一眼レフとミラーレス、どっちを選ぶ? 何が違う?
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一眼レフとミラーレス、どっちを選ぶ? 何が違う?


最近よく名前を聞く「ミラーレスカメラ」。でも実際はどんなカメラなのかよくわからない人も多いのでは。


デジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラは、何が違ってどう優れているのか、そしていまならどのように選べばいいのかを紹介します。



大きさや重さ、どれくらい違う?


ミラーレスカメラ(以下、ミラーレス)はカメラやレンズが小さいことが特徴です。例えばキヤノンの一眼レフカメラ(以下、一眼レフ)で一番小さい(※)「EOS Kiss X9」と、ミラーレスの「EOS Kiss M」を比べてみましょう。

 

※2018年4月現在



一眼レフとミラーレスのサイズ比較例。総じてミラーレスの方がコンパクト
 出典  Funmee!!編集部
一眼レフとミラーレスのサイズ比較例。総じてミラーレスの方がコンパクト


ミラーレスは一眼レフに対して幅や高さが5~6mm程度小さくなっていますが、その差が顕著なのは奥行です。一眼レフに対してミラーレスは約11mmも小さくなっています。というのも、ミラーレスは一眼レフからミラー(鏡)を廃したカメラだからです。



キヤノン「EOS Kiss X9」。一眼レフのなかでは比較的コンパクトな機種
 提供  キヤノンマーケティングジャパン
キヤノン「EOS Kiss X9」。一眼レフのなかでは比較的コンパクトな機種


一眼レフは撮像素子の前に上に斜め45度傾けた状態でレフレックスミラーが設けられています。シャッターボタンを押すと、この鏡が瞬間的に上に跳ね上がることで、レンズを通った光が真っ直ぐ撮像素子に導かれて撮影ができます。鏡が跳ね上がる仕組みの部分をミラーボックスと言いますが、鏡が45度に置かれているため必ず撮像素子の高さの分だけこの箱の奥行きが必要になります。



キヤノン「EOS Kiss M」。2018年3月に発表されたばかりの新機種
 提供  キヤノンマーケティングジャパン
キヤノン「EOS Kiss M」。2018年3月に発表されたばかりの新機種


一方ミラーレスはミラーボックスのスペースが必要なく、その分カメラの奥行き、つまり厚みを小さくすることができます。そのため、パッと見た時に厚みがあってずんぐりとした一眼レフに対して、ミラーレスは本体が薄くスリムなのが大きな特徴だと言えるでしょう。



仕組みは何が違う?


一眼レフとミラーレスの根本的な違いは“鏡”の有無です。もともと一眼レフの「レフ」は「レフレックスミラー(鏡)」のことを指しています。

 

レンズから入ってきた光はフィルムにまっすぐ導かれるため、フィルムカメラの時代に写真の構図を決めるには、撮像レンズとは別にファインダー(のぞき窓)を設けて、ファインダーのレンズを通った像を見て決める必要がありました。しかしこの仕組みだと、撮影用レンズとは違う位置から被写体を見ていますから、フィルムに写る像と撮影者が見ている像に微妙なズレがあります。



レンズから入った光はミラーとペンタプリズムを通って光学ファインダーへ至ります。シャッターを切ると鏡が跳ね上がり、イメージセンサーへ光があたります
 出典  Funmee!!編集部
レンズから入った光はミラーとペンタプリズムを通って光学ファインダーへ至ります。シャッターを切ると鏡が跳ね上がり、イメージセンサーへ光があたります


そこでフィルムの前に鏡を置いて、レンズから入ってきた光を横取りする形で、ファインダーで見られるようにしたのが一眼レフです。



ミラーレスにはミラーがないので、そのままイメージセンサーへ光が届きます。その分、ボディをコンパクトにできるのです
 出典  Funmee!!編集部
ミラーレスにはミラーがないので、そのままイメージセンサーへ光が届きます。その分、ボディをコンパクトにできるのです


デジタルカメラの時代になるとレンズを通った像は撮像素子で受光し、電気信号に変換して画像データの形で保存します。画像は電気信号なのでディスプレイ、つまりカメラ背面のモニターでリアルタイムに見ることも可能です。そうなると一眼レフにある鏡は必要ありません。つまり一眼レフの基本構造を使って鏡を廃したのが、文字通り“ミラーレス”なのです。



光学ファインダーとEVFって何が違うの?


一眼レフだけでなくミラーレスの上位モデルにはファインダーがあります。ただし同じファインダーでも、一眼レフは「光学ファインダー」といって、レンズから入ってきた光をレフレックスミラーとペンタプリズムを通じて、ファインダーの接眼レンズで見る仕組みで、望遠鏡のようにレンズが取り込んだ像そのものを見ています。

 


「EOS Kiss X90」の光学ファインダー。視野率約95%、倍率約0.8倍の光学ファインダーを採用
 提供  キヤノンマーケティングジャパン
「EOS Kiss X90」の光学ファインダー。視野率約95%、倍率約0.8倍の光学ファインダーを採用


一方、ミラーレスのファインダーは「EVF(Electronic Viewfinder:電子ビューファインダー)」といって、撮像素子が受光した像を電気信号に変えてEVFのなかにあるディスプレイに映し、それを見るという仕組みで、ビデオカメラのファインダーと同じです。



「EOS Kiss M」のEVF。高精細・有効画素数236万ドット、0.39型のEVFを備えます
 提供  キヤノンマーケティングジャパン
「EOS Kiss M」のEVF。高精細・有効画素数236万ドット、0.39型のEVFを備えます


EVFが登場した頃はディスプレイの表現力が低かったり、被写体の動きに比べてEVFの像の動きが遅かったこともあって、プロやハイアマチュアのカメラマンは敬遠する傾向がありました。しかし、最近ではEVFの性能が向上したため、ハイレベルな撮影でもほとんど支障ないといいます。またEVFは、アート系フィルターのような撮影後の画像処理の効果をEVFの表示に反映させることができるため、より直感的な撮影ができるというメリットがあります。



レンズ交換式の場合、レンズは共通して使えるの?


レンズが交換できるカメラのレンズ取り付け部をマウントといいます。このマウントはニコン、キヤノン、オリンパス、ソニーといったようにメーカーによって規格化されていて、その設計思想の違いから、口径や取り付け機構の仕組みが違います。



「EOS Kiss M」のマウント部。キヤノンEF-Mマウントを採用しています。これはミラーレス専用マウントのため、一眼レフのレンズはマウントアダプターを使わなければ装着できません
 提供  キヤノンマーケティングジャパン
「EOS Kiss M」のマウント部。キヤノンEF-Mマウントを採用しています。これはミラーレス専用マウントのため、一眼レフのレンズはマウントアダプターを使わなければ装着できません


そして、同じメーカーであっても、一眼レフとミラーレスではレンズやボディの大きさが違うこともあって規格が異なり、レンズの互換性はありません。ただし、ニコン、キヤノン、ソニーのように、一眼レフとミラーレスの両方のラインナップを持っているメーカーでは、大きな一眼レフ用のレンズをミラーレスで使えるように、レンズとカメラボディの間に挟む形で使うマウントアダプターを用意しています。



オリンパス「OM-D E-M10 Mark III」のマウント「マイクロフォーサーズマウント」。同社の「PENシリーズ」や、パナソニックの「LUMIX Gシリーズ」などとマウント規格を共有しています
 提供  オリンパス
オリンパス「OM-D E-M10 Mark III」のマウント「マイクロフォーサーズマウント」。同社の「PENシリーズ」や、パナソニックの「LUMIX Gシリーズ」などとマウント規格を共有しています


最近ではミラーレス用でも高い性能を持ったレンズが多くリリースされていますが、やはりプロカメラマンの多くが使っている一眼レフ用の高性能レンズを使ってみたいという人も少なくありません。そのためミラーレスでもマウントアダプターを用いれば、そのカメラより大きいサイズの撮像素子を持った一眼レフのレンズを使うことができるようになっています。



いま買うならどっち?


2018年はオリンパスとパナソニックが、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラを2008年に発表してからちょうど10年になります。

 

当初、ミラーレスは“レンズが交換できるコンパクトカメラ”といった見方で、初心者が一眼レフを使う前のステップという位置づけでした。しかし最近ではミラーレスでも一眼レフの上位機と同じサイズの大きな撮像素子や、高性能なEVFをはじめとした高い撮影機能を持ったカメラが続々登場。さらに、一眼レフ用レンズを超える性能を持ったミラーレス用レンズのラインナップも増えています。



ソニー フルサイズミラーレス一眼カメラ「α9」。AF/AE追従20コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影をはじめプロ仕様の高速性能と高画質が特徴
 提供  ソニー
ソニー フルサイズミラーレス一眼カメラ「α9」。AF/AE追従20コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影をはじめプロ仕様の高速性能と高画質が特徴


そんなこともあって、価格面で一眼レフとミラーレスのどっちが安い、といった場合でも単純に比較はできなくなってきています。また、最近は写真だけでなく動画を楽しむ人も増えていますが、その点ではビデオカメラに近い構造のミラーレスの方が扱いやすく、事実ソニーの「α7シリーズ」やパナソニックの「GH4」や「GH5」は、多くのムービーカメラマンに愛用されています。



パナソニック「GH5S」。映像制作に適した「Cinema4K/60p」対応の動画撮影能力をもつ
 提供  パナソニック
パナソニック「GH5S」。映像制作に適した「Cinema4K/60p」対応の動画撮影能力をもつ


2017年にはソニーがプロ市場を狙ったミラーレスの「α9」を登場させ、2018年にはいよいよニコンもプロユースのミラーレスカメラを発表すると噂されているだけに、これからさらにミラーレス人気が高まるのは間違いありません。




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文:青山祐介(Yusuke Aoyama)



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2018年4月9日
Funmee!!編集部
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