パラグライダー・マスター、岩崎幸教さんが教える、「風と遊び自由になる」方法


世界でも有数のスカイスポーツの聖地、茨城県石岡市を拠点に活動するパラグライダー選手の岩崎幸教さん。穏やかな雰囲気が印象的な岩崎さんですが、パラグライダーを始めるまでは「熱血で負けん気が強かった」とか。

 

“波乱万丈”だった岩崎さんの人生を前向きで豊かなものにするきっかけとなった、パラグライダー。その魅力を岩崎さんのライフストーリーと併せてお伝えしていきます。



パラグライダーは“心を開放する”スカイスポーツ

 撮影  岩崎幸教


―― 最初に「パラグライダー」が、どんなスポーツか簡単に教えてください。

 

パラシュートで風を受けながら、空を飛行するスカイスポーツの1種です。バンジージャンプやスカイダイビングと同じスカイスポーツの1つに分類されますが、ドキドキするスリルを味わうものではないので、それらとは一線を画すものですね。



テイクオフ地点から見える、筑波山麓・八郷盆地の景色

 出典  Funmee!!編集部


―― 「飛ぶ」という点で、ちょっぴり“怖い”スポーツだと思っていました。

 

僕の感覚で言えば、むしろ“心を開放するもの”だと思っています。非日常の体験をしていただくので、ドキドキ感ももちろんあるんですけど、スカイダイビングのように4,000mまで上がらないし、バンジージャンプのようにストンと落ちるわけでもない。


地上に向かって1秒に1mずつゆっくりと近づいていきながら、なおかつ気流次第では上昇もできる間口の広いアクティビティと捉えていただけたらうれしいです。



プロゴルファーからパラグライダー選手へ“着地”

 出典  Funmee!!編集部


―― 岩崎さんは競技者としてワールドカップの出場経験もあるんですよね。始められてから随分と長いんですか?

 

始めたのは31歳のときで、途中ブランクがあるから、今年で10年目かな? 他のスポーツの感覚で言えば遅いようにも思えるんですが、パラグライダー人口全体から考えると、わりと若くして始めたほうかもしれません。それに、僕はパラグライダーを始める前まではプロゴルファーだったんですよ。



 出典  Funmee!!編集部


―― えぇっ、プロゴルファー!?

 

はい(笑)。元をたどれば、高校の引退試合を終えるまでは野球一筋だったんですが、ゴルフ部の顧問に助っ人として呼ばれたことがきっかけで、一度だけ試合に出ることになったんですよ。


そこで、たまたまジャンボ尾崎さんに声をかけてもらってゴルフの道を志すことになり、高校卒業後もゴルフ場で働いたり、尾崎直道プロのキャディをやらせてもらったりしながら、最終的にカナダでプロゴルファーデビューしたんです。


 

―― 目まぐるしい展開に、付いていくのがやっとです(笑)。そこからどうやってパラグライダーに“着地”したんですか?

 

実はカナダでのプロゴルファー時代に、現地旅行会社のガイドも兼務していて、アクティビティに出かけるお客さんの送迎をする機会が多かったんです。さまざまなアクティビティを終えて帰ってくるお客さんの顔を拝見することになるわけですが、どういうわけかパラグライダーを終えて帰ってくるお客さんの表情が特別にキラキラしていたんです。



飛行中は身体だけが空に浮いている不思議な感覚になる

 撮影  岩崎幸教


―― それで、ご自身もやってみようと。 


はい。一度だけ現地で体験してみたんですが、「身体がむき出しになって空に浮いている」あの不思議な感覚の虜になってしまって、「どうやったらプロになれるんだ」と聞いたら「難しい道のりだぞ」と言われて、かえって燃えてしまったんです(笑)。


数年後にゴルフや当時の仕事にひと段落ついたタイミングで「もう一度、競技で世界を目指したい」と思い、パラグライダーを始めました。



謙虚さと心のゆとり、パラグライダーが教えてくれたこと

 出典  Funmee!!編集部


―― パラグライダーを始められてから変わったことはありますか?

 

性格がのんびりになりましたね。僕はどちらかというと血気盛んだったというか「誰にも負けないぞ」といった気持ちが強い人間だったので、今思えばパラグライダーを始めた当初は生意気な一面もあったと思うんです。

 


―― そんな風にはとても見えないですけど……。

 

相当、生意気でした。良い風が来るのを待たずに「絶対に上昇させてみせます!」なんて言っちゃったりとか(笑)。風をコントロールして力づくでやろうとしてできないことはないんですが、大自然と対峙してもいいことはない。


そんなことに気づいてからは対峙よりも風と“融合”して、風を感じながら引っ張って行ってもらう、という感覚のほうが強いかもしれません。



 出典  Funmee!!編集部


―― 風と“融合”……自然が自分を生かしてくれている。そんな感覚でしょうか。

 

そうですね。インストラクターとしてタンデムするようになってからはより一層その気持ちが強くなった気がします。あとは、物事をひと呼吸おいてから考えられるようになりました。


これまで長い間、瞬時に判断することを求められる世界に身を置いてきたんですけど、どんな場面でも“自分”をきちんと介してから判断する心の余裕は、パラグライダーで養えたものですし、そういった感覚が暮らしのさまざまな場面でプラスに働いてくれていることは間違いありません。




■プロフィール

岩崎幸教(いわさきゆきのり)さん

パラグライダー選手。プロゴルファー兼旅行会社ガイドとしてカナダ在住中にパラグライダーを体験。帰国して数年後、パラグライダー競技者としてワールドカップに出場経験も持つ。現在は、「エアパークCooパラグライダースクール」にてインストラクター兼プロタンデムパイロットとして空を舞い、楽しみながら鍛錬を重ねている。

 


エアパーク・クー パラグライダースクール

住所:茨城県石岡市上曽1698-1

電話 : 0299-44-1408

営業時間:通年営業(毎週火曜、第2・4月曜日定休)

 

 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:佐々木ののか (Nonoka Sasaki)

写真:上樂博之 (Hiroyuki Jyoraku)

 

 

■免責

パラグライダーをされる際には、インストラクターのアテンドのもと、安全に十分に注意して行ってください。

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Funmee!!編集部

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