自動車
#39 シトロエン DS(ディテール編)
【趣味人ジドウシャ部】︎

#39 シトロエン DS(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。シトロエンDSは、フランスで長年国民に愛された代表車種です。




ラジエターグリルレスの流線型ボディ


それまでの前面にラジエターグリルが備わる戦前のボディデザインを一新し、空力を考慮した流れるようなDSのボディは、デビュー当時は驚くほど異端でした。その後細部のアップデートを続けながら、ボディスタイルを大きく変えることなく20年間製造され、フランス国民に広く愛され続けました。今回紹介する1971年式は、モデル末期に近い「DS21パラスH」という半自動変速モデルになります



ティアドロップ型のシルエットは、当時としては驚くほど空力に優れていました
 出典  Funmee!!編集部
ティアドロップ型のシルエットは、当時としては驚くほど空力に優れていました

随所に見られる合理性と先進性


DSはボディデザインだけでなく、細かな機構にも当時最先端の技術をふんだんに採用しています。例えばヘッドライトは、外側のメインビームは車体のロールに連動して常に水平になるように動き、内側のドライビングランプは、ステアリングに連動して操舵先を照射する仕組みを採用。これらの動きはロッドやリンクなど簡素な構造を使うことでアナログ制御されていました。




ヘッドライトはクルマの姿勢やステアリングに連動して動くという当時最先端の機構を採用しています
 出典  Funmee!!編集部
ヘッドライトはクルマの姿勢やステアリングに連動して動くという当時最先端の機構を採用しています


また空力を考慮して、リアタイヤは大きくフェンダーでカバーされています。そのため、タイヤ脱着や整備の際にはリアフェンダーを外すことが多く、DSは、フェンダー後端にあるボルトを緩めるだけで簡単にフェンダーが脱着できるように工夫されていました。こういった美しさと機能性を両立させたデザインこそ、フランス車の真骨頂といえるでしょう。



リアフェンダー後端に見えるボルトを緩めるだけでフェンダーが外れる特殊な構造となっています
 出典  Funmee!!編集部
リアフェンダー後端に見えるボルトを緩めるだけでフェンダーが外れる特殊な構造となっています

独特な装備のインテリア


ダッシュは数度のモデルチェンジを経て1971年式はだいぶモダンな意匠となります。特徴的なのは、1本スポークのステアリングです。スポークの位置は8時の位置に決まっているそうです。その理由は衝突時にスポークを支点にステアリングが歪むことで、ドライバーが車外に飛び出すのを防ぐ効果があるんだとか。実際の効果はさておき、ユニークな発想が随所に採用されています。

 

またこのクルマは半自動変速仕様なので、クラッチペダルはありません。ステアリングコラム上のスティック式レバーを操作することで、クラッチ操作と変速は自動的に行われる機構です。



8時の位置で1本支持される独特のデザインのステアリングは衝突時の安全を考慮した設計です
 出典  Funmee!!編集部
8時の位置で1本支持される独特のデザインのステアリングは衝突時の安全を考慮した設計です


DSの最も大きな特徴はディアドロップ型の空力特性に優れたボディながら、後席も驚くほど広いスペースを確保しているという点です。レッグスペースはもちろん、シートもゆったりしています。パーソナルユースだけでなく、ショーファードリブン(運転手付きのクルマ)として活躍していたのも納得です。




DSは現代の大型サルーンにも負けないリアシートの広さを誇ります
 出典  Funmee!!編集部
DSは現代の大型サルーンにも負けないリアシートの広さを誇ります

フロントミッドシップに搭載されるエンジン


デビュー当初75馬力の1.9ℓからスタートしたエンジンは、度重なるアップデートによって、最終的に130馬力の2.3ℓまでパワーアップを果たします。取材車両はインジェクション制御の2.1ℓを搭載し、125馬力を発生します。さらにこのクルマはインジェクションを現代のフルコン制御にアップデートし、快適かつクリーンに乗ることが可能です。エンジンはフロント車軸より後方に搭載されます。



DS21は、2.1ℓの直列4気筒エンジンをフロントに搭載します
 出典  Funmee!!編集部
DS21は、2.1ℓの直列4気筒エンジンをフロントに搭載します


ハイドロニューマチックを使用した半自動変速は、操作が独特で、スムースな運転には慣れを必要とします。ステアリングコラム上にあるスティック式のレバーの操作で各ギアを選択するだけで、あとはクラッチ操作と変速を油圧によって自動で行います。

 

「初めて運転すると戸惑うと思いますが、これを自在に操れると、本当に楽しいですよ。クラッチ操作が不要なので、渋滞でも楽ですね」とスムースなシフト操作を披露してくれた竹村さん。手慣れた操作で行うスムースな運転は、オーナーに与えられたステータスでもあるのですね。



半自動変速の動作を実際に運転して実演してくれたJAVEL代表の竹村さん
 出典  Funmee!!編集部
半自動変速の動作を実際に運転して実演してくれたJAVEL代表の竹村さん

2CVも手がけたイタリア人デザイナー、フラミオ・ベルトーニの"宇宙船デザイン"を堪能できる合金製 DS23パラス 1/18モデルです。


■取材協力

JAVEL

 

フランス車のなかでもシトロエンだけを扱う専門店。ハイドロニューマチックを備えたDS、SM、CX、GBなどクラシックシトロエンを得意とするだけでなく、近年の車両ではC6、C5、C4などのディーゼルモデルも取り扱っています。

 

東京都品川区荏原2-18-10

TEL:03-3784-5051

営業時間:9:00〜18:00

休み:月曜、第2&4日曜、祝日

 

 

===

文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



自動車
自動車
2018年8月1日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

RANKING

ランキング