知れば知るほど、楽しい!ヴィンテージサーフボードの世界


当時の歴史的背景までもが反映されるヴィンテージボードは、世界のサーフカルチャーを語る上で欠かせない存在。

 

デザインやカラーはもちろん、その乗り味も千差万別で、コレクター魂をくすぐります。

 

今回は、ヴィンテージボード好きが高じてサーフショップ「New Evolution Surf」を経営している大瀧宣幸さんに、知れば知るほど夢中になるその世界を教えてもらいました。



始まりはクラシックスタイルへの憧れから

東京台東区にあるサーフショップ「New Evolution Surf」のオーナーを務める大瀧さん

 出典  Funmee!!編集部


—— オリンピック競技としても注目を浴びているサーフィンのイメージとしては、短くてシャープなデザインのボードなのですが……。大瀧さんが持っているのはだいぶ様子が違いますね。


はい。僕が集めているのは1960年代から’80年代くらいのボードが中心なんです。当時はサーフボードづくりが大きな進化の途中でしたから、ボードの長さやデザインはもちろん、フィンなどの細かい仕様も時代によってかなり異なります。



—— そもそもヴィンテージボードを好きになったきっかけは?


最初に海へ入った時、そこにいたサーファーがニーパドル(正座した状態でボードに乗り、水を掻く1960年代のサーフスタイル)をして波に乗っているのを見て、衝撃を受けました。

 

サーフィンを始めようと思ったのが20代後半とやや遅めで、ショートボードよりもロングボードに興味があった僕は、そのかっこよさと自由な雰囲気に惹かれ、「クラシックスタイルのロングボードをやりたい!」と思ったんですよね。



過渡期のボードデザインが面白い!

ヴィンテージボードの購入履歴はすべてノートに記している。現在の数は356本!

 出典  Funmee!!編集部


—— 最初にどんなボードに乗ったんですか?


スミティというブランドです。シェイパーではなく、グラスファイバーを担当する職人さんが削った板なのでヴィンテージボードとは言わないかもしれないですが、造りは完全に昔のもの。

 

まんまるのレールに重いボランを巻いて、1960年代主流のDフィンがセッテイングされてました。1998年くらいに乗り始め、このボードでクラシックスタイルのライディングを覚えました。

 


—— そこからなぜコレクターに?


ボードの歴史を調べるうちに、そのデザインや仕様が短期間で変わっていくことを知りました。

 

中でも、ロングボードしかなかった1960年代から、現在主流のトライフィンのショートボードへと移行する転換期には、本当にいろんなデザインが登場していて、興味深かった。全部乗ってみたいなあ、と単純に思いましたね。

 

今でこそ、ヴィンテージボードの価格はかなり高価になっていますが、当時はビングサーフボードの転換期のデヴィッド・ヌヒワ・モデルも300ドル。持っていても価値がわからないからまとめて買ってほしい。そんな人も結構いた時代です。カリフォルニアやハワイへ行ってお宝ボードを見つけては購入していました。



ボード好きが高じて家まで購入!?

18年前に購入した千葉・御宿の一軒家には、大瀧さんのお宝ボードを多数保管。千葉の拠点としても活用している

 出典  Funmee!!編集部


—— ほとんどは海外で購入を?


インターネットのオークションも利用しました。あとは、お父さんの古いボードに乗っている女性もいたので、千葉の海で声をかけて交渉したり……。

 


—— 本気ですね(笑)


はい。夢中になってしまって、千葉にボード倉庫兼用の家まで買ってしまいましたから…(笑)。今でもヴィンテージボードを見ながら一晩飲めるほど好きです。


 

—— そこまでの魅力は何なのでしょうか?


その年代のストーリーや時代背景を感じながら、当時の乗り味を楽しめることですかね。もちろんプロのようなライディングはできませんが、昔のいろんなボードに乗ってきている分、現在のボード進化をすごく感じることもできます。

 

古いサーフムービーを見ながら、往年のサーフスターに思いを馳せる時間もいい。例えばクラシックスタイルとして知られるドロップニーターンですが、当時のようにフィンが大きく重たいボードでは、まさにあの動きでしかターンはできないんですよ。そんな風に、さまざまな技が生まれた背景を身を持って知れるのも楽しいですね。



乗ることでその魅力はさらに深まる

ヴィンテージボードの話となれば目をキラキラ。好きなものを見つけた大人は最高だ!

 出典  Funmee!!編集部


—— でも、昔のボードは乗るのが難しそうですね。


‘60年代のクラシックなロングボードでも、よほどフィンが大きくてレールがぼってりしていない限り、意外と普通に楽しむことができます。逆に’70年代などの転換期のボードは、「これ絶対乗れない!」と思うのもあり、その感覚がまた面白かったりもします。

 


—— 自分にぴったりのヴィンテージボードを選ぶコツはありますか?


すべては出会いなので、ピンと来たら、まずは手にしてみるといいと思います。乗ってみて、それがストライクゾーンじゃなかったとしても、そのボードを掘り下げることで、新たなサーフィンの魅力や歴史を知ることにつながる。結果、波に乗ることへの楽しみも増えるんじゃないでしょうか。




■プロフィール

大瀧宣幸さん

 

東京台東区にあるサーフショップ「New Evolution Surf」のオーナー。マッカラムやミツベンなどの人気サーフボードの他、カリフォルニアの若手シェイパー、ジョシュ・オルデンバーグの輸入元も務める。所有するヴェンテージボードは100本以上。その知識は業界でも屈指



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企画・編集協力:枻(エイ)出版

文:菅明美(Akemi Kan)

写真:ペロ(Pero)



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Funmee!!編集部

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