
#15 日産 パオ(邂逅編)
最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった日本発のクルマたち。そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう「ヘンアイ国産自動車の会」。今回は日産パイクカーの第二弾、パオに乗る髙木さんを紹介します。
奥様の高校の頃からの憧れのクルマ
今回ご登場いただくのは、茨城県でカフェを営んでいる髙木惇史さんと、彼の愛車PAOを紹介します。このクルマを購入する前はVW ニュービートルに乗っていたという髙木さん。次なるクルマに「パオ」を推したのは奥様でした。
「次のクルマを探している最中にニュービートルが故障しちゃったんです。で、たまたま家の近くのクルマ屋さんにパオが一台売りに出てて、妻が『これがいい!』って。実は妻は高校生の頃に走ってるパオを見てからずっと好きだったそうです」

そんな偶然も重なって3年前に髙木家にやってきたのは、人気のスライディングルーフ付きで、クリーム色の’89年式オートマチックモデルでした。フェイスが可愛いと評判の専用オーディオはもちろん、クーラーまで備わるフルオプション車両です。
ダッシュ下に専用のステーで装着される専用オーディオは、カセットデッキ(!)なので、市販のカセットアダプターを使ってMP3オーディオを再生しています。ちなみにスピードメーターの脇にあるアナログ時計は、パオ乗りの間で色と雰囲気がぴったりと人気のDULTON社製キッチンクロックだそうです。こんなドレスアップもパオならではですね。

それでもやっぱりパオが好き
スライディングルーフは雨漏りをするそうで、雨の日のドライブは大変と髙木さん。ボディ各部もだいぶ傷んできたといいます。ところが手放す気は全くなし。現在はお子様の誕生を機にもう1台フランス車を増車し、2台体制に。つまりこのクルマはセカンドカーとしてこれからも乗っていく予定です。
「パオはいまのクルマにはない見た目と、運転している時の独特な振動が気に入ってます。思ったより壊れないし、いつまでたっても全然飽きないんですよ。このクルマは今後も長く乗れそうな気がします」

■プロフィール
髙木惇史さん
茨城県在住。つくば市内で『トタンコットンカフェ』を夫婦で営む30歳。子供が生まれたため、ISO FIXチャイルドシートを装着できる某フランス車と、パオの2台体制に突入。
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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)
