【ザ・使い込んでる部】#12 長年の夢を叶えてくれた、スチールのチェーンソー


使い続けるのには理由がある。愛し続けられるのには想いがある。そんな趣味にまつわるこだわりの“私物”を紹介する「ザ・使い込んでる部」。


連載第12回目は、チェーンソーです。もともとは広告デザイナーだった姫田雅人さんは、定年退職後に千葉県いすみ市に移住し、スチールのチェーンソーを愛用する毎日を送っています。


今回は、姫田さんが30年以上使い続けているチェーンソーについて、教えてもらいました。



ログハウスをつくる夢をいっしょに叶えた、30年来の相棒

木を切ること、薪割りが日課。

 出典  Funmee!!編集部


きっかけは35年前にたまたま参加した三浦亮三郎さん※1のログビルダースクール※2でした。当時は広告のデザイナーをしていたこともあり、ものづくりに興味があったのですが、初めて見たログハウスにひと目惚れし、そこで握ったチェーンソーに感動したのをいまでも覚えています。


この時に「いつか自分のログハウスを作りたい」と強く思い、広告デザイナーからログビルダーに転職したんです。趣味だったものが人生そのものになっちゃった(笑)。



チェーンソーを手に、自ら建てたログハウス。移住先である千葉県いすみ市の杉を160本使用している

 出典  Funmee!!編集部


そして5年前の定年退職後に2年半かけて、この家を完成させました。幼い頃から図画工作は得意だったけど、まさか自分の家を作るとは思いませんでしたよ。


※1 三浦亮三郎…日本初の本格派ログビルダー

※2 ログビルダー…ログハウスを作る人




暮らしを豊かにしてくれるチェーンソー

ログハウスの湯船には雨水をろ過した水を張っている。雨水で沸かしたお風呂は、通常の水よりもやわらかい感じがするのだとか。

 出典  Funmee!!編集部


冬の時期は薪を毎日使います。だから、いまでもチェーンソーは日常的に使っていますよ。例えば、庭にある露天風呂のお湯を沸かす時や家の薪ストーブを焚く時など。なので、特に寒い季節は木を大量にストックしておかないといけないんです。



大量にストックされた薪

 出典  Funmee!!編集部


薪は最低でも1年は乾燥させなくてはいけません。今年使っている薪だって去年、あるいはもっと前に切ったものなんです。だから日頃から木を切って乾燥させておかないと来年以降、困ってしまうんですよ。



30年間、同じチェーンソーを使い続ける理由

普段、愛用しているスチール026 48cc

 出典  Funmee!!編集部


どんなモノにも「相性」ってあると思います。僕が初めてチェーンソーを持った時は重量感や音の迫力に驚きました。こんな怖いモノがあるのかって(笑)。でも、それよりも握った瞬間に手に馴染む感覚があったんですよね。これが相性の良さなんだと感じました。


もちろん僕も慣れるまではキックバック※3してしまったり、土や金属に当たってしまい刃がダメになった時もあります。それでも30年以上経った今でも同じチェーンソーを使えているのは日々「目立て※4」を行っていたからです。どんな道具でも長く使い続けるには手入れが肝心だと思いますよ。



※3 キックバック…チェーンソーが急激に跳ね上がる現象

※4 目立て…刃を手入れし切れ味を維持すること



握る度に蘇る、あの頃の自分

チェーンソーを握れば、若いころの気持ちにいつでも戻れるそう

 出典  Funmee!!編集部


「ログハウスを作りたい」という夢を抱いてから、ずっとこのチェーンソーを使い続けてきました。若い頃に抱いた夢がこのチェーンソーと一緒に実現できて幸せです。でも、不思議なことに毎日、握り続けているチェーンソーなのですが、今でもひと握りすればあの頃に戻った気になるんですよね。


あのログハウスに胸を熱くした、そしてチェーンソーに夢中だった若き自分が蘇るんです。きっと僕にとってチェーンソーは思い出の道具でもあるんです。




■プロフィール

姫田雅人さん

東京都世田谷区出身。広告デザイナーを経て1985年からログビルダーに転職。2012年の定年退職を機に千葉県いすみ市に移住。自ら建てたログハウスで今では愛犬とともに暮らしている。



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文:小野洋平(Yohei Ono)/やじろべえ

撮影:鳥居健次郎(Kenjiro Torii)



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Funmee!!編集部

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