフォトグラファーもいますよ。

望遠レンズでは圧縮効果が生まれます。

圧縮効果とは遠くの被写体が大きく写り、近くの被写体とのサイズの違いが少なくなることで、遠近感が弱く感じるようになった結果、1枚の写真の中に遠近両方の景色が凝縮された効果です。


ちょっとわかりづらいので写真を見てみましょう。

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/16/露出時間:1/80秒/ISO速度:ISO-200/露出補正:+1ステップ/焦点距離:70mm

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/16/露出時間:1/80秒/ISO速度:ISO-200/露出補正:+1ステップ/焦点距離:70mm

 提供  キヤノン

手前のひまわりと奥に映る山々……。


この写真のように大きさに圧倒的な違いある両者が、写真のなかで違和感なく収まるのは「圧縮効果」のなせる技なのです。


圧縮効果は遠近感をあまり感じさせない写真という点は望遠レンズの特徴のひとつです。

ひと口に「望遠レンズ」といっても、そのラインナップ、特徴は千差万別ですね。


では、どのレンズを手にすれば良いのでしょうか?


望遠レンズは大きくわけると焦点距離を動かせる「ズームレンズ」と焦点距離が固定の「望遠単焦点レンズ」があります。


それぞれの特徴は以下の通りです。


<ズームレンズのメリット>

動きのある被写体を追いかけやすい


<望遠単焦点レンズのメリット>

背景のボケ感がズームレンズよりキレイに出る


これらのメリットを比較して、選ぶと良いでしょう。

ここからは具体的に望遠レンズのランナップを紹介します。

今回はプロにも絶大な人気を誇るキヤノンのレンズを例に、

どのようなレンズがあるのかを見ていきましょう。


<ズームレンズ>EF70-200mm F2.8L IS II USM

 提供  キヤノン

高い描写力と機動性で、スポーツや報道など多くのシーンに対応する大口径・望遠ズームレンズです。水やホコリの侵入を防ぐ高い防塵・防滴性能に加え、構造を見直すことで重量増を抑えながら堅牢性を高めました。光学系には、残存色収差を補正し、ズーム全域で高画質を実現する蛍石レンズとUDレンズ(写真の色にじみを効率的に除去するレンズ)を採用。


希望小売価格:300,000円(ケース・フード付き、税別)

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/2.8/露出時間:1/8秒/ISO速度:ISO-1600/露出補正:-3.3ステップ/焦点距離:90mm

使用レンズ:EF70-200mm F2.8L IS II USM/絞り値:f/2.8/露出時間:1/8秒/ISO速度:ISO-1600/露出補正:-3.3ステップ/焦点距離:90mm

 提供  キヤノン

<ズームレンズ>EF70-300mm F4-5.6 IS II USM

 提供  キヤノン

高速でスムーズなAFを実現する「ナノUSM(キヤノンが開発した新しい超音波モーター。静かで滑らかなAFで、快適な撮影を実現します)」を新たに搭載した新作レンズ。レンズ上面には撮影距離や焦点距離などの撮影情報を表示する液晶画面を搭載。高解像感、高コントラストを実現したこのレンズは外観デザインも洗練されており、機能美が魅力です。


希望小売価格:72,000円(税別)

<ズームレンズ>EF70-200mm F4L IS USM

 提供  キヤノン

搭載された「IMAGE STABILIZER(キヤノン独自のレンズ内手ブレ補正)」の手ブレ補正効果はシャッター速度約4段分。足場が悪く三脚が使用できない場合でも、手持ちで気軽に撮影することができます。この安心感こそが手ブレ補正機構の魅力。また、蛍石とUDレンズを併用した贅沢な設計の光学系はLレンズならでは。シャープな描写力と鮮やかな発色が作品に緊張感を与えます。防塵・防滴構造も備えた実用性の高い一本です。


希望小売価格:158,000円(ケース・フード付き、税別)

<ズームレンズ>EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

 提供  キヤノン

広いズームレンジを持ちながら、全域で高画質、機動力、操作性を兼ね備えた望遠ズーム。新コーティング技術ASC(Air Sphere Coating)によりフレア・ゴースト(光が反射して発生する光のカブリや光の写り込み)の大幅な抑制を実現。手持ち撮影をサポートする4.0段分の手ブレ補正、瞬時のズーム操作を可能にする回転式ズーム、0.98mまで寄れる近接撮影能力など、さまざまな撮影現場に対応する幅広い機能を搭載しています。APS-Cサイズセンサー搭載機種では160-640mm相当の領域をカバーします。


希望小売価格:300,000円(ケース・フード付き、税別)

<望遠単焦点レンズ>EF135mm F2L USM

 提供  キヤノン

屋内でのスポーツ撮影もこなせる開放F2の大口径・望遠レンズです。美しいボケ味はもちろんのこと、0.9mの最短撮影距離を活かしたポートレート撮影にも適しています。大型UDレンズを贅沢にも2枚採用したレンズ構成で、Lレンズに相応しい高画質を約束します。レンズ全長を抑えたコンパクトサイズは機動力も高く、軽快なフットワークの撮影が可能。望遠レンズの基本的なレンズワークを知るのにも適しています。


希望小売価格:131,000円(ケース・フード付き、税別)

<望遠単焦点レンズ>EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM

 提供  キヤノン

このレンズ一本を手にすれば、雄大な景色を28mmのワイドな画角で収めることも、小さな点景の被写体を300mmでズームアップすることも自在。また、手ブレ補正機構の搭載により、光の不足しがちな室内での手持ち撮影にも対応。APS-Cデジタル一眼レフの場合は45~480mm相当と広範囲をサポート。


希望小売価格:330,000円(ケース・フード付き、税別)

どうですか? ひと口に「望遠レンズ」といっても、そのラインナップ、特徴は千差万別ですね。


撮りたいシーン、撮りたい写真に思いを馳せて、好みのレンズに出合い、より楽しいカメラのある生活を楽しんでみてください。

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文:吉見光由(Miu Yoshimi)

メイン写真:網野貴香(Yoshika Amino)

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Funmee!!ライター

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