釣り雑誌の元名物編集長・水口謙二さんの新たな挑戦は“大冒険”!


「ルアーマガジン」、「ルアーマガジン ソルト」、「ルアーマガジン リバー」、「磯釣りスペシャル」、「ちぬ倶楽部」など、釣りをする人なら誰もが目にしたことがある数々の雑誌を18年間にわたって作り続けた名物編集長・水口謙二さん。


2011年3月に独立し、現在は“冒険”をテーマにした新たな活動に取り組む水口さんに、釣り具を手に世界を渡り歩く醍醐味を伺った。



釣り雑誌の編集長から世界を旅する旅人へ

ショップ冒険用品の壁にはオリジナル商品「Jet Setter」が並ぶ

 出典  Funmee!!編集部


―― どういった経緯で釣り雑誌の編集を担当するようになられたのでしょうか。


就職して2年間バイク雑誌の編集をして、90年代の釣りブームのころに「ルアーマガジン」の創刊に携わり、のちに編集長として雑誌づくりに取り組むことになりました。


編集長として働いていたころ、5誌を掛け持ちしてたんですよ。だから、とにかく仕事に追われていました。就任したときはまだ若かったので年上の編集者もいますし、プロアングラーのみなさんに失礼がないように心がけるなど、いろいろなプレッシャーもありました。


でも同時に、国内のあらゆる海や河川へ取材に行き、さまざまな場所でプロのアングラーの釣りを見れたことで、この時期に多くの経験を積めたと思います。



編集長をしていた釣り雑誌のひとつ「ルアーマガジン」

 提供  水口謙二さん


―― 退職されたのは2011年の3月とのことですが、やはり震災が影響したのでしょうか。


いえ、辞めることはもっと前から決めていたんです。ただ、5誌も編集長を担当していたので、簡単には辞められません。数カ月前から自分がいなくても滞りなく業務が流れるよう準備し、ちょうど退社する予定だった3月の、退職手続きを終えたその日に震災がおきました。


そのことで、自分の中で何かこれからの生き方がより定まったというか。それまで練馬に住んでいたのですが、いっそのこと住まいも変えようと、より自然豊かな高尾山のふもとへ移住しました。



サラリーマンのころの自分が“井の中の蛙”だったと気づいた


―― 超多忙な編集長からフリーになって、どんなことをされたのでしょうか。

 

退社して釣り三昧というよりも、新しいことをしたいと考えていました。編集長時代があまりにも忙しすぎて海外に行けるチャンスがほとんどなかったし、仕事で国内のあらゆる場所での釣りを経験してきたので、まず手始めとして2012年に海外へ旅に出ました。



世界の絶景で有名なウユニ湖にて

 提供  水口謙二さん


―― 海外の釣りにはどのくらい行かれたのでしょうか。

 

現在ではしょっちゅう海外遠征をしていますが、初めての渡航は2012年12月、ブラジルのアマゾンに渡航したのが皮切りです。国内の釣りと違うと思い知らされたのが、アマゾンでの「ピーコックバス」釣り。ピーコックバスにはいくつか種類がいるのですが、アマゾンで釣れるのはデカい。ほかにも生きた化石といわれる「ピラルクー」の神々しさにも圧倒されました。


アマゾンには6回ほど通っています。ほかにも、モンゴル、カナダのユーコン川、パタゴニアからセネガルなどなど、あらゆる国を回って釣りをしています。

 

 

―― 日本国内の釣りとはひと味ちがいそうですね。

 

アマゾンでの釣行はまさに冒険。例えば、ピーコックバスを釣った流域には「オンザ」という野生のヒョウが生息しているため、安全を確保するために身を守る手段を習得しました。もちろんガイドも同行していますが、できれば自分の身は自分で守れるようにしておきたいですよね。ブラジルへ来て「自分は井の中の蛙だったんだ」と気づかされました。



ブラジルで釣ったピーコックバス

 提供  水口謙二さん

“本気で遊ぶ”と必ずおもしろいことに出会える


―― 釣りの旅は、仲間と行かれるんですか?

 

じつは大半が一人釣行です。仲間とめぐるのもおもしろいものですが、一人旅のほうが現地の人とより濃くコミュニケーションをとる機会が増えます。

 

それから、独立後にそろえたカメラ機材一式を持参していくのですが、いちいち色んなところへ立ち寄っては写真を撮りたくなるんです。そうすると同行者を待たせてしまうので、ひとり自分のペースで動くようにしています。

 

 

―― 水口流の「釣り旅の醍醐味」を教えてください。

 

釣れた、釣れなかったということはもちろんですが、いまでは釣りは旅するためのきっかけといっても過言ではありません。むしろ現地の人たちとの交流や、その国の文化、歴史を楽しむことを大切にしています。

 

だから僕は、釣りに行く国の文化、歴史などを必ず学んでから渡航します。知識があると、現地でいろいろなことに気づくし、入国してから水辺へたどり着くまでも楽しめるんです。そういう準備期間も合わせて旅は本当におもしろい。

 

旅の終わりに大都市に立ち寄ることもおすすめです。トランジットなどで降り立った国でもかまいません。海外の釣り場はたいてい自然豊かな田舎町なことが多いので、そこから一気に都会へ移動して、そのコントラストを楽しむとおもしろいですよ。

 

そういった旅を通して、釣りの経験値を上げるだけでなく、釣りとは異なる新しいことを体験したり、学ぶこともできます。旅を通して新たな刺激をいっぱい吸収して、次の自分をつくる糧にしています。

 



■プロフィール

水口謙二さん

オートバイ雑誌、釣り雑誌「ルアーマガジン」の創刊から編集として携わり、編集者から編集長へ就任。「ルアーマガジン」のほか、「ルアーマガジンソルト」、「ルアーマガジンリバー」、「磯釣りスペシャル」、「ちぬ倶楽部」の5誌の編集長を担う。2011年の3月から独立し、ジェットスロウ社を立ち上げ、自身の経験に裏打ちされたオリジナルのロッドやウエア、釣りと旅に最適なアイテムを手がける。また、釣りと旅をコンセプトに、オリジナル商品やセレクトされたギアを販売するアウトドアブランド「冒険用品」を運営。2014年、東京都八王子市に実店舗をオープン。


冒険用品

東京都八王子市西寺方町363-2

営業時間:11:00〜19:00

休み:火曜



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文:井上綾乃(Ayano Inoue)

写真:上樂博之(Hiroyuki Joraku)



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Funmee!!編集部

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