#42 フォルクスワーゲン タイプ3ファストバック(ディテール編)
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【趣味人ジドウシャ部】︎

#42 フォルクスワーゲン タイプ3ファストバック(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。ドイツフォルクスワーゲンの名車、ビートルの後継モデルとして登場したタイプ3を紹介します。




大衆車メーカー初の高級乗用車


旧い時代のフォルクスワーゲンというと、ほとんどの人がビートルの愛称で知られるタイプ1を想像すると思います。そんなタイプ1同様、ポルシェ博士の設計による空冷の水平対向4気筒エンジンをリアに搭載するという独特なメカニズムを踏襲し、タイプ3は1961年に登場しました。より高級な自動車を目指したこのクルマには、スピードメーターがひとつのタイプ1とは異なり、ダッシュボードに3連のメーターが備わり、エンジンの排気量も拡大され、各部の造りも非常に豪華になっています。



リアフェンダーからテールランプに続くラインに、テールフィンの名残りを見ることができます
 出典  Funmee!!編集部
リアフェンダーからテールランプに続くラインに、テールフィンの名残りを見ることができます


タイプ3はボディバリエーションによって異なる名前が付き、今回紹介するファストバックは1966年に追加されたボディスタイルです。ちょうどアメリカではマスタングが発売され、ファストバックスタイルのスポーティな小型乗用車が人気になり始めた時代で、フォルクスワーゲン社の目論見通り、アメリカでもタイプ3ファストバックは人気となったのです。




視認性と居ごこちを高める瀟洒なディテールたち


平面のダッシュにシンプルな単眼メーターを配置したタイプ1に比べて、タイプ3のダッシュは非常に豪華です。メーターは3連となり、ダッシュの上部にはパッドが備わる立体的なデザインになります。取材車両はアメリカからの並行輸入車なので、左ハンドルでスピードメーターがマイル表示となります。



湾曲したガラスに合わせて立体的なダッシュがタイプ3の特徴です。取材車両はオートマチックなので、セレクターレバーと大きなブレーキペダルが見えます
 出典  Funmee!!編集部
湾曲したガラスに合わせて立体的なダッシュがタイプ3の特徴です。取材車両はオートマチックなので、セレクターレバーと大きなブレーキペダルが見えます


白いボディに映える真っ赤なシートは一度張り替えられており、まるで新車のようにキレイ。乗車定員は5名ですが、リアシートのセンターに格納式のアームレストがあり、4人乗車時にはこれを出すことでリアシートもゆったりと座ることができます。




タイプ1と比べて幅広くゆったりとした室内。リアシートもかなりゆったりしています
 出典  Funmee!!編集部
タイプ1と比べて幅広くゆったりとした室内。リアシートもかなりゆったりしています


ファストバックのリアクォーターウインドウは、全長の長い一枚ガラスが使用されており、前方1/3程度が固定されたガラスがしなって後部がポップアップする非常に珍しい仕組みです。見ているとしなったガラスが割れそうで怖いですが、これでまったく問題ないのです。




ガラスのしなりを利用して後部がポップアップする非常に珍しい仕組みのリアクォーターウインドウ
 出典  Funmee!!編集部
ガラスのしなりを利用して後部がポップアップする非常に珍しい仕組みのリアクォーターウインドウ

前後両方に大きなラゲッジスペース


タイプ3のエンジンは、タイプ1同様にリアにマウントされており、フロントフードの中にエンジンは見当たりません。フロントにはスペアタイヤやガソリンタンクが備わり、タンク上部の空間がラゲッジスペースとなります。荷物の収容能力は非常に高く、ここだけでボストンバッグ3〜4個は収納可能です。



フロントフードの中は広いラッゲジスペースで、前端にはスペアタイヤが収まります
 出典  Funmee!!編集部
フロントフードの中は広いラッゲジスペースで、前端にはスペアタイヤが収まります


後部のハッチ開けると、まず目に飛び込んでくるのがフロントに負けない広大なラゲッジスペースで、エンジンはこの下にあります。ラゲッジスペースのゴムマットをめくると、エンジンにアクセスするためのメンテナンスハッチが見えます。



リアラゲッジスペースの床下にエンジンへのアクセスハッチがあります
 出典  Funmee!!編集部
リアラゲッジスペースの床下にエンジンへのアクセスハッチがあります

タイプ1より大きく、運転しやすいエンジン


エンジンはタイプ1と同じ水平対向4気筒の空冷エンジンですが、タイプ1の1,200ccをベースにクランクシャフトをロングストローク化して排気量を1,500ccまでアップした新設計のエンジンを搭載。さらに1966年には1,600ccに変更となります。また補器類を大幅に変更し、全高を従来の半分程度に抑えることで、上部をラゲッジスペースとして活用できるようになったのです。

 

加えてこの取材車両は、タイプ1には採用されなかった3速フルオートマチックを搭載。イージードライブが可能です。



取材車両は1,600ccで純正インジェクションの代わりにツインキャブレターを装着しています
 出典  Funmee!!編集部
取材車両は1,600ccで純正インジェクションの代わりにツインキャブレターを装着しています

ファストバックをはじめとして、ノッチバックやヴァリアント、カルマンギアなど歴代のタイプ3たちを解説。英語の本ですが豊富なカラー写真とイラストや表などを使い、見やすい一冊になっています。


■取材協力

フラット4

 

東京の目黒通り沿いにショールームを構える空冷フォルクスワーゲン専門店。車両販売はもちろん、各種パーツの販売、修理、レストアなども行っています。さらに地下1Fには歴史的にも貴重なヴィンテージフォルクスワーゲンを収蔵したミュージアムを併設しています(見学は予約制)。

 

東京都目黒区鷹番1-1-5

TEL:03-3792-7151

営業時間:9:30〜19:00

休み:日曜、祝日

 

 

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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



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2018年8月22日
Funmee!!編集部
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