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#23 人生を変えた!弓道と弓「直心I スーパーカーボン」
【ザ・使い込んでる部】︎

#23 人生を変えた!弓道と弓「直心I スーパーカーボン」


使い続けるのには理由がある。愛し続けられるのには想いがある。そんな趣味にまつわるこだわりの“私物”を紹介する「ザ・使い込んでる部」。

 

今回は、テレビCMなどでも活躍している“弓引くモデル”萩本舞さんに、愛用している弓「直心I (じきしんワン)スーパーカーボン」をはじめとする弓具たちを紹介していただきます。



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弓道がやりたい!! 偏差値を10上げて希望の高校へ


私は幼いころからスポーツが好きだったのですが、中学1年生で身長148cm・体重33kgと小柄なうえ華奢で、何をやっても負けてばかりだったんです……。


体格に関係なく個人に平等にチャンスを与えられる部活はないものか? と考えていたときに出会ったのが、弓道でした。曽祖父と叔父がやっていたと聞き、運命的なものも感じて。



乱れぬ体配で矢を放つ。そのためには日々の鍛錬や心配りが大切。写真は射法八節の五節目「引分け」。また、一番最初の写真は、同じく射法八節の「会」に入る直前
 出典  Funmee!!編集部
乱れぬ体配で矢を放つ。そのためには日々の鍛錬や心配りが大切。写真は射法八節の五節目「引分け」。また、一番最初の写真は、同じく射法八節の「会」に入る直前


じつを言うと決意した時点では、弓道の強い高校には成績が届いてなかったんです(笑)。

 

だけど「弓道したい!」という一心で勉強して、1年間で偏差値を10上げて無事合格しました。念願叶って弓道を始め、初めて弓を引いたのは、高校1年生の夏です。そのときの感動はいまでも忘れられません。



がんばらないと引けない弓

グラスカーボン弓なので、竹弓にくらべればずっと扱いやすい。しかしそれでも握り革を巻き直したり、弦を替えたり、中仕掛(矢筈があたる部分)を直したりと、多くの手入れが必要
 出典  Funmee!!編集部
グラスカーボン弓なので、竹弓にくらべればずっと扱いやすい。しかしそれでも握り革を巻き直したり、弦を替えたり、中仕掛(矢筈があたる部分)を直したりと、多くの手入れが必要


弓は3年ほど前に「直心I スーパーカーボン」を手に入れました。この弓は大学生のときに使っていた弓と同じシリーズで、発射時の振動が他のシリーズとくらべて少し強めなんです


私の華奢な身体では、きちんと引けていないと身体が振動に負けてしまいます。自分にとって大変なこの弓をあえて選んだのは、学生時代にくらべ弓を引く時間が減った分、より身体で弓を引く感覚を大切にしたかったから。そして、「がんばって引きなさいよ」という自分へのメッセージも込めています。



モデルのきっかけになった仕事で出会った矢
 出典  Funmee!!編集部
モデルのきっかけになった仕事で出会った矢


矢は、大学のころ学生として参加した撮影で急遽赤い矧糸(はぎ糸)の矢が必要になって手にして以来、10年近く使い続けています。“弓引くモデル”の仕事へと私を導いてくれた、想い出深い矢。「神奈川県学生弓道連盟秋季女子新人・個人戦」で個人戦4位入賞を果たしたときもこの矢を射ました。


そんな縁を感じる矢ですが、私も中級者になってきたので、道具も成長にあわせてよりよいものを選ぼうと思っている今日この頃です。



“かけがえのない”かけ


日本語には弓道由来といわれる言葉がたくさんあるんです。諸説あるそうですが、“かけがえのない”の“かけ”もそのひとつ。


正式には弽(ゆがけ)と呼ぶこの弓具は、右手に着けて弦を引く手袋状の道具で、人に貸すことも借りることもできないものなのです。



弦を引くために使う「かけ」は、どんどん革がすり減っていく。そのため、弓道を始めた高校1年生のときから何度も直しながら使い続けている
 出典  Funmee!!編集部
弦を引くために使う「かけ」は、どんどん革がすり減っていく。そのため、弓道を始めた高校1年生のときから何度も直しながら使い続けている


だいぶ年季が入ってきましたが、このかけを変えたらすべてが変わってしまう気がして、買い替えられません(笑)。きれいに使えば長く使えるものと聞くので、使用後の手入れは欠かせません。まさに言葉の通り、私にとって“かけがえのない”かけ、なんです。



弓が教えてくれる道具や礼儀の大切さ

弓道は28m先にある36cm幅の的に、4本中何本の矢が中たるかで勝負が決まる。的の中なら場所に関係なく中たれば勝ち、というシンプルなルールを知らない人もまだまだ多い
 出典  Funmee!!編集部
弓道は28m先にある36cm幅の的に、4本中何本の矢が中たるかで勝負が決まる。的の中なら場所に関係なく中たれば勝ち、というシンプルなルールを知らない人もまだまだ多い


弓道には道具の手入れや射法、礼儀など、やらなければならないことがいろいろあります。でも、私はそれらを面倒だとは思いません。むしろ大切なことだと思うので、ずっと楽しんでいられるんだと思います。由来や理由がわかると、もっと知りたくなってどんどんハマっていきますよ(笑)


弓道を始めたころには、なんでこんなことをしなくちゃいけないんだろう……と思うことがたくさんありましたが、すべて的に矢を中てることにつながってくるんです。


小さな歯車が狂うと、最後にうまくいかなくなる。そういうことって仕事や人間関係でも起こることですよね。道具を大切に使い、すべてに礼を尽くすこと。弓道を通して、「基本」と「小さな積み重ね」の大切さを学べていると思います。




■プロフィール

萩本 舞さん

 

千葉県出身。モデル、タレント、ラジオパーソナリティ。高校1年生から始めた弓道は、現在参段。“弓引くモデル”としてハウスメーカーのCMやスポーツ誌など、さまざまなメディアで活躍している。

 


■撮影協力

世田谷区立総合運動場体育館 弓道場

体育館に併設された弓道場。最大5つの的を設置できる。弓道場内には男女それぞれの更衣室がある。団体や個人で利用できるほか、毎年、秋に開催される公益財団法人世田谷区スポーツ振興財団主催のイベント「区民スポーツまつり」では、弓道体験もできる。2018年の事始めにトライしてみては?


Data

東京都世田谷区大蔵4-6-1

開館時間:9:00〜21:00

休み:年末年始(12月29日~1月3日)、保守点検日

団体利用:公共施設利用案内システム「けやきネット」へ要登録。

個人利用:団体利用がなければ個人利用可。利用日の1カ月前から窓口で予約。

 ※電話での予約不可

利用料金:ホームページにてご確認ください。



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文:山田裕子(Yuko Yamada)

写真:後藤武久(Takehisa Goto)



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2018年1月22日
Funmee!!編集部
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