いまこそ聴きたい!シティ・ポップ名作10選(前編)


近年、リバイバルが囁かれるシティ・ポップ。HMV record shop コピス吉祥寺の松本真伍さんによると、その音楽性はタームによって異なるそうです。

 

今回はシティ・ポップの系譜に連なる名作を松本さんにアナログ盤しばりで10枚選んでいただきました。前編では、’70年代後半から’80年代半ばまでにリリースされた作品をご紹介します。それでは、どうぞ!



随所にジャズやソウルの要素も感じられる

随所にジャズやソウルの要素も感じられる

 (C)日本クラウン / 出典 Funmee!!編集部


大貫さんといえば、テレビ東京の『Youは何しに日本へ?』という番組で2ndアルバム『Sun Shower』を探すアメリカ人男性が登場して話題を呼びましたが、今回紹介するのは1stアルバムです。

 

このアルバムは、シュガー・ベイブが解散した年にリリースされたもので、音楽性もシュガー・ベイブの発展形と言えるでしょう。作詞作曲はすべて大貫さんが担当し、アレンジャーとして山下達郎さんや坂本龍一さんが参加しています。

 

歌詞は同時代の歌謡曲と比べると内容がとても曖昧で、すべてを言い切らずにぼんやりさせています。「愛は幻」など、とくにその傾向が顕著に感じられます。

 

歌唱法はとつとつとしていて、ローラ・ニーロやジョニ・ミッチェルを想起させます。非常に都会的な雰囲気のアルバムですね。



いしだあゆみの新たな一面を引き出しました

いしだあゆみの新たな一面を引き出しました

 (C)日本コロムビア / HMV record shop / 出典 Funmee!!編集部


大ヒット曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」で知られるいしだあゆみさんが、ティン・パン・アレイの面々をバックに歌うアルバムです。

 

作曲者としては、萩田光雄さんと細野晴臣さんが参加しています。萩田さんの曲は歌謡曲寄りですが、ユーミン以降のニューミュージックの影響も感じられます。細野さんの曲は洗練されたシティ・ポップで、聴き比べるのもオススメです。

 

作詞は全曲、橋本淳さんが手掛けています。都会で暮らす女性の切なさ、やるせなさをテーマにした曲が多いですね。いしださんの節回しが巧みで、うっとりと聴き入ってしまいます。

 

アナログ盤の再発は、HMV record shopが担当させていただきました。たくさんの方に聴いてほしい作品です。



ジャケットのイラストは鈴木英人が手掛けた

ジャケットのイラストは鈴木英人が手掛けた

 (C)アリオラ・ジャパン / 出典 Funmee!!編集部


山下達郎さんの6枚目のソロ・アルバムです。

 

リリースされた1982年はディスコ全盛期ですが、その影響なのか、全編を通してブラックミュージックの要素が感じられます。とくにベースラインは際立っていて、踊れる曲が多いですね。

 

この昨品は、達郎さん自身のキャリアでもとくに思い入れのあるようです。それは最近のライブでも表れていて、オープニングでこの作品の1曲目「Sparkle」を、エンディングで「Your Eyes」を演奏しています。

 

爽やかさとアーバンな雰囲気が同居している、シティ・ポップの教科書のような作品と言えます。シティ・ポップという文脈においてはもちろん、日本のロック/ポップス史においても傑作だと思います。



レコーディングには後藤次利や鈴木茂らが参加

レコーディングには後藤次利や鈴木茂らが参加

 (C)ユニバーサル・ミュージック / 出典 Funmee!!編集部


井上鑑さんは’70年代後半から活躍しているキーボーディストで、アレンジャーとしても有名な方です。『予言者の夢』は、そんな井上さんが初めてリリースしたソロ・アルバムになります。

 

全面的にシティ・ポップを感じる作品ではないのですが、AORにも通じるアーバンなサウンドで、非常に聴き応えがあります。1982年のリリースなので、ニューウェーブ感もありますね。

 

僕自身は、プログレッシブ・ロックをニューミュージック・ライクにアレンジした作品だと解釈しています。歌詞もプログレッシブ・ロックの影響があるのか、どこか幻想的です。

 

海外のDJを中心に再評価が進んでいるサックス奏者、清水靖晃さんが参加しているのもポイントですね。



大ヒット曲「君は1000%」も収録

大ヒット曲「君は1000%」も収録

 (C)VAP / 出典 Funmee!!編集部


カルロス・トシキさんの透き通った歌声が印象的な1stアルバムです。

 

音楽性は、’80年代半ば以降のシティ・ポップらしく、シンセサイザーを多用しています。ブラック・コンテンポラリーや80’sのデジタル・ファンクを歌謡曲風にアレンジしていて、アーバンなムードが漂っています。

 

現在、クラブではシンセサイザーを使った曲が流行っているのですが、そこにドンピシャでフィットするサウンドです。DJが使ってもおかしくないと感じる曲もあります。

 

オメガトライブ関係は中古レコードが非常に安いのですが、内容はクオリティの高いものが多いです。とくにこの作品は過小評価されていると思うので、一度じっくり聴いてほしいですね。



(C)VAP


■プロフィール

松本真伍さん

 

2013年よりHMVに勤務。2017年、HMV record shop コピス吉祥寺の立ち上げに参加し、現在は副店長を務める。専門は、ジャパニーズ・ポップス、シティ・ポップ、ニューミュージック。

 

 

■撮影協力

UNISON TAILOR

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-5 コピス吉祥寺A館2F

TEL:0422-27-2726

営業時間:10:00~21:00

 

 

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文:吉田勉(Tsutomu Yoshida)

写真:山本祐之(Yuji Yamamoto)



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Funmee!!編集部

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