俳優・木下ほうかさん流、ヴィンテージウォッチの愛し方

芸能界屈指のヴィンテージウォッチのコレクターとして知られる、俳優・木下ほうかさん。


熱心に集めていると噂のヴィンテージロレックスの愛用品のご紹介を交え、自身の時計遍歴や収集のポイントについてお話をうかがいました。

ヴィンテージウォッチに憧れ、コレクターの道へ


ヴィンテージロレックスは世界的な相場が確立され、熱狂的なコレクターたちを中心に盛り上がりを見せています。


木下ほうかさんも自他ともに認める、生粋のマニアの一人です。



本日の相棒は、手巻きデイトナRef.6265

 出典  Funmee!!編集部


「ヴィンテージロレックスに興味を持ちはじめたのは、1989〜‘90年頃だったと思います。その当時はまだ買えなくて、雑誌を眺めて憧れていました。はじめて買ったロレックスはヴィンテージではなく、当時の現行モデルだった『エクスプローラーⅡ』のRef.16570。次に買ったのは、フライトジャケットが好きだったこともあり、リアルマッコイズとのWネーム仕様の『GMTマスターⅠ』Ref.16700でした。僕が買った個体はプロトタイプでシリアルナンバーが00。刻印の入り方も他の50本とは少し違っていた記憶があります」



2本の現行モデルを愛用しつつ、ヴィンテージへの憧れを募らせていった木下さん。それから数年後、ついに記念すべき1本目のヴィンテージロレックスを購入する機会に恵まれます。



「最初に購入した2本を何年も普段使いしても、ヴィンテージウォッチ特有の経年変化は味わえないので、なんとなく不満があったんです。そして、ついに手に入れた念願の一本が、今も愛用し続けている『エクスプローラーⅡ』のRef.1655です。正確には覚えていないのですが、購入したのは確か2000年代前半だったと思います。 実際に手にしてみると、黄色く日焼けしたインデックス、こんもりとした風防などのディテールに奥行きだったり、時計の経年変化から『この時計のオーナーは、僕で何代目なんだろう?』と想いを馳せることができました」



一時期は20本以上ものレアモデルを所有


ロレックスに限らず、ヴィンテージウォッチはオリジナリティやコンディション、さらには真贋の問題など、購入の際に常に不安が付きまといます。


「失敗を恐れていたら何も学べないのがヴィンテージの世界。そこから得られる経験や知識によって、興味の対象も常に変化していきます。たとえば、今日つけてきた『コスモグラフ デイトナ』のRef.6265。昔から非常に人気が高いモデルですが、個人的には最近までまったく興味が湧かなかった。金無垢の時計も同じで、集めはじめた頃は興味がなかったんですが、年齢を重ねるにつれて見え方がだいぶ変ってきました」


木下さんが所有する『コスモグラフ デイトナ』Ref.6265

 出典  Funmee!!編集部


はじめて手に入れたエクスプローラーⅡ Ref.1655の購入を皮切りに、木下さんの時計の収集はヴィンテージ路線にひた走ることに。


「最初に購入した現行モデル2本を資金繰りに当てて次に買ったのが、ロレックスの代名詞である『サブマリーナー』。そこから徐々にエスカレートして、一番多い時で20本ぐらいまで時計が増えたのですが、同時に虚無感が……。そこで手持ちの時計を一本に絞ろうと思ったことがありました。ところが、一度手放したら最後、買い戻すことが難しい時計ばかりだったり、なんだかんだ精査することはできませんでした。僕の場合、付属品にもこだわるからフルセットの個体が多くて……。そうなると、なおさら手放しづらくなってくる(笑)」



木下さんクラスのコレクターになると、実店舗からオンラインショップ、個人売買や物々交換まで、時計を入手する手段は実に幅広い。


「地方にいい個体があると噂を聞いて、直接お店やオーナーを訪ねてみたり、海外の有名オークションからebayまで、あらゆる手段を使って時計を入手しています。2年前ぐらいまでは、誰からどういう金額で買ったとか、シリアルナンバーなどを細かく記録していたのですが、今はやめてしまって、何を持っているかすら分からなくなっています(笑)。それに職業柄、時計が好きであることを公言してると、たまに見ず知らずの人から時計をもらえたり、なにかのご縁でレアな個体を譲っていただける機会が生まれることも」



まず市場ではお目にかかれないレアモデルがずらり!

コレクターとして酸いも甘いも噛み分けた木下ほうかさんのコレクションから、最近よく着用しているというヴィンテージロレックスの3本をご紹介します。

①ブラウンに変色した文字盤がお気に入り!

スポーツウォッチよりひと回り小ぶりのサイズ感にも注目!

 出典  Funmee!!編集部


「これは割と最近買った『オイスター パーペチュアルデイト』のRef.1500。付属品はフルセットで揃っています。いわゆるマニアの間で“トロピカル”と呼ばれるコンディションで、元は黒だった文字盤が茶色に褪色しています。この個体に限らず、ケース径34mmの時計は全般的にまだ価格がそこまで高騰していないので狙い目です」


②大変希少な“アイボリーダイヤル”のRef.16520

市場価格の予想がつかないほどのレアな個体

 出典  Funmee!!編集部


「僕の見解からすると、『コスモグラフ デイトナ』のRef.16520は、S~Wまでの品番のみ“ブラウンアイ”などと呼ばれる文字盤の変色を起こします。このS品番の個体は文字盤の色味がとてもめずらしい。これほど変色している個体はほかでまだ見たことがありません」。


③マニア垂涎。ブルーベゼル×赤針の「GMTマスター」

マニアなら誰もが唸る、通好みのパーツに注目!

 出典  Funmee!!編集部


「1970年代の『GMTマスター』Ref.1675です。24時間針がすべて赤い個体であることに加え、市場に滅多に出ることがない希少な青のベゼルとの組み合わせが気にいっています」


本当に価値ある時計を探し求めたい!


ヴィンテージロレックスと言えば、近年著しく価格が高騰しているのと、リセールバリューの高さから投資の対象としても注目を集めています。


「リセールは少なからず意識しますよ。30年近くロレックスの相場を見ていますが、基本的に右肩上がりです。やっぱり完全な道楽では買えないから、いざって時に手放せる確かなモノを選んでいます。ここのところ、ロレックスのスポーツモデルの価格が高騰しすぎたこともあって、最近は他のメーカーの時計を買うこともありますよ。プレミアがついていなくてもいい時計はたくさんありますから」。



最後に、そんな木下さんが気になる時計について。


「具体的に狙っている時計はないですね。とはいえ、心のどこかでくすぶっていて、常に何かを探している感覚はあります。強いて挙げるなら、オマーンを中心に中東諸国が軍用に作ったロレックスのスポーツモデルは気になるかも? これまで何度か商談のチャンスがありましたが、値段が高すぎて、まったく手が出せませんでした。もし今後、該当する個体が出てきたとしても、全部の時計を手放しても追い金がいるかもしれないから、そこまで高いと買う気も起きないし、普段使いするにも抵抗があります。でも、もしかすると将来的にすごいコレクターの方と出会って、格安で譲っていただける日が来るのかもしれない(笑)。そんな出会いもまたヴィンテージウォッチを集める醍醐味なのかな」




■プロフィール

木下ほうかさん

1964年生まれ。大阪府大東市出身。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業。大学卒業後に1989年に上京。30年以上のキャリアを持つベテラン俳優。数々の人気テレビ番組や映画で活躍。フジテレビの『痛快TV スカッとジャパン』のイヤミ課長シリーズで一躍お茶の間の人気者に。近況では、映画『High&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY』、WOWOWドラマ『アキラとあきら』などに出演。また、映画作品では、2017年10月14日(土)に『恋と嘘』、2018年には『嘘八百』の公開を控えている。ヴィンテージウォッチのコレクターとしても各界で広く知られている。



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文:戸叶庸之(Tsuneyuki Tokano)

写真:鳥居健次郎(Kenjiro Torii)



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Funmee!!編集部

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