【憧れのガレージ拝見!】#03 究極、趣味の空間――“鉄のサビと木”がコンセプトのガレージ(前編)


ガレージはクルマやバイク好きにとって、いつかは手に入れたい夢の空間だ。

 

ただ愛車を駐車するだけでではなく、メインテナンスをしたり、カスタムをしたり、またサーフボードや自転車など、趣味のギアを保管したり……。ガレージライフは人それぞれだが、そこには“FUN”が詰まっている。

 

東京都内の閑静な高級住宅街、その一角にひときわ目を引くガレージハウスが。巨大なアール型ルーフのガレージと「鉄サビと木」をコンセプトとしたという無機質な家が融合し、独特な世界を生み出している。

 

カーレーシングエンジニアとして活躍する加藤丈博さんの一軒へ。



小学校4年生でバイクにひと目ぼれ

二輪好きが高じて、レースの世界へ。現在はレーシングカーのエンジニアとして活躍

 出典  Funmee!!編集部


―― 加藤さんはレーシングカーチームのエンジニアだそうですが、具体的にどのようなお仕事をされているのですか?

 

SUPER GTやF1のチームでレーシングカーの車両設計をしています。メインはエンジンとコンピュータですね。その前は二輪のレースのエンジニアもしていたので、メカニックもこなしていました。



バイクのカスタムは、自作して楽しむ

 出典  Funmee!!編集部


―― 昔からクルマに興味があったのですか?

 

いや、クルマではなくバイクです。小学校4年生の時に、踏み切りでとまってるヤマハのバイク、FZR250を見て、「すごい!」と思ったんですね。それから、「いつか自分でつくったバイクに乗りたい」と。

 

16歳からカワサキ系列の店でアルバイトを始めて、18歳で契約社員になりました。大学では電気・電子を覚えようと思い、国内外のスーパーバイクのメカ、エンジンをつくりました。大学卒業後は、二輪メーカーに入社しようと考えていたのですが、これからはコンピュータの時代ということで、アフターパーツメーカーに入ってバイクの動きを制御するコンピュータをつくるようになりました。

 

そして、国内、海外で経験を積んで現在にいたるという感じですね。日本人でレースの仕事をしている人はまだまだ少ないです。



ガレージは、仕事ではなく趣味の延長

仕事柄、ガレージ内には幾つものプロの工具や工作機械が。これでも新居に移る際に処分をした

 出典  Funmee!!編集部


―― やはりお仕事柄、ガレージはなくてはならない?

 

いや、全然必要ないんです(笑)。自分のガレージは趣味の領域ですよ。仕事は四輪、しかもレーシングカーですからね。SUPER GTのレーシングカーと街で走っているクルマは同じモデルでも、共通の部品ってドアノブだけですから、それとエンブレムが貼ってあるぐらい。個人のガレージで何かできるレベルではありません。

 

いま工作器械も幾つかありますが、このガレージハウスに引っ越してくる時に、整理してしまいました。前のガレージは調布にあったのですが、敷地が広くてもっと大きかったんです。ここにきてから手狭になったのでバイクやクルマも処分してきたんです。



当初はピットをイメージしたというガレージ。大きなアールの屋根が特徴的だ

 出典  Funmee!!編集部


―― サーキットのピットのような無骨な感じがしつつも、シャンデリアや日本画が飾ってあったり、アンティークの振子時計があったりと、かなりユニークな世界観ですよね。

 

正直、自分が求めているガレージを業者さんにお願いしても、レースのピットなんて知らないから絶対に伝わらない。だから、とにかく「こういうスペースだけつくってくれればいい」とお願いして。もっと「レース、レース」にしようかなと思ったんですけど、最近そんな気がなくなってしまって、シャンデリアをぶら下げたり、絵を飾ったり、適当になってしまいました(笑)



妥協をせず。3年かけてのガレージハウスづくり

細部にもこだわりが光る加藤さんの住まい。「リビングに既製品は一切ありません」

 出典  Funmee!!編集部


―― どんなガレージハウスをつくりたいと思ってたんですか?

 

仕事柄ヨーロッパへ行くことが多いので、イギリスのパブとか薄暗い雰囲気がいいなと。で、“鉄のサビと木”をコンセプトにした家を建てようと思いました。だけど、結果ちょっとフランスっぽくなってしまいました(笑)。

 

とはいえ、どれもこれもフランスやイギリスでなくては嫌だとかはありません。リビングのシャンデリアもスペイン製ですし、アメリカなどの倉庫に転がっていた台車を飾ってあったり。

 

適当に、これも面白ければいい、テイストに雰囲気が合えばいいと。ただこの家には既製品が一切ありません。カーテンも劇場の緞帳(どんちょう)をつくる職人が手がけていますし、鉄板とかは鍛冶屋の仕事ですね。



ガレージから直結する部屋。個性的なインテリアが独特な世界を作り出す

 出典  Funmee!!編集部


■プロフィール

加藤丈博さん

東京都調布市出身、大田区在住。幼少のころからバイクにほれ込み、レースの道へ。大学卒業、アフターパーツメーカー勤務をへて、二輪から四輪の世界へ。SUPER GTやF1、ルマンなど、国内外のトップレーシングチームのエンジニアとして活躍してきた。

 


■取材協力

カリフォルニア工務店

 

 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:サンオー・プロダクションズ (SAN-O PRODUCTIONS)

写真:小尾淳介 (Junsuke Obi)



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Funmee!!編集部

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