ラッキーの連続で今の僕がある、国際山岳ガイド・近藤謙司さんの原点


私たちのような一般人をエベレストなど世界の山々に連れていってくれる国際山岳ガイドの近藤謙司さん。
「山を始めるきっかけは何だっていい」と言ってくれる、その懐の広さはどこからくるのでしょうか?
近藤さんが山を始めたきっかけや、ガイド登山への想いを探っていきます。

軽音部がないから、とりあえず山岳部に。すごく楽しくて、山が好きになった


ーー 本格的に登山を始めたのはいつですか?


高校生で山岳部に入部しました。僕はずっと音楽をやってきた文化系の人間で、スポ根とか苦手(笑)高校に軽音部がなかったので、とりあえずといった感じです。

 出典  Funmee!!編集部


ーー 「とりあえず山岳部」って、ちょっとおもしろいですね。


どうせなら中学にはない部活をやりたかったんですよ。でも、入部したらすごく楽しかった。キャンプに行ったり、土曜日に豚汁作りの練習したり。北アルプスで合宿もして、山が好きになりましたね。



2回目の高校2年生、山岳ガイド・根岸知さんとの運命の出会い


ーー 高校のときは山岳部だけだったんですか?


実はワルガキだったので、高校2年生を2回やっていて、2回目のときに修学旅行を欠席したら学校から修学旅行の積立金が返金されたんです。親にそれを渡したら「何か自分のためになることに使ってみる?」って言われて。国際山岳ガイドの根岸知さんに「僕を冬の五竜岳に連れていってください」と電話をかけたんです。それがきっかけで、3月上旬の五竜岳に挑戦しました。高校3年生になる少し前、初めての雪山ですね。





ーー 初の雪山はいかがでした?


いやー、すごい経験しましたね。雪崩にもあうし、滑落するし。僕の原点ですよ。

それに、根岸さんのガイディングが、とにかくスマートでオシャレでかっこいい。山に登れるとか、強いとかだけじゃない。人間的にも信頼できて、生活技術もあって、人を楽しませてくれる。僕が高校2年間でみてきた山登りとは全然違いました。根岸さんに感動して「ガイドいいな」って思ったんです。




高校生時代の経験も、エベレストへの挑戦へつながった

 提供  近藤謙司さん

今の僕があるのは先輩たちのおかげ、だから今度は僕が若者を迎え入れてあげたい


ーー 高校卒業後に、エベレスト隊に参加されていますよね。


根岸さんを通じて1983年の今井通子さん率いるエベレスト隊(冬季チョモランマ北壁登山隊)に荷物かつぎで参加させてもらいました。プレッシャーやストレスもなかったから体調もよくて(笑)今井さんにも気に入ってもらえて、2年後の再アタックのときは正式な隊員として声をかけてもらっています。そこから、僕の遠征登山も始まったんですよね。



 提供  近藤謙司さん


ーー ガイドも始められたんですか?


学生時代から今井さんのオフィスで働いていたので、ヨーロッパでガイドをはじめたのが22歳の時でした。その後、日本にガイド協会ができ、国際連盟に参画するときにプロフィールを提出して、正式に国際山岳ガイドに。



ーー なんだかトントン拍子ですね。


ラッキーですよね。本当にいい先輩に恵まれていました。だから、今度は僕が同じことをしてあげたい。エベレストに行ってみたいとか、山岳ガイドになってみたいとか、そういう想いをもった若者を迎え入れてあげたいんですよ。



登頂の喜びが何倍にもなる!こんなハッピーな仕事ない!

 提供  近藤謙司さん


ーー エベレストのガイド登山を始めたのは、何かエベレストへの思い入れがあったのでしょうか?


お客さんからの要望なんです。当時、日本で懇意にしてくれていたお客さんで平均年齢65歳くらいの女性グループがあったんですけど、とにかく元気で、5,000m、6,000mとどんどん挑戦していくんですよ。ある日「私たちでも8,000mいける?」って相談されて。


当時の僕はチョー・オユーという8,000m級の山は登ったことがあったので、登山経験もあり比較的安全と考えられているチョー・オユーにまずは連れていきました。




 出典  Funmee!!編集部


この山の山頂に立つと、すぐ後ろにエベレストが見えるんですね。「次はこっちにおいで」とエベレストが呼んでいるように感じるらしくて、登頂した人の中から「エベレストもいけます?」と声があがったんです。


スタッフも大奮闘してくれて、2004年に初めてエベレストのガイド登山が実現しました。僕が学生時代にエベレストに挑戦してから18年、僕にとっても初めてのエベレスト登頂。



 出典  Funmee!!編集部


ーー 色々な思いがあったのでは?


感無量でしたね。お客さんのおかげで僕はエベレストに登頂できたので、感謝しかない。自分だけで登っていたら自分1人の喜びですが、お客さんも一緒だと喜びは2倍にも3倍にもなります。こんなにハッピーなことはないです!登頂するたびにガイドでよかったなと思います。



ーー 最後に、近藤さんにとって山とは何でしょう?


職場であって、家庭でもあって、あらゆる意味で自分が自分らしくいられる場所です。家に帰ってゆっくりしようっていうのと同じくらい、「ベースキャンプ落ち着くわ〜」ってなります。




70歳からOLまで。みんなの「エベレスト行きたい!」を叶える国際山岳ガイド・近藤謙司さん



■プロフィール

(公社)日本山岳ガイド協会公認 国際山岳ガイド

山の日アンバサダー

株式会社アドベンチャーガイズ 代表取締役

近藤謙司さん 


山岳ガイドの仕事をベースに、講演・出演・執筆・教育活動、自然や山岳スポーツを対象としたイベントの企画・運営・コーディネイトなどを手がける。日本人では数少ない国際山岳ガイドの資格を持ち、1998年、冒険と山岳ガイドの旅行会社アドベンチャーガイズを設立。ごく一般の人々を極限の自然へ案内する事に喜びを感じ、夢を実現化させる請負人。



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Funmee!!編集部

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