【ポケットの中の博物館】#10 アメリカで45年かけて集めた品がならぶ雑貨店


なぜ人は蒐集するのか。蒐集されたものは最終的にどこへ行くのか。彼らのポケットの中を覗くことで、人生をかけて趣味を楽しむ価値観を知る連載「ポケットの中の博物館」。

 

観光スポットでおなじみの鎌倉に店をかまえるアメリカ雑貨店「アメ車庫」にはオーナーの渡邊善忠さんが蒐集した珍しい雑貨が所狭しと並んでいる。

 

コレクターたちの永遠の課題ともいえる終わりなきコレクションの果てを、お店という形で具現化した、往年のコレクターに迫ってみよう。



全米各地で45年間掛けて集めたモノを展示販売

看板やノベルティ、器など、所狭しと並ぶさまざまな雑貨たち

 出典  Funmee!!編集部


車のガレージを店舗へと改造してオープンさせた「アメ車庫」。そのオーナーの渡邊さんは元々、アメリカ軍基地でのウエスタンミュージックを演奏していたバンドマンであった。アメリカに対して軒並ならない憧れを抱いており、ついに1971年、アメリカへの移住を決意する。

 

「アメリカでは様々な事業を起こしました。成功したものもあれば失敗したものもあったり。そんな時に僕を支えてくれたのが、ルート66に関するアイテムたちなんです。元々クルマやバイクが好きだったこともあり、アメリカを代表する国道であるルート66には思い入れがあって、ロードサインを集めだしたんです。中でもルート66の起点でもあるイリノイ州に掲げられていたロードサインが一番最初に購入したもので、これだけは今でも大事にとってあります」



イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結ぶルート66は、アメリカ西部の発展を促進した国道。これは渡邊さんが最初に購入したもの

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アメ車庫オーナー・渡邊善忠さん

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そんなルート66に冠するアイテムを集めるため、全米のアンティークストアをめぐるにつれ、ルート66以外に蒐集するジャンルはどんどん広がっていったそうだ。

 

「アメリカは移民の国なので、アメリカ国内で作られたもの以外にもヨーロッパものも多く流通しています。それが面白くて、気がついたらありとあらゆるジャンルのものを集めだしていました。なかでも僕はメカニカルなものが好きなので、ヴィンテージのジュークボックスや100年前のコーヒーミルなども集めてました。購入時は故障してたりすることも多いんですが、修理パーツを集め全部レストアして稼働できる状態にしています」



ウエスタンなコレクションは、自身のルーツでもあるウエスタンバンドへの熱き思いへと通じる

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メカニカル好きが高じて、アンティークのレジスターも販売

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希少なコレクションを次の蒐集家へ橋渡し

コレクタブルなアメリカン雑貨に触れ合える店「アメ車庫」

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渡邊さんの蒐集歴は45年あまり。日本の店舗と、移住先のアメリカの倉庫にあるコレクション点数を合わせると、8万点以上ものアイテムがあるという。どれも気に入って手に入れたアイテムばかりだが、なぜそのコレクションを販売することに決めたのだろうか?



限られた人しか手に入れることのできない、アメリカ大統領から送られる小物ケース。まばゆい輝きが豪華だ

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アメリカの画家・ノーマン・ロックウェルが描く、アメリカの原風景を印刷したポスター。なかでも月面着陸のイラストが◯

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「私は2017年で74歳を迎えます。まだまだ元気ですが、やはり年齢や病気のことを考えると、いつまでも大切に保管しておくのは難しい。それであれば私が集めたコレクションを大切にしてくれる人々へお譲りしたいと考えました。そこでガレージを改装して店舗を構えたのです。オープンしてから5年が経ち、様々な方々へコレクションをお譲りしていますが、その方々から大切に保管しているとお聞きするとやはり嬉しいですね。でも、どれも思い入れのある品々なので、旅立っていくときは寂しい気持ちにもなります(笑)。とはいえ、まだまだ蒐集はしています。やはりコレクションを初めたきっかけであるルート66のアイテムは常に欲しいんです(笑)」



1970年代に活躍したジープ製の郵便車「JEEP DJ5」。メイルマンが運転しながら配達を行うため右ハンドル・スライド式ドア仕様となっている。国内ではかなり希少。もちろんこちらも販売中

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渡邊さんのトライアンフはカスタムモデル。クラシックなリジットフレームにエンジンを換装した

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渡邊さんがコレクションしたアイテムの中に、あなたにとってのお宝がきっと眠っているだろう。ぜひこの場所で見つけて欲しい。




■プロフィール

渡邊善忠さん

アンティークアメリカ雑貨屋「アメ車庫」オーナー。ロサンゼルス在住。現在は1カ月ごとのリズムで日本と往復する生活を送る。コレクションは多種多様なものとなり、その点数は数万点にも及ぶ。

 

アメ車庫

神奈川県鎌倉市扇ガ谷4-1-15

TEL:0467-22-2727

営業時間:11:00~16:00

休み:月~火曜、祝日

 

 

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文:白澤亜動(Ado Shirawsawa)

写真:鳥居健次郎(Kenjirou Torii)

 

 

■注記

本企画はライフスタイル誌「Lightning(ライトニング)」(枻(エイ)出版社)の連載「ポケットの中の博物館」の再掲載になります。掲載した蒐集品や商品は取材時のものです。

 


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Funmee!!編集部

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