【僕のサン=サーンス】#02 人生初のチェロ購入。楽器店へGO!(前編)


オトナの特権をフル発動して、いつの日かの憧れを、いまモノにする! Funmmee!!がこの夏にお届けする、ちょっと無謀な新連載「名曲『白鳥』をチェロで弾きたい」の第2話は、チェロ購入編。

 

ガラスケースが並ぶ静謐な楽器店に足を踏み入れたところでようやく分不相応を知り、汗と涙と鼻水がにじみ出てきたのであります!



チェロを買わなきゃ始まらないのだ!


チェロを始めるのに必要なのは、勇気より楽器。そんなわけで、人生初のチェロ購入へと走ったのであります。その日は奇しくも七夕。どんな縁が導いたのかわからないけれど、織姫に「また来年会えたら、オレの『白鳥』でメロメロにしてやるぜ」とひとりごちながら楽器店へ向かう。勇気や楽器と同じくらい大切な動機には、いつだって不純なキモチが混ざっているものです。

訪れたのは地下1階から5階まで楽器や楽譜類がそろうヤマハ銀座店。7~9階はホール、10~12階は音楽教室という、ビル全体が音楽のためにある場所です。ヤマハ銀座店へ行くことを決めた理由は、僕が高校1年で初めて買ったギターもヤマハだったから。

ヤマハ銀座店4階。管楽器、打楽器、弦楽器が置かれたクリーンなフロア

 出典  Funmee!!編集部


この地に外国人観光客をわんさと乗せた観光バスが押しかけようとも、街の新しい顔になろうとするギンザ シックスがオープンしようとも、このヤマハ銀座店は中央通りの7丁目にでんと建ち続けているのも頼もしい。少なくとも僕が銀座で馴染みと呼べるのはこの店だけだ。ただし、それは地下1階のギターフロアのみ。今回目指した4階の弦楽器が置いてあるフロアに行くのは初めてだった。

遅ればせながら、チェロへの挑戦者(僕)について

 

さてここで、「1回目の記事であんたがどこの誰かわからなかった!」と編集部から指摘されたので、僭越ながら手短に自己紹介します。

 

ワタクシ田村十七男(となお)は、寅年乙女座O型、賞罰特になしのフリーランスライター。人に話を聞けば何とか書けるだろうと高をくくっているので専門ジャンルなし。珍奇な名前は、かつて小説家を目指した父親の師匠が「17日生まれかぁ」と名づけてくれたもの。音楽は素人ですが、憧れのギターを買った経緯だけを一気に記した『僕のマーチン君』(枻(えい)出版社)という著書があります。

 


弓だけで210万円!?


それはさておき、ヤマハ銀座店4階の弦楽器コーナー。すべての楽器がガラスケースの中に仕舞われております。そのクリーンで高級な雰囲気に触れて、今になってようやく客層または身分の違いを思い知らされ……。帰るなら今かと出口を振り返ろうとして、澄んだ声に呼び止められました。

見るからに丁重な堀江さんです。僕がよく行くギター系ショップにはいない感じの方です

 出典  Funmee!!編集部


それが人生初のチェロ購入に付き合ってくれた、管弦打営業課チーフの堀江敏成さん。ヤマハの人は何かしら音楽経験があると聞いた覚えがあるが、堀江さんは声楽なのだそうだ。だから声がいいのね。ふむふむ。

そんな(どんな?)堀江さんの登場を心の支えにして、どうしても確かめたかったチェロあるあるを訊ねてみた。「弓はチェロ本体より高い」って本当?

「現在置いてある弓でもっとも高価なのはこちらです」

そう言われてまたしてもガラスケースに収めてある幾多の弓を見たら、何と外国製ヴィンテージで210万円! 消費税を足したら226万8千円!? 人を乗せて走ることもできないのに、やっぱり楽器の世界はクレイジーだ……。

200万円超って! 木の材質や造り方で値が張るのはわかるけれど……

 出典  Funmee!!編集部

「下は3万円からあります」と言われたけれど、それでも弓だけで、ねぇ

 出典  Funmee!!編集部

チェロを大切に包む専用ケース


「こんなものもありますよ」と、堀江さんの柔らかな声音に導かれた先で待っていたのは、フランスのBam L 'Originalというメーカーのチェロ専用ケース。この手のハードケースを背負って電車で移動する人を見る度、「住む世界が違うなぁ」と思ってきた。これを持てば僕もそっち側にいけるかもしれない。しかもコイツはアシンメトリーなクールフェイスだ。

「日本に入って間もないので、これを持っていたらかなり目立ちますよ。40万円を超えますが」

って、堀江さんは僕をどこへいざなおうとしているのだろう。

ケースだけで40万円。気取ってますが、傷つけないようビビってます

 出典  Funmee!!編集部


「チェロにたどり着く前に250万円オーバーだな」

これは成り行きを見守りながら片頬だけの笑みを絶やさなかったカメラマンO氏のセリフだ。

そうだ、肝心のチェロはどうした? などと床から足が浮いたような精神状態のまま、次回に続く!

次回、買います。逃げたりしません

 出典  Funmee!!編集部


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文:田村十七男(Tonao Tamura)

写真:小澤義人(Yoshihito Ozawa)

制作協力:ヤマハミュージックリテイリング ヤマハ銀座店


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Funmee!!編集部

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